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仮面ライダーX 感想総括&考察(という名の妄想)

仮面ライダーX』全35話の感想総括。

  『変身忍者嵐』『アクマイザー3』と見てきて、同年代の作品で似たような感想になってしまいがちなのですが、やはりというか新たな試みを行うのが難しい時代だったのだろうなと感じさせられます。

 大まかに作品全体を分けると、

 1話~8話:序盤、裏切った婚約者と瓜二つの女性をめぐる敬介の苦悩

 9話~21話:アポロガイストとの対立

 22話~最終回:キングダークとRS装置

 の3つになります。

 序盤、長坂秀佳さんがメインライターとして座る予定だったらしく、1話と2話では敬介の婚約者・涼子をめぐる関係(バーでの涼子との会話など、まさに「大人の男女の関係」の象徴のような描写)、厳しいけど尊敬していた父、改造人間として一人戦う苦悩、対立する二国が手を結んで結成したGOD機関など、人間関係や組織などに独特のリアリティを持たせる設計がされていました。

 が、2話以降声でさえ神啓太郎は登場せず、8話で涼子と霧子の姉妹が退場したのを機に徐々に方針が変更され、22話のキングダーク登場からはGODの怪人は神話由来でなく歴史上の悪人、目的も純粋な世界の崩壊、Xライダーの変身プロセス変更になるなど、ほぼ別物の作品と変化してしまいました。

 一応、最終回でラスボス(呪博士)を神啓太郎の親友としたことにより、無理矢理21話以前とつなげましたが、そこに至るまでの伏線もなにもないため、本当にただつなげただけでしかありません。

 GOD機関の「対立する二国が水面下で手を結び、日本壊滅をたくらむ」って設定は、色々危険な臭いがするのですが面白かったので、最終的になかったことにされたのが非常に残念。時代的にも、これが通用しそうなのはせいぜい80年代後半までですし。

 また、そういった設定変更に伴って、主人公である神敬介の精神的成長も書かれてはいるのですが、婚約者の存在や父への敬意を踏まえたキャラ描写はますます減少していき、最終的に「立派な戦士」と言えば聞こえはいいものの、むしろ「V3以前の仮面ライダーと同一化」してしまった印象になり、主人公そのものにXライダーならではの特色が持たせられなかったのも残念です。

 感想記事内では長坂さんの脚本をボロクソにけなしたようになってしまいましたが、敬介のキャラとしては1・2話や7・8話の方が好きです。

「……姿を変えろ、イカルス!」 

「イカルス! その姿を冬子さんに見せるな!」

  7話のこのセリフが「神敬介」という人物を示していて、とても好き。

 変身ポーズも、「セタップ」の方が独自色が出ていることと、仮面を装着するプロセスがまさに「仮面ライダー」の名を現している感じで個人的に大好きなので、「大変身」でそれがなくなったのは惜しいです。

 

 テコ入れの中で個人的にもっともよかったのは、アポロガイストが登場したこと。

 『仮面ライダーX』で一番好きなキャラを聞かれると、敬介をさしおいてアポロガイストと答えます(笑)

 GOD秘密警察第一室長という肩書、怪人に対する身内からのツッコミ役としての機能、演じる打田康比古さんの容姿と声と演技、どれも秀逸でした。

 ……まあ、ナチュラルに監査役」ってあだ名つけて呼んでましたが!(笑)

 どうも組織内での行動を見るに「警察」というより「監査役」という印象がしっくり来たのと、「アポロガイスト」よりも「監査役」と書く方がパソコンだと楽なのでそっちにシフトしてしまい、挙句GOD機関に「人事課」とかあるので、後戻りできませんでした。

 そんなわけでアポロガイストにほれ込んだことから、どうにも二度の退場劇(14話と21話)がいまいち盛り上がらず、残念な出来に。

 14話はせめてアーム爆弾の爆発がもうちょっと派手なら納得できたのですが(映像で見る限りライダーをこれで倒せるとは思えないし、アポロガイストもこれで死ぬとは思えない)、復活以後は敬介との個人的な因縁に固執するキャラとなって小物臭くなってしまい、21話は蘇生手術が不完全だったのを博士を殺したために後戻りできない、という情けない設定からの決戦で、さらに残念な退場劇でした。

 キレのあるセリフは、復活以後だと思いますが。

「俺は貴様を殺すまでは何度だって蘇る! 貴様にとっては迷惑な相手なのだ!」 

「それだけあれば、店の修理に足りるかな? 神敬介の香典だ。例え敵にでもいい印象を残しておきたいからな

  素晴らしい悪役でした(笑)

 

 最後の敵となるキングダークですが、「巨大な敵を出すことで強さを表現して盛り上げる」としか考えてなかったような気がして、いまいち。またせっかくの巨大キャラなのに、基本的に本拠地から動かないためその巨大な設定が活かせませんでした。その分、最終回で街を破壊したのはよかったですが。

 で、キングダーク編の軸となるRS装置の設計図争奪戦。これが始まった時に危惧したワンパターン化の道を見事に歩んでしまった上、肝心のRS装置はどう考えても悪魔の兵器なので(ナレーションまでいつの間にか「恐怖の」と呼んでいた!)、これを軸にしても単純に面白くありませんでした(^^;

 最終回で投げっぱなしですし、設計図の話。

 

 色々あって、全体的に完成度高いとは言えないのですが、基本設定は面白かったので、テコ入れされない当初の路線の『仮面ライダーX』は、見てみたかった。まあそうなると、アポロガイストには出会えなかったかもしれませんが。

妄想余談:GOD総司令の正体は神啓太郎? 説

 わずか2話の出番でありながら、「私が2015年に視聴した特撮作品外道人物ランキング」を考えるなら間違いなく単独首位を駆けるだろうと思われる、本作最大の邪悪・神啓太郎教授。

 「これからの科学者には腕っぷしも必要」という謎の理論から敬介に対する唐突な暴力的言動を第1話で見せつけ、敬介に着せた防弾ベストの効果を確認させるため浜辺でいきなり発砲するなど、いくら70年代にしても「感情表現が苦手で厳しいが優しい父」の領域にとどまらない、確実な狂人としか見えませんでした。

 加えて、第1話での彼の言動には、あまりにも不審な点が多すぎます。

 ・敬介に防弾ベストを装備させておきながら、自分の防弾ベストは何故か用意していない

 ・敬介の手術後、誰がボートに敬介を運んだのか不明

 ・加えて、海底の神ステーションに誰が神啓太郎の死体を運んだのかも不明

 ・敬介の改造は命を救うための突発的なものではなく、最初から敬介を改造するつもりだった(いつの日かこんな時が来るのを見越していたと発言しており、それは神ステーションやクルーザーの存在を考えても間違いない)

 ・敬介に目的を告げないままボタンを押させ、それによって自らの死体を処分、その様を敬介に見せつける

 ここまで見ても他に類を見ないほどのド外道っぷりを発揮している神教授ですが、この後さらに、第2話では敬介に何の理由もフォローもなく単独での戦いを強要し、神ステーションを破壊しており、死後まですさまじいド畜生でありました。

 あまりにあんまりすぎるため、以降の話で敬介が父を持ち上げるのは脳改造が完了しているからではないかとか、穿った見方までしてしまいました(笑)

 で、それらを踏まえてずっと抱いていた疑念があります。

 もしもこれらが意図的なものならば?

 敬介を改造するのも、敬介に単独で戦わせるのも、自分の死を強調して見せたのも、全て最初から計算されていたことだったなら、どうなるか。

 そこで問題になるのが、GOD機関の目的。

 第1話で語られたその目的は「対立する二国が水面下で手を結んで日本を壊滅させる」というもので、時代的に冷戦下のアメリカとソビエトを意識して設計されたものと思われます。

 そんな二国が日本を壊滅させる意味は何か、と考えると、冷戦の終結のために日本を仮装の敵国として共通の標的にする、というのが真っ先に思い浮かびます。

 要するに『アウターリミッツ』の「ゆがめられた世界統一」や『ウォッチメン』と同じ理屈です。

 さらに推し進めて「GOD」(神)という名前の意味も含めて考えると……GOD機関は二国の平和を取り持つ第三勢力の存在(神)を欲していたのではないか?

 永久に続くか、あるいはどこかで世界の終焉を呼ぶ冷たい戦いに終止符を打つため、その二国の脅威をも超える「神」を用意する。それによって全人類の団結を目指す。

 またそれは、ショッカー等の「世界征服」について、平和のためと言う観点からさらに進めていったものとも言えるでしょう。「神」が「改造人間」になればショッカーの出来上がりです。

 GOD機関の目指す世界平和は、神の脅威による全人類の団結であり、同時に「神」による世界の征服である。

 そして、その「神」となる存在に至るのがカイゾーグ、つまりXライダーなのでは?

 旧来の神話に描かれた「神」を次々倒していく未知なる存在「X」は新世界の神となり、闇の政府のリーダーとして、世界を統率し平和に導く。

 そうなると、息子を改造して「神」に仕立て上げようとし、そのために力を必要として鍛え上げ、時が来たところで彼を改造、自分は真実を隠すため一旦死を偽装し……ということになって、

 神啓太郎の理不尽な言動には一定の説明がついてしまうのです。

 真の目的は知らないまま、敬介は神話怪人を倒し続けることで神に近づいていく。しかし、次々と強敵を倒して、最後に現れるのは自分の父!

 明かされた真相に、敬介は苦悩する。自分が「GOD」となり世界を統率すれば、世界に平和が訪れるかもしれない。しかし、そうして人類の「自由」を奪えば、それは本当に「平和」なのか? そこに「正義」があるのか?

 自分も「七つの海をめぐる」という夢を抱く、自由に憧れた人間だったのに?

 平和を願う人が、「神」を作ろうとした。

 我が子を「神」にしようとした父の想いもある。

 人間でなくなっても、自分を慕い続ける婚約者がいる。

 その妹も「みんなのXライダー」を願っている。

 彼らの思いのために、自分は「神」となるべきなのか?

 本当に人類は「神」がなければ争いを止められないのか?

いかつい父の あの掌を

握って誓った 約束は

平和な明日を 作れよと

父の叫びが 聞こえてる

俺はライダー 神敬介だ

行くぞ 誓いを 果たすまで

              ――神敬介の歌 作詞:長坂秀佳

 ……なんてところまで妄想が膨らんでしまったのですが、脚本の長坂さんを始め、本当にそんなことを考えていたのかは知りません(^^;

 1%ぐらいはそんな『Xライダー』の可能性も……あったのかなあ。