読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

Go!プリンセスプリキュア37話感想

『Go!プリンセスプリキュア』の感想。

  先に書いておくと、面白かったです。大塚隆史監督の演出はやっぱり自分のツボだし、脚本の構成もセリフもしっかりしていて、メインライター田中仁さんの意地を見ました。

 演劇会で「ロミオとジュリエット」を公演することになったはるかのクラス。演劇部の古屋りこ・平野ケンタの二人がリードし、平野がロミオ役を、はるかがゆいの推薦でジュリエット役に。はるかは断ろうとするも、古屋はあがり症のため舞台上での演劇ができず、また以前から演出をやりたいということから裏方に徹することに。それぞれが自分のやりたいことを持っていると知ったはるかは、ジュリエット役の推薦を受けるのだった。

 はるか/キュアフローラの基本的な理念として「個人の意思を尊重する」というものがあるため、ここではるかがジュリエット役のオファーを受ける流れが自然に入りました。

 見方によっては「はるかはやりたくもない役を、他の人の推薦があるから受ける」という流れになるのですが、ここで他のクラスメイトそれぞれが自分のやりたいことを示し、話の中でそれをきちんと見せていくことでしっかりバランス取り。とりあえず脚本を仕上げたゆいちゃんは頑張った(笑)

 だが、いざ練習が始まると古屋は鬼のように厳しく指導。

 厳しく言われてもなおくじけないはるかは、夜中や休憩時間に台本や原作の本を読んで研究したりと、いつも通りの持ち味でまっすぐ努力。が、それでもダメ出しを食らう。

 「春野さん、もっとジュリエットをわかってあげて。でないとあなたの言葉は観客に届かない」

 正直言って、視聴者としては古屋ははるかに甘える形で自分のやりたいことやっているのだから文句言うなと言いたくもなるのですが、基本的に自己評価が低いはるかは思いっきりへこんでしまい、海辺に佇む。

 そこに救世主・カナタ王子参上。

 イケメン王子、とりあえず台本を読む。

 「哀しいお話だね。でも美しいとも思う。二人が思いを貫こうとするところとか」

 そう述べるカナタに、ジュリエットの思いが読めなくて悩んでいることを告げるはるか。誰かに代わってもらえないのかと尋ねるカナタだが、はるかは拒否。

 「自分で決めたんだもん。すぐに諦めたら、何も始まらないよね」

 どこまでもはるかの善良さがここにあることが示される台詞。……本当に「自分で決めた」のか、ちょっと怪しい気もしますが、まあ本人はそう思ってるし、そういうことにしとこう(^^;

 「……似てるよ。君はジュリエットに似てる」

 「え? どこが?」

 「前向きでまっすぐなところとか。なんとなくだけど」

 記憶失っているのに、こういう言葉をさらっと繰り出せる王子のスキルが怖い(笑)

 まっすぐやろうと元気を取り戻したはるかは、カナタに練習に付き合ってもらうことに。

 記憶失っているのに名演技の王子のスキルが(以下略)

 「バラを別の名に置き換えても、その香りは同じ。ロミオ様はロミオ様です」

 は、カナタ王子の境遇も踏まえると意味深。

 ここで水平線に沈む太陽や、波の光を背景に置くのがとてもきれいで、これまで何度も繰り返されたカナタとはるかの構図と距離も印象的。

 演劇会までの残り一週間、また頑張ろうと張り切るはるか。ここから当日までの学園生活をテンポよくダイジェスト処理していくのが大塚監督らしい演出。

 そしてやってきた演劇会当日だが、平野は緊張して外に出たところをディスダークに襲われ、それを探す古屋も囚われてしまう!

 ここからは変身バンクを超省略し、ストップウォッチの時限爆弾で70秒以内の戦闘という展開に。平野ゼツボーグのロミオ型が多数に分裂したりと派手な動きを見せながら、右下に本当にリアルタイムで進行するタイマーを見せる演出で、短いながらも緊迫感を出していきます。

 ストップウォッチは水に弱い、とマーメイドの攻撃で止める作戦に。平野ボーグに潰されそうになるがフローラが吹き飛ばした上にマーメイドの攻撃で、タイマーは0.01秒前にして停止! エクラ・エスポワールで二体のゼツボーグは浄化されるのであった。

 後半早々とゼツボーグが退場し、以降はドラマに割く構成に。

 解放された二人だが、平野は逃げようとした時に足を怪我していた。やはり古屋は舞台に立てず、はるかの表情が曇ったその時、はるかと練習を続けてきたカナタが代役に名乗り出た。

 ここではるかは何も言わないのに、その表情の微妙な変化を見て名乗り出る王子は本当につくづくイケメンすぎる……。

 部外者を入れたら賞はもらえなくなるが、やれないよりはマシ、と平野もそれを承諾する。だが。

 「ちょっと待って! 私は……劇が上手くいかなくても、ちゃんと自分たちでやらなきゃいけないような気がする……うまく言えないんだけど、無茶かもしれないけど、でも……失敗してもいいから、私は、自分たちのクラスの舞台を作りたい!

 きちんと言いきりました。

 ここまで練習を、努力をしてきたのは賞をもらえるからとかそんな話ではなく、自分たちでやりたいことを決めてやってきたから……だったら、最後まで自分たちの力で貫かなければ、意味がない。

 王子の言う「思いを貫くところ」の美しさがここで示され、また劇中の台本「バラを別の名に置き換えても香りは同じ」というセリフの逆で「違う花が名前をバラに変えたってバラではない」という伏線になっており、お見事。

 平野に応急処置を施し、演劇を始めるクラス。ジュリエットにロミオが呼びかけるシーンで、傷が痛んで平野は倒れてしまうが、機転を利かせたはるかはアドリブで進行してフォロー。拍手の中で演劇は幕を閉じた。

 再び海辺に並ぶ、はるかとカナタ。

 「ありがとう、カナタ。なんとか自分たちで、最後まで頑張れたよ」

 「はるかはまっすぐだ。本当に、ジュリエットのようだったよ」

 再び水平線に沈む太陽をバックに(最初の練習シーンは右から差し込む夕日で左が暗めだったのが、今度は全面夕日に染まって明るい色、とするのがまた綺麗)、今度は「ああロミオ、どうしてあなたはロミオなの?」「あなたが望むのなら、僕は自分の名を捨てましょう」のシーンを演じながら、カナタがはるかの手を取るシーンで締め。

 エピソードの内容として重視すべきポイントをしっかり絞っており、そこに向けて台詞や映像の作り方がとてもきれいに仕上がっていました。またその点で、演劇会の賞の結果を示さなかったのも、よかったところ。

 次回、まさかのクローズ人間態?