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ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

鉄血のオルフェンズ 12話感想

アニメ感想 鉄血のオルフェンズ 金元寿子

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の感想。

 売られた喧嘩は買うまでだ、とタービンズと鉄華団はブルワーズが待ち受けるスペースデブリの浮かぶ宙域に突撃。ラフタと三日月が先行し、それを追いかける昭弘が昌弘を救い出すために行動し、イサリビたちは三日月の背後を警戒するブルワーズにあえてデブリだらけの場所を横から突撃して不意打ちするという作戦に出る。

 そのころ、昌弘は仲間のスペースデブリと「死んだ人間は生まれ変わり、もう一度母の胎内から生まれてくる」という会話を交わしていた。

 「そいつは人間の話だろ。俺たちはデブリだ。死んだってなんにも変わらないさ」

 あ、キュアフ○ーラが「そうだね、きっと昌弘君は変わらないよ!」とかブチ切れて説教するタイプのいじけ方だ。

 ……失礼しました。

 この作品、宗教の類が今のところ描写はされていないのですが(設定を考えると、そもそも完全に宗教の概念がない可能性もある?)、死んだ人間がどうなるのかとか、人間の意識の所在はどうなるのかとか、そういうところの考え方がどういう認識で共有されているのかは気になるところ。

 まあ、三日月が「出来るだけのことをやる」人間で、こちらのサイドに控えているのが赦しの侵略者アトラちゃんなので、「今は最低でも生まれ変わったら幸せになるんだ」って考えは思いっきりぶん殴られそうな感じですが(笑)

 そのアトラ、クーデリアといっしょに弁当を三日月に渡したり、これからデブリ密集地帯に突入するという時にクーデリアの手をやさしく包み込んで「三日月は大丈夫だよ」と励ましたりして、聖母っぷりを遺憾なく発揮。

 奇襲作戦に成功する鉄華団。タービンズのハンマーヘッドが文字通りぶつかって船を押しつぶし、さらにイサリビがアンカーを撃ちこんで内部に団員が突撃して白兵戦、とこの無茶ぶりな戦闘は本作の特色という感じで興奮しました。

 バルバトスと百里がブルワーズのモビルスーツと戦闘を繰り広げる中、昭弘は昌弘のモビルスーツを捕捉して話しかける。迎えに来たと呼びかける昭弘だが、昌弘は迎えを期待するだけ辛くなり、無駄だと諦めていたのだと告げる。

 「こうして兄貴についていって、それで何が変わるって言うんだ?」

 「昌弘……」

 「遅かれ早かれどうせ死ぬんだ。だってそうだろ? 俺たちはヒューマンデブリなんだ。地面でなんて死ねない」

 次々と死んでいくブルワーズの戦闘員を映しながら、話は続く。一人「あの世で会ったら説教してやる」と言っているのが、なんとも。

 「デブリは宇宙でゴミみたいに死んでいく……」

 「そうだな。俺もそう思ってた」

 「はあ?」

 「俺もデブリだ、何をやったってどうしようもねえ、このまま一生変わらねえって、……正直、お前のことも諦めちまってた。けどな、こんな俺を人間扱いしてくれるやつらが……いや、家族って言ってくれるやつらができたんだ」

 「……家族?」

 「ああ、みんながお前を待っててくれる……だから」

 「ねえ……家族ってなんだよ? く、くひひ……兄貴? あんたと父さんと母さんと、それだけだったよ? 俺の家族は」

 「昌弘?」

 「俺が……あんたのことを待ってる間、一人だけいい目に会ってたのかよおおお! やっぱあんたは俺を捨てた!」

 「違う、昌弘! 俺は!」

 「あんただってさあ……今にわかるよ」

 自分の知っている家族の喜びを昌弘に分け与えようとする昭弘だが、家族の存在や意味を知らない昌弘は昭弘を拒絶する。

 昭弘の信じる喜びと幸福が、必ずしもすべてに通用する幸福とは限らない……という展開をしていくところはいいのですが、昌弘の声(演技)と表情が一斉に変貌しすぎていて、昌弘の抱えている歪みと狂気が浮き彫りになるよりもいきなり別人が乗り移って出てきたみたいに見えてしまいました(^^;

 話の展開としては、鉄華団やタービンズは家族や恵まれた食事などの幸福を知っており、それを信じているから「この世界には救いがある」と認識しているのですが、昌弘はそういった幸福を全く与えられないが故に「この世界に生きることは呪いである」と認識している、とカウンターを突っ込んできたのがポイント。

 昌弘が「何にも変わらない」とするのは、単に自分がヒューマンデブリであって人間ではないから、という話だけでなくこの地獄にまた落ちるぐらいなら消えてしまう方がマシ、という意識があるのかな、と。

 アミダがアトラに「パンを独占するのと肉を分けるのとどちらがいいか」を質問した際に、アトラは肉を知らないのでパンを選びましたが、そのパンの味すら知らない昌弘が突っ込まれてくることでさらに捻じれた話に。

 クダルの操るグシオンを追いかけるバルバトス。もはや戦えるモビルスーツは残っておらず、クダルは昌弘がしがみついている昭弘のグレイズを人質に取ろうと考えるが、昌弘は幼少期の記憶を思い出し、昭弘を突き放す。そして昌弘機がグシオンのハンマーに潰されたところで……次回に引き。

 こんな展開の後に、予告で「仕事に重要なのは個人の情を持ち込まないこと」とバッサリ切り捨てる名瀬の兄貴が、すごく冷淡で恐ろしい。