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ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

鉄血のオルフェンズ 15話感想

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の感想。

 開幕から、仮面の変態現る。

 「大人にはなり切れないものだな。これほどに胸が躍るとは」

 露骨なシャアの名台詞のオマージュ。正直、ガンダムシリーズをあまり見ない私としても、こういう「ガンダムはこういうもの」の記号がストレートに入ってくるのはどうかと思うのですが、「大人になる」ということをテーマの一つに盛り込んでいる本作で「大人になり切れない人」が出てくるというのはちょっと面白い。

 で、何故か自分の頭に「仮面の変態チョコ影」なるフレーズが浮かんでしまったので、以降彼のあだ名はこいつで行こうかと思います(笑)

 クーデリアと暮らすうちに変化していく自分に悩むフミタンと、それを察する三日月。「責任」について語るフミタンですが、クーデリアを無自覚に歪めるというより自分の歪みを治すためにクーデリアから色々奪っている三日月さんには、ちょっと本気で考えていただきたい。

 その一方でビスケット、アトラの付き添いで兄との再会の待ち合わせに向かうが、強く家族を支えてくれた兄に対して自分の境遇を恥じるビスケット。それを励ますアトラの安定のお母さんっぷりが光るのですが、ビスケットの回想に兄の顔が映っていない(隠されている)のが、兄の真意をビスケットは理解しきれていないという暗示になっており、この後につながる印象的なカット。

 そして念願の兄サヴァランとの再会を果たすが、サヴァランは人を呼んで二人を拉致。前回、労働者に武器を渡した責を問われるビスケットだが、当然理解しているはずがない。

 「なるほど、お前たちも利用されただけというわけか。そのクーデリア・藍那・バーンスタインに!

 兄さん、強烈な勘違い。

 直後に現れたギャラルホルン兵も勘違いしているのですが、メディア露出しているはずのクーデリアの容姿がどうして知られてないのか、どうにも引っかかる展開(^^;

 いや単に、このドルトコロニーにおいては労働者抑圧のために情報統制が行われていて、一番危険であろうクーデリアの情報は本当に限られた内容しか届いてない、とかかもしれませんが。

 しかし、このコロニー群における情報の描写は「労働者がメリビットとクーデリアを間違えた」「鉄華団の情報が地球圏に知れ渡っていることにオルガが不信感を抱く」「クーデリアの活動が武力による独立だとゆがめられて伝わってるらしい」ぐらいしかなく、またそれは労働者などの市井一般ではあり得ても内通者のサヴァランには適用されないだろう、というものなので、この辺の展開は話を成立させるためにすごい雑なことをやってしまったように感じます。

 直後のアトラの、

 「おっしゃる通り、私がクーデリア・藍那・バーンスタインですわー!」

 で吹き飛ばされましたが!(笑)

 とっさの思い付きで出てきたぎくしゃくしたお嬢様言葉名乗りを見事演じた金元さん、お疲れ様です。

 ドルト2にて、労働者のリーダー・ナボナのアパートにかくまわれたオルガたちは、クーデターへの協力を断るが、ドルト3のスパイからアトラとビスケットが拉致されたと聞き、定時連絡を出してきた三日月に捜索を要請。さらに自分たちもドルト3に乗り込む。

 その合間に、鉄華団と暴れたいがためしっかり秘蔵のガンダムを用意して戦闘準備万端のガエリオ、という不安をあおる話。

 そこから、路地裏で靴を拾うなり匂いを嗅ぐ三日月。

 直後にアトラ誘拐を見ていたスパイだろう人物が来たので、流石に匂いで追いかけるような展開にはならないよう理由づけがされていますが、おかげでただやりたかっただけに(笑)

 武装蜂起の計画を話すよう、拘束され執拗な拷問を受けるアトラだが、何も話すことはないの一点張り。兵士は基地に連れ帰ってさらなる拷問で自白させようと考える。

 あ、これ、死亡フラグだ。兵士の。

 プロデューサーによる「アトラは一番生存能力が高い」発言と、もはや声を当てることそのものが生存フラグと化しつつある赦しの侵略者・金元寿子の魔力によりこれから兵士たちがどれだけ悲惨な末路を迎えるのかという不安が渦巻いて心が震えるという、衝撃の展開。

 (根本からいろいろおかしいと思いますが、いつもの発作です)

 ビスケットとサヴァランは別室で対話。サヴァランはもしも今のタイミングでクーデターを起こせば、ギャラルホルンはこれを好機と見て全力で鎮圧に向かうことを予期し、そうすればより多くの血が流れる上に労働者の交渉もそこで打ち止めになってしまうので、クーデリアを引き渡すことで丸く収めようとしたのだ。

 実際のところ、そのコロニーの外には鉄華団という理由だけで十分なダメ人間Aくんそれを引き連れた暴れたいだけのチョコレートの隣のダメな人が浮かんでいるので、引き渡したところで何の解決にもならないと思いますが、もう方法がないとダメな方ダメな方へ向かっているサヴァランは今拷問している少女がクーデリアでないと知ってもなお、クーデリアとして引き渡そうと考えだす。

 三日月に言われ待機中のクーデリアは、自分が本物だと名乗り出れば救えると考えるが、フミタンが阻止。

 「お嬢様はあのころから全く変わっていませんね。そのまっすぐな瞳が私はずっと嫌いでした。何も知らないがゆえに希望を抱ける。だから現実を知って濁ってしまえばいいと思っていたのに」

 「何を言っているの……?」

 「ですが、変わったのは私の方でした。変わらなければこのような思いを抱かずに済んだのに。どんな行為にも責任は付きまとうものなのですね」

 家族を知り、変化を受け入れるフミタン、はいいシーンだと思いたいのですが、ここまでフミタンの過去が彼女視点で出てきたことがなかったために、いまいちその変化が形として見えてこず、ちょっとモヤモヤする感じに。次回、フミタンの過去に踏み込んでくるのでそこはなんとかなると期待したいですが。

 そして、フミタンが「現実を知って濁ってしまえばいい」と考えたクーデリアですが、ここまでの戦いに巻き込まれたことや農場での体験、三日月のキスなど、露骨に色々なものを奪われたり、傷つけられたりする描写が入っており、それでもなお変化しないものがある、という部分には(物語の構造ではなく、クーデリアの先行きという意味で)若干の雲行きの怪しさを感じます。

 そんな二人の前に、チョコ影、参上!

 仮面の男はクーデリアの支援者ノブリスこそが武器輸送の依頼人であり、浦でクーデリア抹殺をたくらんでいたこと、そしてフミタンこそがその内通者であったことを伝える。動揺するクーデリアに、フミタンは別れを告げて去る。

 フミタンの左腕をクーデリアは強く抱きしめて引き留めようとするが、真実を知って離れてしまう、という映像で、「左腕=家族の絆」がまたも暗示されています。

 追いかけようとするクーデリアを仮面の男は引き留めようとするが、結局クーデリアは走り去る。

 クーデリアに「人々の希望」たることを望む仮面の男の意志は素直に見れば善良であり、ここで覗かせている眼はフミタンが嫌った輝きでありかつ彼自身の言う「大人になり切れない」を象徴するものである、とした上でクーデリアの去った後にその瞼が閉じて顔が覆われるのは「大人」と切り替える意図なのだろうな、とは思ったのですが、瞼ギミックそのものには話の上でまったく意味がないため、単なる面白機能にしかなってません(笑)

 そして、櫻井孝宏はやはり二面性の人。

 鼻血を流しながらも耐え抜くアトラ、もう慣れたことだからをビスケットに微笑みを見せたりして、安定の精神の強さを見せつけてきますが、そこにトラックで突っ込んできた三日月が突入!

 三日月・オーガス、フォー・ジャスティス!

 玉切れのまま拳銃を構えて部屋の中に突入する三日月、気づいてないのかそれともハッタリでとりあえず構えだけ見せたのか、どちらにしろ余裕がないのは確かという、細かい演出。

 そこからアトラを肩に抱えて逃げ出す三日月とビスケット。あー、なんか、金元ヒロインでこういう担がれ方されたのいましたね(笑)

 オルガの運転するトラックに乗り込むビスケットたちを呼び止めるサヴァランだが、ビスケットは今の自分の居場所が鉄華団であることを告げて、離れていく。

 本作、様々な場面で決断を迫られることが多く、それが大人の象徴とされている、という考察をされている方も見たのですが、今回のビスケットについては昭弘と全く同じ「肉親と分かり合えず、争の果てに決別」というもので、ここで昭弘は最後に和解した上でそれを引きずり、ビスケットは和解できず完全に離れていく、という対になる形。

 それは問題ないのですが、昭弘はヒューマンデブリの設定なども踏まえた上で離れた肉親の存在を無理なく絡めてこれたのに対し、ビスケットは妹を二人抱えている身であり、火星の家族からのメールを鉄華団員それぞれが個別に受け入れるなどの配慮もしているので、兄の出現までに広がっていないといけない要素がいくつかあったように見え(例えばクッキーとクラッカがビスケットの上の兄の存在をほのめかすようなシーンを入れるとか)、サヴァラン登場が余計唐突に、そしてそれが上手いこと馴染んでこないまま話を展開せざるを得ないようになってしまいました。

 ナボナたちは反乱の狼煙を上げ始め、クーデリアがフミタンを探しに出て行方不明に、というところで次回。

 流れとしては不満をいくつも感じますが、安定のアトラの不死身&赦しの使徒っぷりと久々のジャスティス殺意モード展開三日月に、仮面の変態チョコ影と見どころはたくさんあって面白かったです。