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Go!プリンセスプリキュア50話(最終回)感想

『Go!プリンセスプリキュア』の感想。

 ついに平和が戻った、と思われた矢先、ディスピアの力をすべて受け継いだクローズが、プリキュア達を襲う!

 クローズの髪の毛が伸びているのですが……超サイヤ人3?

 再び戦い挑むグランプリンセスたちだが、フローラは戦い続けても倒すことはできないと感じ取り、一人でクローズと話し合うことを決意。イバラの中に飛び込んでいく。

 ここにきて、最後の切り札・説得。

 普通「説得→通用しない→殴る」だと思うのですが、ここで「殴る→通用しない→説得」なのがプリンセス。

 まあ、やっぱり殴り合うのですけど(笑)

 「やはり最後までお前だったな、キュアフローラ! 俺とお前だけのステージだ! さあ、踊ろうぜぇ!」

 さすがに最終回、動きが大きく派手で枚数も多く、戦闘シーンがとにかくカッコイイ。

 夢がある限り、絶望は消えないと告げるクローズに、キュアフローラは打ちのめされる。

 (絶望は、消えない……絶望って、何……?

 そして思い出す。

 「お前がプリンセスになんてなれるわけないだろー!」

 (……そうか!)

 ストップとフリーズを龍の形に変えてビームを放つクローズだが、それをレースのバリアで受け止めるフローラ。

 「そう。絶望は……消せない!」

 「?!」

 「絶望は、どこにでもある。今までずっと、辛いことはたくさんあった。でも、それをなかったことになんてできない。……ううん、無くしたくない!」

 「何を言っている?!」

 「楽しいことと辛いことは、背中合わせ。でも!」

 笑うフローラ。

 「だから、今の私がいる!」

 激昂するクローズの攻撃をかわしながら、フローラは続ける。

 「夢も、絶望も、その両方が私を育ててくれた」

 「黙れ!」

 「嬉しいこと、哀しいこと、全部ひっくるめて、夢ってことなのかな?」

 「黙れえええええ!!」

 激しい格闘の末、クローズの胸に両手を当てると、花びらがクローズの胸から舞い散る。

 これは、夢を抱くはるかが絶望を抱えて生きてきたように、今まで夢を抱えなかったクローズの中にも夢が宿っていることの象徴なのか。

 「絶望は、消えない」

 「そうだ。これからも現れ続けるぜ……」

 「乗り越えていくよ。時々、負けちゃうことだってあるけれど、何度でも前を向ける。だって、私たちには」

 「夢があるから……?」

 「うふっ……夢だって、消せないよ? 絶望がある限り、夢だって輝き続ける! いつまでも」

 「強く優しく美しく……か」

 すれ違うクローズとフローラ。互いは決して相容れることはないが、ともにそこにいる。

 「辞めだ、お前の相手は。これ以上やってらんねえぜ。消えてやるよ、今はな。あばよ……」

 花の世界に黒い羽を落としながら、飛び去っていくクローズ。

 黒い羽を見て顔をそむけるフローラは最初のクローズ戦で描かれたのですが、今回はそれと同様のカットで、しかし決して目を背けず、笑いながらクローズを見送る、というのが綺麗。

 「またな」

 「ごきげんよう」

 戻ってきたフローラは絶望の扉を開け、今度こそ世界は救われた……。

 というわけで最終決戦はクローズとの決闘でしたが、凄い綺麗でした。

 前回ラスト時点でクローズと絶望をどう処理するのか、という疑問で、折り合いをつけるのは「絶望は消せない」というポイントだろう、というのは予測していたものの、クローズをどうやって救済し赦すのか、となったときに丸ごと世界に取り込んでしまいました。

 これまでの自分の生き方、今まで起こったことを軸に、絶望さえも世界の一部であり自分の一部なのだから、それを否定することはできない、と決着するはるか。

 一見するとこの世界にもう一度災厄をもたらす悪を野放しにした、となる展開ですが、これが悪への対抗の諦めから来たものではなく、クローズを赦したというか救ったというか、「クローズがここにいる」ことを肯定したのが、本作でどこまでも一本筋が通っていて素晴らしいところ。

 47話、「努力しない花は花じゃない」って言ってしまったのがちょっと引っかかってましたが、ここで補完されて個人的に一つ満足。

 そして、悪を野放しにしたことについても、前回までの人々が立ち上がっての勝利の流れに加えてクローズを「人を育てる存在」として世界の中に取り込んでしまったことで、絶望は「プリキュアの力でないと倒せない存在」ではなく「人の力で越えられるもの」となっているため、おそらくディスダークは今後現れても人を滅ぼす力を持つことはないと思われます。

 それはディスダークが弱くなったとも人々が強くなったとも言えますが、いずれにせよ彼らを越えることも人のルールとし、負けることはあっても自分を見つめ直し、時には助け合えばまた立ち上がれるのだから、滅びはしないけど滅ぼされもしない、という共生の世界を誕生させました。

 個人的に、ずっとはるかのことを例えるなら「革命家プリンセス」と呼んでいた(類義語は「赦しの侵略者」「フォー・ジャスティス」)のですが、最後の最後彼女は「プリンセスとは何か」を変えるのではなく「この世界の『絶望』とは何か」まで変えてしまった。

 すごい決着。

 ……って、よく考えるとこの「絶望に取り込まれたところからの脱却で人を強くする」って、作中パフュームやドレスアップキーがやってきたことだ?!

 確かに絶望と夢は表裏一体かもしれませんが、やっぱりあれは呪いのアイテムだったのでは……(笑)

 そして、今回の流れではるかにとって最初の絶望の権化は藍原ゆうき、になってしまったけど、いいのか。

 まあ、クローズとの和解を踏まえて、間接的にはるかがゆうきを赦したことにもなっており、なんだかんだゆうき関連も決着はしたということで。

 

 ホープキングダム、両親との再会に喜ぶトワと、涙を流すカナタ。

 王子、男泣き。

 もうずっと一人で戦い続け、肉親と敵対し、それでも最後まで王子であり続けたカナタがここで初めて見せた涙。

 その後、キーは眠りにつくことが判明し、そうなれば夢が浜とホープキングダムは離れてしまうと説明される。それから、修了式を迎えきららは海外へ、トワは元の世界に帰るときが来た。

 別れに涙を流すみなみとトワだが、はるかは涙をこらえ離れていても心はつながっていると励ます。今回もう、涙の連続。

 平和な世界で、人々はそれぞれの日常へ。みなみは夢を追うためにあすかと会い、きららはステージに、シャットとロックは力を失い学園長と遭遇、

 最終的にシャット・ロック・学園長の三人とももうちょっと踏み込んで貰いたかったところはあるのですが、クローズと袂を別った二人がこの世界の象徴ともいえる望月先生に出会う、というのはこの二人の救済としては無難なところか。

 アロマとパフはそれぞれカナタの執事とメイドに、クロロはシャムールのレッスンを。カナタはホープキングダムで絶望の森を調査し、今はおとなしいがいつかまた動き出す、と告げる。そんな中、城で輝き放つドレスアップキー。

 時間は巻き戻ってカナタとはるか。

 「本当に、今まで楽しかったよ。辛いこともたくさんあったけど、このキーがあったから、私、ここまでこられたよ」

 「キーはきっかけに過ぎない」

 「え?」

 「ほんの少し、君の背中を押しただけさ。全ては君の、はるかの力だよ」

 ああそうか、これまでディスピア関連とか王子の記憶復活とかで気になっていた「キーはどこからどうして出てきたのか」ですが、なんとなくわかった気がします。

 キーは「誰の心にでも存在するもの」ではなくて「どこにでも存在するきっかけ」なんだな、と。

 はるかが「絵本のプリンセスがかわいいから」というささいなことからプリンセスを目指したように、世界中のあちこち、海でも星でも花でもどこにだって夢を始めるきっかけ――ドレスアップキーは存在している。

 それを自分の夢とつなげ、己の力で動かせば、未来を切り開くこともできるし、逆に絶望と結びついたきっかけが悪い結果を呼び起こすこともある。

 でもきっかけは見方次第で、どんな扉だって開けられる……だからディスピアのキーはスカーレットのキーに変化したのだろう、と考えると何となく腑に落ちました。

 散々「呪いのアイテム」とネタにしてきましたが、神出鬼没な理由も試練を与えてきたのも納得(笑)

 「それなら、私はもう、大丈夫だよ。このキーがなくても歩いて行ける。これからも、私の夢。私だけのプリンセスを目指して!」

 「……ありがとう、はるか。君に出会えて、よかった」

 「私も。ありがとう、カナタ! ……また、会えるよね?」

 「ああ。会いたいと」

 「心から、望めば」

 「! ……ああ」

 花びらが舞い、消えていくカナタを見送って、涙を流すはるか。

 恋。

 完全に恋。

 本作監督の田中裕太さんが絵コンテ・演出を務めた『スマイルプリキュア!』第36話が「振り返った時にあれが初恋だったのかも、と思う話」とのことですが、はるかのこれはカナタとのあの出会いがまさにその瞬間だったのを、今ここで自覚したのでしょう。

 そして、再びの別れ。今回、ここまで涙をこらえたはるかが、この瞬間に涙を流す。表情をはっきり見せず、この瞬間にもこらえようとスカートの裾を掴むのが秀逸な画。

 だけど、離れたって思いはつながっている。

 別れたって、そこから得られたものもある。

 それははるか自身が一番よく知っているし、それに、涙をこらえるのが強いわけでも涙を流すのが弱いわけでもない。

 それだって自分なのだから、はるかは涙をぬぐうと笑顔を取り戻し、走り出す。

涙だって標準装備(パッケージング) 女の子だもん

泣いた後、何を得る、するかでしょ?

Let's go! プリンセス!

痛みも受け止め行け 止まらずに

いばらさえ力に変えていく 前向きで

  「これは、遙か彼方へ走り続ける、少女たちの物語。夢へ向かって……」

 「GO! プリンセスプリキュア!」

 タイトルを青空に出した後、ED挟んでからさらにエピローグ。

 絵本作家となったゆいの絵本を読む少女を見つめる。大人のはるか。

 ここまで明確に「未来」を描いたのは驚きですが、はるかはいったい何をしている大人なのだろうか(笑) なんとなく、世界中に笑顔を振りまく某クウガみたいな人っぽい空気が漂ってそうですが、作品の流れを見るにそれこそ「視聴者の願う春野はるか」でいいのでしょう。

 「大丈夫。夢に向かって走り続ければ、その心の中にキーは生まれる」

 透明なドレスアップキーを手にしたはるか、そして世界中で夢に向かい生きているプリキュア達も同じく透明なキーを持っている。

 「そのキーがあれば、きっと……きっと」

 そよ風に舞う花びらで、振り返るはるか。顔は見せないが笑みを口に浮かべていて、おそらくカナタと再会できたのだろう、と匂わせつつ、幕は下りずに中央にキーが輝いておしまい。

 このエンディング、この流れで最終回なのにいつも通りのEDが入って、かつこのパートが入ることにちょっと首をかしげましたが、最後に幕が下りないということもあって「いつも通りのED」にこだわったのかも、とも思います。

 プリンセスの物語は終わらないのだから、最終回でもいつも通りだし、幕も下りてこない。毎週最後に幕が下りる演出も、もしかしたらここの伏線だったのかもと考えてしまいます。

 

 えー……本当に、本当に一年間色々あったシリーズなのですが、素晴らしかった。

 序盤、前年度のスタッフの大半継続ということもあって不安の方が強く、実際色々不安定な感じだったのですが、中盤以降徐々に固まってきて、最終回のこの綺麗なまとめ。

 瞬間的な面白さ、という点ではちょっと物足りない部分もあると思いますが、年間の構成の完成度では歴代シリーズでも最高クラスの出来だと思います。

 劇中いくつか難があると思ったところも、なんだかんだで回収して組み込んでしまう本作はまさに絶望さえも自分の中に組み込んでいると言え、メタ的にも題材と噛み合って凄い説得力に。

 振り返った時に「あの部分の説明や掘り下げが欲しい」と思うところがいくつかあっても、「あれは不要だった」と言えるエピソードと設定がほとんどない、というのも本作の強みと言っていいと思います。

 監督である田中裕太さんのカラーが色濃く出た影響もあるでしょうが、メインライターの田中仁さんについては前作まで、構成力もアイディアも疑問が浮かぶ人、という印象だったのが、本作では大活躍。第3話みたいに設定と内容が噛み合ってないのや第30話みたいに勢い任せで実質何も書いてないという、それまでの田中脚本という印象の回もあったのですが。全体では初めて田中脚本を面白いと思った気さえします。

 正直、田中仁さんを見損なっていました。深く反省。

 サブライターでは香村純子さんが特撮カラーを持ち込み、キレのある台詞の連続で活躍。節目で作品の骨子を固める役割もこなしており、本作のヒーロー観全体に大きな影響を及ぼしているのではないかと思います。香村さんなしでは、多分「キュアフローラ」は完成していない。

 また、シリーズ皆勤で前作のシリーズ構成の成田良美さんは2クール目からの参加とかなり遅いタイミングで登場。いきなり2本連続で事故を引き起こして、思いっきり不信感が強まってしまったのですが、その後は作品カラーを掴んだのか目一杯活躍。序盤から前作リベンジの意図が込められているのではないかと考えていたキュアマーメイド/みなみのエピソードを主に担当することになり、終盤できっちりと着地させて見事にそれを達成しました。ひょっとしたら歴代でも最高クラスの切れ味を発揮したのではないかと思うのですが、本当なんなのだろうこの人(^^;

 とにかく「ここがすごい」と一点を上げられる作品ではなく、全体的に色々組み合って完成度を高くしている作品なので、説明が難しいのですが、梅澤プロデューサー体制の『プリキュア』シリーズの集大成にして、極めて完成度の高い王道ヒーロー番組、と言えるかと。

 語ろうと思えば色々語ることが多すぎて、まとめるのも難しいですが、とにかくすごい番組を見たという感じでした。

 機会があれば、総括でまとめます。

 感想、お付き合いありがとうございました。