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ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

手裏剣戦隊47話(最終回)感想

『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の感想。

 変身能力を奪われてもなお、新月や妖怪軍団に立ち向かうニンニンジャー。

 「伊賀崎流手裏剣忍法とて、力を奪われたら何もできやしない。結局お前たちが尽くしてきたものは、その程度のものだったということさ」

 「なんだと……お前だって、じいちゃんの弟子だろ」

 「元弟子だ。それも終わりの手裏剣を手に入れるためだけのね。奴だって僕を、自分の息子の踏み台程度にしか考えてなかったのさ」

 「それは違う!」

 はい?

 「じいちゃんは、お前を踏み台になんかしてないってことぐらい、俺でも簡単にわかる! じいちゃんは、きっと願ってたんだ! 競い合って、互いに高め合って、支え合える、俺たちみたいな仲間! お前と親父も、そういう風になれることを願ってたんだよ!」

 …………は?

 本気で言っているんですか?

 あのすみません、今までの話からどうしてそんな答えが飛び出してこれるのか、私にはまったく理解できません(^^;

 まず第一に、好天が九衛門にそんな「願い」を抱いていたと思わせる描写がまるっきり思いつかないんですけど。

 仮にそういう願いを抱いていたとして、好天がその「願い」の通りに天晴達を育て上げ、今までと違うラストニンジャの道を歩むようにした、という話ではやっぱり天晴達は好天の思惑通りにしかやってこなかった、ということになるんですが。

 天晴にとどめを刺そうとする新月だが、救援に駆けつけたニンニンジャー一家。

 「何人で来ようが力を失ったお前たちが、僕に勝てると思っているのか?!」

 「勝つさ! 俺たちは六人だからな!」

 「俺たち六人がいれば、忍タリティは湧き上がってくるんだ!」

 ザ・数の暴力。

 「正しい」とは「家族がいる」という環境に生まれることだ!!

 残酷一家、忍タリティを湧き上がらせて変身し、ついに新月を打ち破る。

 「やつを……伊賀崎好天を越えるのは、この僕だったはずなのに……!」

 究極体から元に戻る新月。そこで、変身を解除して歩み寄る天晴。

 「お前さ、じいちゃんのこと、憧れてるんじゃないのか?」

 え。

 「お前もラストニンジャになりたくて、じいちゃんを越えたいと思っているなら、俺と同じじゃんか」

 いやいやいやいやいやいや。

 その理屈はおかしい。

 前々回、原因はわからないけど心が弱いのはキンジと同じ、と内実が違うものを強引にまとめて共感する、という無茶をやってきた本作ですが、今回は天晴が同じことをやりだしまして、もうなんなのか。

 視聴者視点からは明らかに違うものだとわかり切っているので、天晴とキンジのこれは弱いものに共感し同情できる強い感受性とかそんなたいそうなものではなく、単に目玉と脳が曇っているだけにしか見えません。

 さらにキンジが、牙鬼の宿命のために好天に近づいたけど、真意は家族を取り戻したいだけでしょと誘導尋問にかかってきます。

 仮にそうだとしたら、そもそも天晴は好天が色々な伝説を残すすごい人だから憧れたんだ、って話なので、やっぱり新月の好天に対する憧れとは意味が全然違うし、同時に好天には「家族としての優れた部分」がまるっきりなく、そのことを旋風に対して前回謝罪してしまったので、全然説得力ありません。

 回想シーンで一緒に食事しながら笑う九衛門が映され、さらに前回好天が新月に渡した手裏剣が変化したのを見てそれこそ好天が九衛門を弟子に戻したかった証拠、と詰め込んでいきますが、前者の映像は今回初登場、後者は先週の話なので、この最終章で強引にねじ込んだという印象がぬぐえません。

 せめて後者がもっと長く張られていた伏線なら納得ですが好天はむしろ会うたび「お前を弟子にしたのは失敗だった」とぶつける上に、そのことを理由にキンジの弟子入りを拒んできたという話と矛盾してしまいます。

 書き手の「こういう答えにしたい」ばかりが透けて見えて、全然中身が伴ってないよ!

 「宿命から逃れることなどできぬ!」

 現れた牙鬼幻月、実の子である新月さえも己の覇道のためのコマにすぎないと告げ、彼を取り込んで巨大化。

 前回、奥方まで取り込んだことを含め「家族まで利用するなんて」とニンニンジャーが怒るのですが、幻月がやってきた/やろうとしていることの悪事のスケールと内容がつかみづらい(「天下統一なんてさせない!」とかいう珍妙な発言まで飛び出してます)ので、「よくわからんけど世界を滅ぼそうとしている人」に「ニンニンジャーが個人として怒る理由づけ」として「家族を踏みにじれる」とっさにねじ込もうとしているとしか見えず、むしろ「牙鬼幻月がいかなる「悪」かを立てることができなかった」という証左になっています。

 ゲキアツダイオーで幻月に立ち向かう一家。攻撃を正面から受け止めながら、自分たちの意志で進んできたのだから悔やむはずはない! と主張しつつ突き進む。うんだから、それなら前回の好天の言葉は本当余計だったよね?

 「九衛門だって、俺たちと同じなんだ! 俺たちは……」

 「「「「「「忍者だ!!」」」」」」

 それを聞いた新月、体内から幻月を攻撃して、それと挟み撃ちの形で幻月を倒すゲキアツダイオー。

 最後の最後、父に刃向かうことで新月を縛り付ける「宿命」及び「ダメな親の象徴」からの脱却を描いたつもりでしょうが、幻月と対立する好天が自分の思う目的に孫達を利用しているとしか思えないし、父のために己を妖怪にする覚悟を決めた新月が今更父親に利用されるコマであることを自覚したとして反撃に転じる理由としては弱く、かつもう上に書いているように好天に家族を見出すのに話がうまく組み立てられてないので、もうとにかく意味不明な話になっています。

 新月は消滅し、終わりの手裏剣がニンニンジャーの下に。どうやら6人でラストニンジャだと認定してくれるらしい。幻月を倒しても妖怪は現れ続けるこの世界で、平和を願って手裏剣を回すよう霞は言う。

 「いや! 終わりの手裏剣がない世界、だな。だって終わりの手裏剣がなくなれば、世界を滅ぼすなんてことできなくなるだろ」

 それはラストニンジャの存在さえも否定することになるが、好天と違うラストニンジャの道を行く(つもりになっている)天晴は、終わりの手裏剣がなくても自分たちのラストニンジャを目指せばいいとして説得。

 えー、ここで取る手段が終わりの手裏剣をこの場で破壊した上で、世界中の妖怪を撃滅するためこれからも戦い続ける、とかならぐだぐだのこの最終章でも多少なり形になったと思うのです、が。

 実際に取った手段が「終わりの手裏剣を使って「終わりの手裏剣のない世界」を願う」なのは、本当にどうしたいのか。

 「終わりの手裏剣」の存在意義が、物語を片づけるための万能アイテム(デウスエクスマキナ)としてしか機能しなくなった上に、散々「覚悟」「宿命を越える」「違うラストニンジャを目指す」と述べてきたにもかかわらず、結局そのラストニンジャの象徴頼りでしかない、という酷いオチ。

 ……アレでしょうか、武部プロデューサーと脚本の下山さんは本作を

 「運命を乗り越えて自分で決断したと思っていても、実はそれすらも大きな運命に従っているだけでしかない」

 というお話にでも、したいのでしょうか????

 そういう話ならそれはそれで別に構わないけど、仮にそうだとしたらもっと書きようはあるだろうし、ましてやここまで間髪入れず矛盾した言動ができるような話にすることはないと思うのですが。

 戦いが終わって忍者屋敷、それぞれがそれぞれの修行をするために旅立つ準備。

 他のメンバーはさておき、天晴が実家から出ていく理由がわかりません。

 散々「家族との助け合い」を押し出してきて、そこに理由を乗せないのは本当に何故? お話としてはこれからも風花と修行している方がきちんと落とせると思うのですが。

 「離れていても心はつながっている! だって家族だから!」をやりたいがために、適当な話の転がし方をしているだけじゃないのか。

 まあ、天晴は無職なので、このままここにいてもいたたまれないのかもしれませんけど。

 それぞれがそれぞれの道を歩む未来。八雲は魔法学校で魔法忍法を研究、霞は独自に手裏剣を研究、風花はアイドルを目指して、凪は大学受験の勉強、キンジは祖国でおでんの屋台を始める。

 獅子王と鉄之助はさっぱり拾われません。

 天晴はどうしたというと、子供たちを連れて忍者ガキ大将。多分、実態は忍者塾の講師とかかもしれませんが、天晴はなんかそういうのじゃなくて、ガキ大将と呼んだ方がしっくりきます。

 子供たちと走り去っていく天晴を遠く映して、おわり。

 獅子王と鉄之助はさっぱり拾われません。

 

 えー、もうなんか、なんか、書いていてとにかく疲れる終盤だったのですが、全てが虚無に還るという地獄絵図を見ました。 

 ここしばらく、特撮・アニメの終盤でいまいちしっくり来なかったりすごいダメージを受けてアンチ発言してしまったりとありましたが(例外は『Go!プリンセスプリキュア』ぐらいです)、本作は上位に来るレベルで酷い。

 作品全体として設定の扱いや積み重ねが微妙だったところに、とにかく盛り上げようと必死で色々つぎ込むも、そのすべてが何も連動せず、ただ押しつけがましい「言葉」が聞こえるばかりで「お話」になりません、というか。

 えー、まあ。色々ため込んでいるので書くのは後になると思いますし実質的に反省会と言うか敗因分析みたいになると思いますが、残りは総括で書きます。