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ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

超神ビビューン 感想総括

特撮感想 ビビューン

『超神ビビューン』の感想の総括。

 前作『アクマイザー3』がシリアスな作風とテーマ性を抱えた作品だったのに対し、今作はテーマ性よりも明るくエンターテイメント性を重視した作品。

 ……とするのが目的だったと思われるのですが、実際のところアクション・シナリオともにお世辞にも褒められたものではない、残念な作品、というのが率直な感想です。

 

 いくつか難点がありますが、主人公サイドの難点を上げると超神の個性付けに失敗した、というのが大きいと思います。

 もっと言うと、ビビューンを持ち上げすぎて他二名が薄くなりすぎました。

 超神となる主人公三名は全員がそれぞれの得意分野で活躍するスポーツ選手の大学生という設定だったのですが、序盤にそのような設定が描かれたぐらいで、いつの間にか彼らの大学生活などが完全に消失。

 時々、落第しないために勉強している、という描写も挟まれましたが、彼らがそれぞれの得意分野とするスポーツ(体操の圭、重量挙げの剛、水泳の一郎)が全然取り上げられず、極端な話これらのスポーツ選手設定がなくても『超神ビビューン』は成立します。

 こういった日常面での個性の用意が上手く行われなかったうえに、変身後の個性もロクに機能しないことが多かった。

 OPで歌われるように”知恵・力・勇気”に対応する三人ですが、あまり生かせたとは言えません。

 何より致命的な問題点は妖怪の撃破がほぼビビューンの火の玉アタックに限られていた、という部分。

 これにより、超神がそれぞれの得意分野を生かして妖怪をけん制する、というアクションがほぼ意味をなさなくなってしまいました。だって、どんな戦いをしても火の玉アタックがトドメと決まっている=ビビューンしか倒せないのですから。

 確か序盤、一回だけバシャーンの水玉アタックが倒しましたが、ズシーンボールは一度として敵を倒したことがありません。鬼退治は未だ許さないサブタイトル詐欺。

 それどころか、火の玉アタックによる撃破のカタルシスを持ち上げるためにバシャーンの固有武装であるピピートーが役立たず化した印象さえあります。ピピートーは残念を通り越して可哀想になる武器。

 こういう問題が顕在化しなかった序盤はそれなりにアクションも楽しめましたが、中盤以降マンネリ化がどうしても否めず、総合だとアクションもさして面白くない作品、という印象になってしまいました。

 「知恵」については、スカイ剣レーダーによる調査などでビビューンの「知恵」を見せるつもりだったのでしょうが、戦闘でそういう作戦を細かく練る場面は少なく、火の玉アタックはパッと見た印象が自爆特攻なので、この点でもビビューンが「知恵」を押し出したようには見えなかったのも困りどころ。

 そもそも普段の圭は知恵どころか落第寸前の劣等生ですし、私が見る限り調査パートで一番知恵を働かせていたのは「力」のズシーンに変身する剛なのですけど(笑)

 他の作品と並べて思ったのですが、本作メインライターの伊上勝さんは軽妙な掛け合いを作るのやアイディアは上手いけど、集団ヒーローを描いたときにピンポイントでキャラクターの個性を立てていくのが苦手な疑惑。

 

 敵側にも問題点がありまして、それは話の軸を引っ張る要素が弱すぎたことにあります。

 復活させられた妖怪がやることが大体人間を誘拐して魂を食べることで永遠に生きようとする、に固定されていてまとまりがなかった前半から、前作の宿敵にして悪の根源である大魔王ガルバーとの闘いに本格移行する後半、という流れですが、大魔王ガルバーの謎がどうでもよすぎました。

 「大魔王」と「ガルバー」が別の存在、というものですが、だからと言って話に大きな影響を与えることはなく、「あれだけ強敵の大魔王の背後にさらに強敵が」と見せるには大魔王が描写不足だった、となり、宿敵として今一つ掘り下げることができず。

 視聴者の興味がそこに向くよう話が作られていないのに、答えだけ見せられても面白くなるはずがないわけで。

 謎という点では、妖怪パトロール。

 シンドとビリンが大魔王の命を受けて、度々超神たちを妨害するのですが、妨害の手段が突然矢を放つというワンパターンで、その方向を調べるとシンドとビリンがいる→全く疑問を抱かない超神たち、という流れをあまりに回数重ねすぎました(このため視聴者視点では明らかにバレバレなのに、気づかない超神たちに対する苛立ちの方が強くなりました)。

 全体の話としてもこの謎が解けたからといってどうということはなく、シンドとビリンはすごく雑に殺された印象になってますし、残念な展開。

 

 そして最後、これは書くかどうか迷いましたがあえて書きます。

 何はともあれアクマイザー3』の続編である意味がない。

 前作から引きずられた因縁はガルバーの死後もまるで拾われず、ザビタンの魂の存在は完全に忘れ去られていました。

 最後、変身能力を三人は失いますが、これが「ザビタンたちが自らの命をすべて注ぎ込んで、特殊能力を失う代わりに死の淵から生き延びさせた」と考えればまとまるかもしれませんけど、個人的にあまり考えたくありません(^^; それだとザビタンが可哀想すぎます。

 また「ザビタンの魂が月村圭に完全に加わって、以降ザビタンは人間として生きていく」という解釈も可能ですが、それもあまり考えたくありません。ザビタンは確かに人間に憧れていますが、人間に生まれ変わってめでたし、というのもそれは違うだろうと私は思っています(重ねて言いますが、故に南雲健二の存在は本当に余計)。

 もっと言うと、最終回、戦いの使命を強調してしまったのでそこに踏み込ませたのは破軍星=アクマイザー3の魂、とすれば圭たちを引き込んだアクマイザー3がタチの悪い悪霊みたいになってしまうのも最終回のマイナスポイント。

 あれだけ要素が拾われないと、もう完全に『アクマイザー3』とは分離した方がいいのですが、最終回までタイトルロゴが飛んでいくOP演出が貫かれてしまい、そう考えるのも難しくなってしまいます(^^;

 

 好きなキャラ、というか前述したようにここが好きなポイントと言える強い印象を持たせられたキャラがいないのですが、あえて言えば渡部剛/ズシーン。

 もうこれは完全に、役者の贔屓です(笑) だからこそ、ズシーンの活躍が少なかったのも残念なところの一つであります。

 妖怪だと、サカサバシラの設定が面白かったです。

 この柱こそ、樹齢三百年の木が切られ、木材にされ、逆さに建てられると丸一か月目に目覚める、妖怪サカサバシラであった

  そんなめんどくさい設定、よく考えたなあ(笑)

 

 脚本は前作サブで参加した伊上勝さんがメインを務め、サブには前作メインの長坂秀佳さんが参加、大魔王関連のエピソードも書いて事実上ダブルメインライターと呼んでもいいぐらいだと思います。

 伊上さんは妖怪の設定を「魂を奪う」に固定化し、各種妖怪の特徴からアクションの面白さを押し出す方向で脚本を書いていたと思われますが、前述通りアクション関連はいまいちなので、あまり魅力が発揮できなかったような印象。

 長坂さんは何か個人的に思うことがあったのか、妖怪が人間に対する恨みを持って人を襲うと設定することが多く、そこにひねくれたり意地の悪い子供を置くことで「悪い子は妖怪に利用されて痛い目を見るんだよ」という教育的エピソードが多かった印象です。さすがに回数重ねすぎて、終盤「またこのパターンか」って感じになってしまいましたが(^^;

 

 年代のことを考えると仕方ないと思う面もありますし、これよりひどい作品もあると思う(今感想書いている『カゲスター』は正直、これよりさらに下だと思います)のですが、あまりオススメの特撮として紹介したくはない、といった感じの作品でした。