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ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

鉄血のオルフェンズ 19話感想

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の感想。

  冒頭、革命の意志を固めたアトラと、三日月に握手を迫るクーデリア。

 「俺の手は汚れている」に対して「私の手も汚れている」と返し握手するのは、第1話から繰り返し度々持ち出されてきた「右手は汚れの象徴」を明確に見せると同時に、後半への布石にもなっているのですが、話の頭で突然にクーデリアがそういう話を振ってくるため、やらなければならない要素だからやっておいたという事情が見えてきて今一つすっきりせず。

 突然にこれまでのおさらいと答え合わせが飛び出してきた、みたいな。

 その一方で迎撃準備を固めている地球外縁防衛隊のカルタさん。本日もガエリオとの会話で指令系統ごちゃごちゃなことを見せつけ、遺憾なくエリート系ダメな人っぷりを見せつけていきますが、ガエリオによるとマクギリスともども幼馴染だったらしく、そのころからこんな性格だったとのことで、ダメな人っぷりの加速に背中から蹴り入れていきます(笑)

 そして、幼少期のチョコ影ことマクギリスが目つき悪い。

 マクギリスは養子、という設定は結構前から出てましたが、今回映像でその当時がはっきり描写されることに。今回本当の名をオルガに聞かれて「モンタークで結構。それが真実の名ですので」と返すのですが、モンターク商会の関係者なのでしょうか。

 「他者の心を掌握し、その先の行動を操るのは容易だ。過去を紐解く……ただそれだけで、対象者がつかむ選択肢の予想は簡単につく。嫉妬、憎悪、汚辱に恥辱……消えない過去に縛られて、輝かしいはずの未来は、全て、愚かしい過去の清算にのみ消費される。それは、私とて同じこと……鉄華団、君たちの踏み出す足は、前に進んでいると思うか? もし、本気でそう信じているのなら……見せてくれ。私に」

 チョコ影、唐突に語り始める。

 ここで己の思惑のために人を利用しようとするマクマードやノブリスなどの大人たち、クランクの死に縛られているアイン、未だ詳しい過去が視聴者に示されていないオルガと三日月などが次々映されていくわけで、今回のエピソードと作品全体を通すテーマを一つ、固めに来た模様。

 マクギリスもはっきりしているのは「養子に迎えられた」ぐらいで、いかなる経緯でそうなったのかはまだ不明のままですが、さあどうなる。

 さて、鉄華団地球降下作戦のため艦隊に突っ込んでいくユージン。今回、チャラついた自分を捨てて男になりたい、という思いをオルガへの憧れという形でシノに固められるのですが、ユージンがチャラついている理由や「男」を目指している理由がいまいちよくわからないので、単に「オルガにつっかかるのは彼への憧れの裏返し」としてオルガ持ち上げのためのダシにした、みたいになっている気がします(^^;

 そもそも、確か一時期あっちの方面の遊びを経験して「大人」であることを強調していた(≒憧れは「大人」だった)のですが、いつの間に「男」にすり替わっているんでしょうか。

 人の心をつかむには過去を紐解くこと、とチョコ影が語っているところでユージンの過去がまるっきり紐解かれていないため、こんなよくわからないことになっているのですが、本作についてやけに説明的な口調の割に説明が上手くできていないという意見を眼にしたことがありますが、この辺のユージンにはそんな雰囲気が漂います。

 ブルワーズの船を盾にして突っ込んだ挙句、自分の阿頼耶識フル活用で鼻血出しながら敵艦に体当たりしていく映像の迫力は相当なもので、それで吹き飛ばしたみたいになってますが。

 この戦闘の中で、取り乱して「撃沈」連呼するなどやっぱりダメな人かと思われたカルタが冷静さを取り戻すと素早い判断できるようになるなど、その辺でカルタの株の下落を抑えたのもよかったところ。

 その隙に地球降下へ向かおうとするオルガたちだが、火星からの戦いである程度やり口を把握していたアインとガエリオはそちらに向かい、それを迎撃する三日月とシノと昭弘。さらにタービンズの姉御たちも駆けつける!

 対策を積んで強化したガエリオのキマリスと、同じく胸部リアクティブアーマーで対策済みのバルバトスの激突。一方アインはシノの流星号をワイヤーで縛り、阿頼耶識を封じて攻撃する。

 「クランク二尉は、お前たちに手を差し伸べてくれたはずだ。それをお前らは、振り払って……!」

 思いっきり過去とクランクの幻影に縛られるアイン君。

 手を差し伸べたというのが「一対一で決闘して自分が勝てばクーデリアを受け取るだけで勘弁してやる。自分が負けるという選択肢はない」という傲慢極まるものであることを、アインは知らないのですが、凄く滑稽。

 しかし異変を感じて振りほどき飛んでいくアイン。

 「俺には誇りがある!」

 「あっ、そう」

 一方のガリガリくんと三日月の会話ですが、ガエリオの言う「誇り」が家に縛られているものか自分自身の揺るがないものなのかはいまいち判別つかないところで三日月にして見ればどっちでもいいから切り捨てという力技で転がしています(笑)

 クランクの主張は「自分自身であることに誇りを持て」なのですが、三日月は「誇りはないからやれることをやるしかない、そうすることで俺が完成する」という人間なのが皮肉で、そりゃいくら手を差し伸べようとも動くはずはないよね、と改めて思わされる会話。

 ガエリオにメイスを投げつけるバルバトスだが、間にアインが入ってガエリオは無事、そこに増援が入ったことで三日月はそちらに移動。

 「あなたは、誇りを失った自分にもう一度立ち上がる足をくれた。あなたを見殺しには……」

 一見美しい自己犠牲ですが、やっぱりアインはマクギリスが言うところの「消えない過去に縛られて」その「清算にのみ消費している」人間だよなと思います。

 火星人として差別された過去を己の意識で根っこから振り切ることができず(勿論、差別する人間が悪く、その環境自体はアインに非はないのですが)、自分を肯定してくれる人間がいるところに上手いこと拾われたから尻尾振ってついていくのを、自分で考えて動いたように思っているだけではないかと。

 そして前回の感想で述べた通りその尻尾を振ってついていく相手が、子供や火星の住人に差別意識を持っているのが皮肉と言うかなんというか。

 己の「正しさ」を固めていないまま、自分を肯定してくれる人間の上っ面だけ拾って鉄華団にぶつけて説教してくる人間(しかも本質からズレている)なので、アインは正直、自分としてはあまり好きになれません(^^; ここでリタイアならそれはそれでいいか、ってぐらい。

 戦闘の大局を見据えたら、ガエリオを救うために確実に撃破できるシノを生かしたまま自己犠牲に走っているわけで、その点でもあまり褒められる行動ではないような。

 増援部隊のモビルスーツに立ち向かう三日月の背後から、赤いモビルスーツが助けに来てくれた。

 「凄いなチョコレートの人は……ん、あれ? あんたチョコレートなの?」

 「ははは、今ので気づいたのか。凄まじいな、その感覚」

 「別に、普通でしょ」

 動きだけでマクギリスを感知した三日月の感覚は阿頼耶識の影響なのでしょうか、前回から引き続いて三日月に何か力が芽生え始めていることを示唆していきますが、それは三日月の誇りとなるのか、呪いになって覆いかぶさってくるのか。

 大気圏突入でモビルスーツが次々離れる中、三日月もマクギリスに退避するよう要請するが、一機が三日月を追いかける! もはや船への帰還に間に合わなくなる……という緊迫感を、コクピットに飛び散る汗や摩擦熱で赤く染まる船などで上手く表現。

 モビルスーツを撃破してから、落ちていく中で三日月はオルガとの過去を思い出す。

 (行くんだよ。ここじゃないどっか……俺たちの本当の居場所に)

 (本当の? それって、どんなとこ?)

 (うーん……わかんねえけど、すげえとこだよ。飯がちゃんとあってよ、寝床もちゃんとあってよ、えーと後は……)

 血で汚れた右手を差し出してくるオルガ。

 (行ってみなきゃ、わかんねえ。見てみなきゃ、わかんねえよ)

 (そっか。オルガについていったら、見たことないもの一杯見れるね)

 その手を取り、立ち上がる三日月。

 冒頭の「汚れた手で握手」とつながるシーンで、映像で右手の汚れを見せてきました。

 左手はずっと「家族のつながり」だと思ってましたが、どうやらもっと範囲が狭く、右手が汚れや流れた血のつながりで、左手が慈愛というか汚れのない正しさの繋がり、という感じなのか。

 そして、両方でつながって「家族」、というのが落としどころになるのでしょうか。今のところ三日月と手をつなぐヒロイン二人はそれぞれ積極的につながる描写を見せたのが片方ずつなので、この点で今後どう動くかも気になるところです。

 で、以前、オルガが左利きであることは考慮しないのかとコメントを頂いたのですが、今回見る限りやはり考慮の必要はなさそう、というかむしろ汚れを無意識に避けようとして左利きになった、という気配も漂うのはちょっと穿ちすぎでしょうか。

 「そうだ……俺はその場所を見たい。お前はどうだ? バルバトス!

 その声に応えるように、目を輝かせるバルバトス。

 バルバトスに意識があるような描写はずっと放置されてきましたが、これはこのまま曖昧に濁して終わらせていくかなあ。

 大気圏を突破し、地球に来た一同。空を確認すると、三日月のバルバトスがモビルスーツの残骸を盾に摩擦を強引に耐えて、無事降りてきた!

 なんでしょうこの、”筋肉で解決するロボットアニメ”みたいな雰囲気(笑)

 一応序盤からモビルスーツの装甲は一般兵レベルでも相当なものであることは示され、その下のモビルワーカーレベルでも相当な耐久性で、戦闘は物理攻撃主体で船の先端で突撃当たり前というごり押しっぷりが光る本作ですが、それにしても斜め上に突っ切ってきた……!

 そんなバルバトスに涙した後笑顔を見せるアトラの作画がものすごいのと、それに負けないレベルでアトラの泣き声がすごいことなってるんですが。前回に引き続き金元さんの泣き演技がすごいのですけど、いったいどこから絞り出したんだこの声。

 地球で初めて見た月は、己の名の由来である三日月だった……と余韻を残してホワイトアウト

 いくつか引っかかりはありますが、少しずつ踏み込まれていく人物の過去と戦闘シーン・大気圏突破と演出で勢いつけて乗り切った印象。

 地球に降り立った一行を待ち受ける新たな展開は何か。次回、「相棒」?