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ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

鉄血のオルフェンズ 25話(最終回)感想&総括

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の感想。

 鉄華団、再びと大げさに宣言。

 まあ、この2クールだけではとてもまとめきれる内容じゃないのである程度は今後もありうることが予想できましたが(外伝も既に決定してますし)、2期と見せかけて書籍やOVAで補完とかもありうるのでまだ油断できません。

 2期だといいなあと思いつつ、現在分割2クールのとあるアニメで散々な目に遭っているため不安と期待が渦巻きます。

 

 三日月の助けを受け、蒔苗を連れて再び走り出すオルガとアトラとクーデリア。三日月はグレイズアインと対峙。

 「クランク二尉。このままではあなたの涙は止まらない。俺はこの戦いをもって、彼を悔い改めさせてみせます!」

 言い回しがどんどん大げさになってきた(笑)

 一方チョコ影は正体を現しガエリオと会話。マクギリスはアインをギャラルホルン腐敗の象徴として民衆に見せつけ、それをバルバトスに倒させることでギャラルホルンの改革を為そうと考えていることを明かす。

 「君という跡取りを失ったボードウィン家は、いずれ娘婿である私が継ぐことになる。セブンスターズ第一席であるイシュー家の一人娘、カルタも死んだ。ギャラルホルン内部の力関係は、一気に乱れるだろう。そこからが私の出番だ」

 完全にガエリオの心を抉るモードなマクギリス。

 その最中、ついに蒔苗たちは議場に到着、目的を果たしたオルガは外へ三日月の戦いを見届けに再び飛び出す。

 争いを続けるガエリオとマクギリス。

 「マクギリス! カルタはお前に恋焦がれていたんだぞ! 今際の際もお前の名前を呼んで、お前を想って死んでいった! 妹だって! お前にならば信頼して任せられると……」

 「アルミリアについては安心するといい。彼女の幸せは保証しよう」

 今回のマクギリス、ド畜生セリフのオンパレード(笑)

 ガエリオはあまり好きなキャラではなかったのですが、カルタの死を契機にどういうキャラなのか見えてから急激に面白くなって、今物凄い可哀想なことに。

 (そうだガエリオ。私への憎しみを、怒りをぶつけてくるといい……友情、愛情、信頼……そんな生ぬるい感情は、私には残念ながら届かない。怒りの中で生きていた私には)

 そしてマクギリス、キマリスのコクピットを一突きで勝利。パイロットが精神の平衡を失っていたものの、三日月が苦戦していたキマリス(仮にもガンダム)相手にほとんど無傷勝利で、恐ろしい戦闘能力を見せつけてきます。

 マクギリスの「怒り」の源は過去をほのめかすところにありつつも明確にされていないのですが、もはや彼、そんな感情を通り越して虚無までたどり着いているように感じられるもので、これが単純な養父イズナリオへの復讐とか権力を手にしたいだけとか、そういうところには着地してほしくないなあ。

 本当はそんな単純な話かもしれないですが、ここまで歪んでいるといっそとことんまで狂ってしまったほうが面白いと思うので。むしろその狂気の源を突き詰めていった結果、もっと単純でしょうもない動機だったというところにたどり着くことはあるかもしれませんけど、あんまりに即物的だったりするのは物足りません。

 シノたちの戦闘の場所にヤマギたちが到着するカット(そしてシノ生存確認)から、アインと三日月の対決に移行。

 「罪深き子供。クランク二尉はお前達と戦うつもりなどなかった」

 「あのおっさんは、自分で死にたがってたよ」

 会話になってない(笑)

 三日月のセリフ、最期だけ切り取って都合よく解釈したようにも見えますが、そもそも決闘を申し込んでおきながらいざ始まったらパイロットを殺さないで戦闘終了に至る道など到底考えづらく、最初からクランク二尉は死ぬつもりだったと解釈できないこともありません。

 そうなると「三日月が勝つという選択肢がクランクにはなかった」というのが思いっきりウソなので、やっぱり三日月をバカにしているんじゃないか、という気もしますけど。

 「やはり貴様は出来損ない! 清廉なる正しき人道を理解しようとしない野蛮な獣! なのに! あろうことかその救いに手を掛け、冷たい墓標の下に引きずり込んだ! もう貴様は救えない。その身にこびりついた罪の穢れは、決して救えはしない! 貴様も! あの女も! お前の仲間も、決して!」

 凄い勢いで喋りまくるアイン、クランクの意志を勝手に代弁するばかりか、もはや自らが神に至ったかのような傲慢な態度。

 ギャラルホルンによる阿頼耶識システムのMSへの使用は統合の象徴、いわば「神」を作るためのものだったのですが、「阿頼耶識の本来の運用法」となったアインはそこに照らし合わせて考えれば、古い世界の神と言える存在ではあるでしょう。

 (『阿頼耶識』という言葉から考えると、世界に統一された神は認識できない以上存在しないはずなので、それを用いて神を作った、という矛盾がこの設定の面白いところ)

 「貴様の! 貴様らの死を以て、罪を祓う!」

 「罪? 救う? ……それを決めるのは、お前じゃないんだよ

 それに対する三日月は、面と向かって「神」を否定する。

 クーデリアに対する「あんたが俺たちを幸せにしてくれるの?」やオルガへの「連れていってくれ」に対応するのですが、三日月は「幸福」や「赦し」や「救い」というものが何かは具体的に理解できておらず、それを教え与えてくれる存在を他人に求めています。

 それが誰なのか、何なのかを決めるのはあくまで自分であり、作られたモラルに縛られる機械の神ではない。

 また同時に、このセリフには三日月は神から叩きつけられるまでもなく、自らが罪を犯している存在であると知っている、ということも含まれていて、ここで三日月が単純に殺人を正当化してはいないことを明確に示しているのも秀逸。

 「おい、バルバトス……いいからよこせ、お前の全部」

 新基軸・悪魔にメンチ切って契約を交わさせる主人公(笑)

 まあ、三日月的にバルバトス(ガンダム)は所詮機械であり兵器なのであって、神でも悪魔でもないのでしょうが。

 阿頼耶識により、バルバトスと平常以上の接続を果たす三日月は、グレイズアインをも越える反応速度を発揮し始め、圧倒する!

 議場では蒔苗の取り計らいによりクーデリアの演説が始まり、通信機器をドローンで復旧させたオルガは、鉄華団全員に連絡を始める。

 「俺たちの仕事は成功したんだ! だから……こっから先は死ぬな! もう死ぬんじゃねえぞ! こっから先に死んだ奴らは、団長命令違反で俺がもっぺん殺す! だから、いいか?! なんとしてでも、這ってでも、それこそ死んでも生きやがれ!」

 それをメリビットとの車の中で聞いた雪之丞。

 「あいつは指揮官としてこの命令を出したかったんだ。ずーっとな。『死ぬな、生きろ』なんて、言葉にしちまえばあっさりしたもんだ。けどよ、あいつにゃ言えなかった」

 やられた。

 完全にやられた。

 前回感想で「メリビットに必要なのは正直に「自分の目の前で死ぬな」ということ」と書いたのですが、最終回でオルガがそこに突っ込んでくるとは思いもしなかった。

 「目の前で仲間が死んでほしくない」が当たり前の心理だとして、メリビットは前回オルガの無謀な作戦に「この子たちを死なせたいの?」と問いただしてきましたが、当然のごとくそんなわけがない。

 「誰が死んで誰が生き残ろうが関係ない」なんて、本気で思うはずもない。

 正しさが存在しても、簡単に通用しない世界であるがゆえに、人は言い訳を用意し、嘘を固めることで生きていくが、その結果として様々な問題を新たに引き起こす……という展開が続いてきた本作で、最後にオルガは自らのついた嘘を認めてきた。

 記憶にある限り、本作では己の嘘を真実だと思い込んでそのまま間違えて進む者は多数いても、自らの嘘を嘘だと認めてきた人物はいません。

 それは多分、劇中で最大の決断であり、この瞬間をもってオルガは本当の意味で「大人」になったのだと思います。

 鉄華団全滅を匂わせる展開からメリビットさんダメ人間化の進行に色々思いをはせていたところでこのセリフにしてやられた、という感じで、もうこの時点で本作スタッフには降参するしかないと思いました(笑)

 えー、それはそれとして、前回死んだようにしか見えなかったラフタとアジーが生き延びていて衝撃(^^;

 「火星と地球の、歪んだ関係を少しでも正そうと始めたこの旅で、私は世界中に広がるより大きな歪みを知りました。そして、歪みを正そうと訪れたこの地もまた、その歪みに飲まれようとしている……しかし、ここにいるあなた方は、今まさにその歪みと対峙しそれを正す力を持っているはずです! 選んでください、誇れる選択を。希望となる未来を!」

 その直後のクーデリア演説で、本作の「大人」たちは未来のために歪みを矯正できる者たちであるはずだ、ということを強調していきます。

 クーデリアの願いは「大人」に届くのか?

 場面はバルバトスとグレイズアインの対決に移る。ドリルになる手足に苦戦し、膝を突いたバルバトスの内部で、静かに目を閉じている三日月。

 そこに駆けつけてきたオルガ。

 「何やってんだ、ミカァー!!」

 完全にヒロインの行動だ(笑)

 最後の最後まで、本作ヒロインレースぶっちぎりのオルガ・イツカ!

 その一声で眼を開いた三日月は、装甲を吹き飛ばして飛び上がり、太刀を取ってグレイズアインの腕を即座に切り落とす!

 今まで三日月の眼の輝きの前に自らを偽らざるを得なかったオルガが、その偽りを認めて「格好悪い」台詞をさらした後に、今度は目を閉じてしまった三日月に声をかけて輝きを取り戻させるという展開で、オルガと三日月の立場が逆転。

 「こいつの使い方、やっとわかった」

 「この、バケモノがあー!」

 「お前にだけは言われたくないよ」

 無表情のまま声だけは叫んでいるアインと、血みどろで冷静に笑いながら返す三日月。

 「クランク二尉! ボードウィン特務三佐! 私は、私の正し……

 「うるさいな、オルガの声が聞こえないだろ」

 コクピットを太刀で貫き、ついにグレイズアインは活動停止。クランクとの決闘でのトドメと同じ構図でのトドメになるのは、凝ったカット。

 アインは最後のセリフにあるように、自らの正しさにどこまでも従っているという感じではありますが、実際のところその「正しさ」がどこまでも周辺の悪意と嘘に塗り固められているものであり、そこで引き返すことも嘘だと認めることもできないまま、ドツボにはまって悲惨な末路を迎えることに。

 善人だとは思いませんし(明確な「罪」としては、少なくともモビルワーカーの操縦者を一人殺している)、個人的にあんまり好きなキャラではないアインなのですが、ここまで猛烈に悲惨にされるとは。

 良くも悪くも、予想をぶっちぎってくれるのが本作。

 まあなんというか、「悪い子供ほど本当に悪い大人の餌食」を地で行く青年でした、アイン君。合掌。

 停戦信号が上がり、代表選は蒔苗氏が再選。バルバトスのコクピットから夕焼けを眺める三日月が、オルガに尋ねる。

 「ねえオルガ。ここがそうなの? 俺たちの本当の居場所」

 「ああ、ここもその一つだ」

 「そっか。綺麗だね」

 またこういう、色々含ませた台詞を用意してくる……。

 だんだん考えるのも疲れてくるのですが、なんだかんだ考えてしまう(^^;

 バルバトスのコクピットこそ三日月の居場所、とも言えるしこの地球こそ自分たちの居場所とも言えるし、となるとオルガの「ここもその一つだ」ってセリフは三日月がどこを指して「ここがそうなの?」と聞いたのかがわからないから、適当にごまかして三日月自身に丸投げしたのでしょうか(笑)

 「自分の居場所は結局自分で決めなければならないんだ」というテーマかもしれませんが、印象としてはオルガが大人の汚さを学んでいる……!

 ここまででバトル在りドラマ在りの非常に濃密なAパートが終了し、以降はエピローグに。

 四日たって、交渉が成立したらしいクーデリア。イズナリオの亡命の手はずを整えるマクギリス。そして鉄華団はアーブラウ軍事顧問となり、今後はギャラルホルンの弱体化もあって各々の経済圏が軍事力を強めていくだろう、と混沌を示唆する会話をするマフィアのみなさん。

 以前も感想で書きましたが、ハーフメタル採掘権を火星で自由化してもこのでかい資本家とヤクザがアーブラウに変わって利権を牛耳るだけなので、貧困層は変わりそうにないですが、そこまでは踏み込んでいかず。

 その後、アルミリアに会いに来たマクギリスの送迎をしているトドは、執事にこう語る。

 「俺は旦那の、右腕だ」

 本作の「右腕」は穢れと武力の象徴として描かれているのですが、そこで単なる小間使い程度の扱いで、自ら直接手を汚したこともなければ戦える力も持ち合わせていないトドが「右腕」を名乗る辺り、ひどい皮肉(笑)

 火星に帰る準備をしている鉄華団、それを眺めるメリビットと雪之丞の会話。

 「あの子たち、もう戻れないんじゃないかって思ってました」

 「何にだ?」

 「子供に……」

 この期に及んで、未だ自分が「大人」のつもりで上から目線の物言いなメリビットさん。

 この人、反省してないよ!

 いつまでも自分の目の前の子供は子供であってほしい、とか、思いっきり彼らを都合よく縛ろうとする気満々じゃないですか!

 まあオルガの言葉を聞いているのだから彼女も思うところあるだろうというわけで、自分が知らない世界に次々進んでいく自分より年下の子供たちを見て、彼らの成長に置いていかれてしまうことへの危惧を抱いていたのかなと。

 そんな自分もまだまだ未熟な子供であり。それを自覚したメリビットもまた大人に向かって一歩成長した、という話かもしれませんが、正直言って私、メリビットさんにそんな美しい解釈を用意したくありません(笑)

 降りてきた名瀬と会話するオルガは、かつて自分の責任で団員の死に場所を作るんだと話したことを突きつけられる。

 「張れよ胸を、今生きている奴のために。死んじまった奴らのためにも、てめえが口にしたことはてめえが信じぬかなきゃならねえ。それが指揮官としての、団長としての覚悟ってもんだろ」

 名瀬はなんだかんだ、オルガに対してはいい兄貴分兼相談役として美味しいポジションに収まることに。

 そのころ、三日月はアトラと会うが、右目が見えなくなり右腕が動かないという後遺症を患っていた。

 トドが自らを「右腕」と称した後に、武器に右腕を持っていかれた三日月を用意しちゃうのは、あくどいなあ脚本(^^;

 片目が光を失ったのも、本作の「目の輝き」の扱いを考えたら、三日月は大人になったというよりも子供でいられなくなってしまった、という感じがします。もうこの目の輝きは、オルガに必要ないものでしょうけど。

 三日月のこれも罪の制裁と言えなくもないですが、バルバトスに接続した時だけ正常になるとのことで、利き腕と利き眼を武器にしか使えないというのは、いずれ戦うことしかできなくなる未来の暗示にも思えます。

 「鉄人28号を武装化したら戦うこと以外何もできなくなる」というネタが長谷川裕一さんの漫画にありますが、ガンダムは所詮武器であり他のことができないと思うとガンダムに乗らなければ全てを取り戻せない三日月というのはかなり難儀な話。

 火星に帰ってバルバトスが畑を耕し始めるとかなったら、それはそれで見てみたいですが!(笑)

 地球に残るクーデリアから端末を「宿題」として渡される三日月は、体の不調を彼女に伝える。

 「泣くなよ、この手じゃもう慰めたりできないから」

 「もう、違うでしょ! クーデリアさん!」

 三日月を両側から抱きしめて頭をなでる女性二人。

 「何これ」

 「今一番大変なのは三日月なんだから、三日月が大変なときは私たちが慰めてあげるんだからね」

 「そうですね。私達は家族なのですから」

 えー、家族と言うか、犬?

 以前三日月が二人抱きしめたときと同じ、アトラが右でクーデリアが左ですが、アトラが動かない手を支える姿勢を見せるとともにクーデリアに感覚が残っている左の方を譲ったと思える描写で、安定のアトラの主人公力。

 団員たちに初仕事終了の挨拶を述べた後に、オルガは三日月と会話。

 「なあミカ、次は何をすればいい?」

 「そんなの決まってるでしょ」

 「ああ、そうだな……帰ろう」

 「うん。……火星へ」

 今までと逆に、オルガが三日月に尋ね、三日月もそれに対して明確に返答するという対話で締め。

 

 いい最終回でした。

 まとめきれない要素が多々あるのですが、一旦決着をつける上では必要なことをとにかくやり切った感じ。

 黒すぎるマクギリス、上から「救い」を持ち出すアインに対し拒絶する三日月、自らの嘘を認めて本音を吐き出すオルガ、合間に入るクーデリア演説とAパートだけでも濃かったのですが、Bパートは色々な要素をさらに組み込んできて今後への引きを作りつつ落ち着いた感じにまとめてきました。

 最終回における勝利で面白いのは、鉄華団の勝利からの名前ありキャラほぼ全員生存ハッピーエンドは、シノやラフタやアジーやマクギリス登場による三日月救援でのクーデリア生存のように、本当は偶然の連続なのですけど(故に視聴者には鉄華団全滅が有力と思っていた方も多数)劇中に示唆される要素で必然の勝利に見せかけられている、という形になっているところ。

 本作、作中に存在する「普遍的な正しさ」と「劇作としての正しさ」が相反する書き方であり、どちらかを犠牲にするしかないのではと思っていたのですが、見事に両立してしまいました。

 で、本作における「普遍的な正しさ」って、ズバリ言ってアトラに託されているもので、簡単に言えば「生きることへの願い」なのですが、それを最終回でオルガが持ってきたのが個人的にクリティカルヒットでした。

 まあおかげで、本作の真の主人公はアトラでヒロインはオルガ、みたいな印象になってしまいましたけど!(笑)

 作品全体の流れとしては、途中ドルトコロニーの件がかなり勢い落ちてしまった印象があるのですが、地球に降りてからはどこまで拾うんだというほどの要素の回収っぷりで、しっかり練られた構成と脚本であることに何度も感心しました。

 岡田麿里さんと長井龍雪監督の作品はこれまで見たことがなかったのですが、今後気にして見ようかと思うところ。岡田さんについてはちょうど4月から水島努監督の作品でシリーズ構成やるみたいですし。

 エピソード単位で好きなのは、ブルワーズ編最終章にして諸々のターニングポイントと言える13話。あの話が面白かっただけに、以降数話ちょっと落ちてしまったのが悔やまれるのですが、ここで展開された要素が回収され始めた20話以降は全部好きと言っていいぐらいにはまりました。

 キャラクター別だと、アトラは別格なので除外(笑) それを抜きにしたら特に地球で大人としての真価を発揮し始めた雪之丞のおやっさんと、真ヒロインのオルガ、安定の櫻井孝宏美形変態悪役なマクギリスと、結構いろいろ上がります。

 感想で散々書いているメリビットさんですが、劇作の人物としては決して不要ではありませんし、そこまで嫌いなわけでもないです。まあ現実にいたら死ぬほど鬱陶しいし一緒に仕事したくないですが(^^; 少なくとも「いい大人」とは到底思えないわけでして。

 ファンの方々が本作を『ガンダム』として見たときにどういう評価を受けるのかはわかりませんが、「面白い」「面白くない」で言えば確実に「面白い」作品だと思うところで、故に本作はその上で「許せる」「許せない」という議論に至る作品かなと思います。

 そうなると私は問題なく「許せる」ですが(多少難があっても伝家の宝刀「金元寿子だから」が大体切り捨ててしまう)、三日月が「それを決めるのは、お前じゃないんだよ」っていうのはそこに対するメタ反論っぽくも見えて、なんか全部スタッフの掌の上の予感。

 私個人は基本的に『ガンダム』シリーズは総集編とか劇場版とかエピソード飛ばしで軽く見るとかその程度で、まともに腰を据えて視聴したのが『ポケットの中の戦争』ぐらいしかなかったため、あまり『ガンダム』を意識してみることはなく、むしろ『悪魔のリドル』の感覚で視聴するというちょっとズレた視聴スタンスだったため、色々変な視点で見ているなとは自分でも思うところ(^^;

 テーマとしては複数の要素を抱えながらかなりシンプルなところを一本通していることもあり、最後までしっかり楽しめる作品でした。作品に真摯に取り組んだ本作のスタッフには敬意を払いたい。

 長くなってしまいましたが、これで一応『鉄血』感想を締めとします。続くかどうかは今後の展開次第。