ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

魔法つかいプリキュア! 第11話感想

『魔法つかいプリキュア!』の感想。

 先に書いておきます。

 ひ ど か っ た 。

 本気で感想書きたくないと思ってしまったのですが(このまま打ち切るかもしれません)、いっそ何がどうひどいのか徹底的に書かねばなるまいという気分にさえなったので書きます(^^;

 えーまず、本作の世界では、人様の家に上がり込むのに呼び鈴も慣らさず「ごめんください」も言わないのが作法らしい。

 リコが挨拶する後ろでものも言わずつったっている教頭先生、という描写に何で誰も疑問を抱かなかったのか、不思議でなりません。

 その後、思いっきりブスっとした表情でお茶を飲む教頭先生に向かって朝日奈家のお父さんが「作法の先生は違いますね」とかのたまうのですが、頭のネジが緩んでいるのかこの人は。

 初登場となる朝日奈家の父と今まで一見マトモそうに見せてきていた教頭先生の双方を一度に印象悪く描くというおぞましいミラクル&マジカルっぷりに、軽く目眩を覚えたのですが(^^;

 教頭先生がナシマホウ界を訪れたのはリコの転校手続きと住居の確保のため(ここで話の都合とはいえ、朝日奈家の厄介になることを即決してしまうのも疑問)、そして二人に「ナシマホウ界で魔法を使うところを見られてはいけない」と注意するためであった。

 しおりを持たせたけどカバンを開けられなかったので確認できませんでした、という話で、それを見越した上で教頭先生が直接注意に来るというだけならまだ単なるお節介で済むのですが、この後帰るときに堂々と空を飛ぶのをリコにツッコまれ、あまつさえ「見られてなければいいってことじゃない?」とみらいに言わせてしまうために、単に理不尽なルールを押し付けに来ただけにしか見えず、すっごく印象悪いです。

 前回意味ありげに引っ張っておきながらこれというのも問題ですが、本作で唯一真っ当な大人だと信じていた教頭先生が、今回ありとあらゆる面ですごくダメな方向に転がってしまったのが、個人的に最大のショック。

 そのルールをリコが理解している様子がないのも不思議ですが(まあそもそも、第1話は勝手に飛び出してきたのでそれ以前の話なのでしょうけど)、さらに問題になるのがこれを破ると杖を没収される設定。

 どうやら『ハリー・ポッター』シリーズの「未成年は緊急時以外魔法の使用禁止」「成人は緊急時以外マグル(魔法が使えない人)の前で魔法禁止」「違反すると杖没収」という設定をそのまま持ってきたのではないか、ということなのですが、本作における魔法の杖は能動的に購入するものではなく、生まれと同時に施されるものであり、故に人によって形が違い、基本的に代替が効かない、唯一無二の存在であると同時に魔法界に生きる人の個性を物質化したものである訳です。

 ということは、それを没収するのは人権の剥奪に等しいのでは。

 魔法界において「杖を失った者がどういう風に生きていくのか」がまるっきり描写されていないので真相はわからないのですけども、人魚の怪しげな設定の存在とか前回の「魔法が使えないのはみじめ」というスパルダの発言を鑑みるに、真っ当な生き方を保証される気配がとても見えません。

 そして、それを踏まえた上で作り手がこの点の問題を真剣に考えているようにはとても感じられません。

 そんな深刻な問題のはずなのに、何故か校長先生の一存で前回は不問としてしまい、かつ今後は気を付けるようにと話を転がしますけど、校長先生は魔法界全体の法とかルールに意見できる立場なのでしょうか? そうでないなら、杖没収とかも魔法学校の内部だけで決まっていることになるのですけど、明らかに退学以上の罰があの内部だけで収まっている設定には疑問しか浮かびませんし、いよいよもって校長は外道となるのですが。

 「魔法は一般人に見られていいのか?」という第1話の爆弾を「良くない」と持ってきたのですが、ここまで話数二ケタも放置しておいてから安直に「良くないのがお約束」で処理したために、腐食した回線がショートして盛大に爆発してしまいました。

 教頭先生が帰った直後、リコが荷物を取り出すと、中から校長先生の水晶玉が。これを通じて校長先生と連絡を取り合えるようにするということ。

 以前、コメントで「水晶玉の商品化」の話を聞きましたが、どうやら校長先生なりきりアイテムではなく、プリキュア側のアイテムになる模様。

 が、これの存在により「ナシマホウ界における魔法使用のルール」などを教頭先生が直接訪れて説明する部分が一気に無意味になりました。

 教頭先生の個人的な信条とかではない作中世界の普遍的なルールである以上、これを通じて校長先生が説明すればいいだけの話であり、悪印象を振りまく教頭先生にさらに追い打ちをかましたのですが。

 スタッフはいったい、教頭先生をどういう人物として描きたいのでしょうか?

 同時に、本作における「大人」と「子供」の関係をどうしておきたいのでしょうか?

 現状、運命の名目で大人がひどく矛盾まみれな勝手な理屈を振りかざしてくるのを、子供たちが黙って受け入れるという構造にしかなってないのですが、本気でこれを貫くつもりなのでしょうか?

 兎に角、校長先生の連絡を学校に行っている間に受けたら面倒なのでモフルンに留守番してもらうことに、となるのですが、何百年も生きる偉大な魔法使いのくせに連絡手段が移動できないという大問題を平気で放り込んできたりして、こういう細かい配慮の足りなさも校長先生への不信感を強くしていきます。

 校長先生は水晶玉持ち歩くので、その感覚で持っていけるものだと思ったのかもしれませんが、いずれにしても間抜けすぎます(^^;

 「モフルンはずっとみらいと一緒だったモフ。モフルンもいつか大きくなって、みらいと一緒に行けると思ってたモフ」

 今回、もう本当に惨憺たる有様だと思うのですが、モフルンのこのセリフはそんな中で唯一面白かった部分。

 モフルンは異世界から突然降って湧いて出たのではなく、これまでみらいと過ごしてきた対等の友人であり、故にみらいと同じ生活ができないことを悩む、というのは他作品の妖精にないモフルンの特色が出てきて良かったと思います。

 また、次々成長して大きくなっていくはーちゃんと対になる形で「いつか大きくなって」があり得ないモフルン、というのが明確にされたのも面白く、そんなモフルンが動けるようになって「ワクワク」を探し求められるようになったら、というポイントも見えてきました。

 気になるのが、モフルンは魔力が無くなると元通り動けなくなるのではという疑問が浮かぶところなのですが、戦いとリンクルストーン探しが終わってみらいが魔法を使わなくなり、モフルンが静かなぬいぐるみに戻ってしまったらみらいはモフルンに何を感じるのか? ってところまでは踏み込んでくるのでしょうか。

 煮詰めていけば面白そうなのですが、本作のスタッフの現状だと正直あまり期待できそうにない……(^^;

 翌日、学校が始まり、リコは留学生として紹介。苗字を先生が失念してとっさにリコが「十六夜」を名乗ることで決まるのですが、編入手続きに苗字とか使ってないのでしょうか。というか、教頭先生はそれを一番伝えるべきだったのではないか。

 話が進むごとに教頭先生の言動のおかしさがポロポロ露呈してきて、辛い……。

 そんな中でモフルンとはーちゃんがこっそりついてきていたことに気づいたみらいとリコ、終業チャイムが一刻も早く鳴ることを祈るように。モフルンたちは初めての学校に興奮しつつ、校庭でリンクルストーントパーズを発見、しかしそこにガメッツがやってきており、ヨクバールを召喚され奪い合いになる! 手にしたストーンを死守するモフルンに、力づくで奪おうとするガメッツ。

 武人キャラのようなガメッツ、モフルンとの奪い合いの言動がやたら小物臭く、これまたどう見せたいのか今一つわかりません。

 チャイムが鳴って、はーちゃんの助けを受けやってきたリコとみらい。そこでモフルンが死守したトパーズが輝き、プリキュアに変身!

 新たな力のトパーズなのですが、

 ・「『学校はワクワクで楽しいところ』から生まれたワクワクの力」という設定上のコンセプト

 ・「お菓子をあしらったかわいらしくも不思議な服装」というキャラクターデザインのコンセプト

 ・「光の玉を常に携え、それを自在に変形させて不可思議な戦闘を行う」という戦闘デザインのコンセプト

 の、3つが全部バラバラの方向を向いていて恐ろしくまとまりがありません。

 3つのうちどれか二つぐらい、重なりそうで見事に重なっていないというおぞましいミラクル&マジカルパート2。

 加えて光の玉で大小様々な武器を作ったり足場を作ったりという能力があまりにも万能すぎるため、他のフォームと比べても露骨に強く見え(というか単品で様々な状況設定に対抗できるため、フォームの中にフォームチェンジが生まれたような状態)、「何が飛び出すかわからないワクワク」ではなくて「後出しジャンケンのごとくなんでもひっくり返す白々しさ」が優先してしまいました。

 ちょうど、つい先日感想を書いた『ザ・カゲスター』と同じ匂いを感じます(笑)

 ヨクバールを倒した二人はモフルンを問い詰めるが、はーちゃんが急成長して喋りはじめる。

 「モフルンは一人でがんばったの。二人の学校、邪魔しないように。でも、やっぱりモフルンもはーちゃんも、二人と一緒がいいの。学校も一緒がいいの」

 その説得を受けてみらいもリコも、きちんと隠れることを条件に一緒に学校に来ることを認めるのであった。

 ……うーん、モフルンの善良さや頑張りは否定できませんし、トパーズが守られたのは間違いなくモフルンの尽力によるのですが、それで問題を全部帳消しってしちゃうのはすごく悩ましいところ。「根っこが善良だったら何をしてもいいし、それで結果出せるんなら文句ないでしょ」となりかねないのですが、それ。

 そしてそもそも、モフルンを置いてきたのは「学校で見つかるとマズいから」ではなくて「校長先生の連絡を聞き逃さないようにするため」であって、そちらの解決を何も考えていないのですが、途中で話がすり替わっているのではないか。

 表面だけいい話を装ってまとめていますが、本来考えるべき問題を何も向き合わず投げだして、ズルでもなんでも結果がよければすべてよし! というところがセリフでまで強調されて悪目立ちするという、いつもの『まほプリ』らしいと言えばらしいものの、あまりにもひどい内容。

 何よりも教頭先生の好感度が(初登場の朝日奈父を巻き添えに)一気にガタ落ちするという状態が、ひどくショック。本当、残念と言う他ありません。