読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

宇宙刑事シャイダー感想総括

宇宙刑事シャイダー』感想の総括。

 宇宙刑事シリーズ3部作の最終作でありつつ、次回作『巨獣特捜ジャスピオン』につながるコンバットスーツ系メタルヒーローの中間となる作品ですが、ストーリー、アクション共に平凡で今一つパッとしない感じ。

 特にストーリーは年間シリーズ構成の難しさを感じさせられつつ、いくつかの基本設定は悪くないので生かせなかったのがとても惜しいと思います。

 

 本作ストーリーで一番の問題は、ズバリ言ってフーマとシャイダーの間の因縁構築に失敗したこと、になると思います。

 シャイダーはフーマから地球を守るため派遣された刑事ですが、序盤においては特別にフーマとシャイダーの間の接点が存在せず、これによりシャイダーのフーマとの闘いは一介の宇宙刑事が事務として犯罪者と戦っている、という図が続きました(むしろフーマとの間に因縁があったのは、故郷を滅ぼされたアニー)。

 そんなシャイダー側とフーマ側との因縁の構図に大きな変化が加わったのが、神官ポーは実は地球のムー帝国出身であり、それを滅ぼしたのは銀河連邦警察ではないかという展開。

 これに伴い、フーマとシャイダー個人ではなく、ポーと銀河警察およびアニーとフーマという形で、互いの組織が抱えた個人と相手の組織との因縁が構築され、シャイダーはそれとは別にアニーを抱えた組織の代表格となる、と転がってきたのは面白く感じましたが……この後、この設定が上手く転がらず(^^;

 実はムー帝国はフーマ皇帝クビライが築き上げた怠惰の国であり、それを打ち破って銀河連邦警察を創始したのが伝説のバード星人・戦士シャイダーで、その子孫が現代のシャイダー・沢村大だった、と展開されたことで、アニーとフーマの因縁が捨て置かれてしまい、ポーと銀河連邦警察の因縁もフーマと戦士シャイダーとの因縁にすり替わる……と、中途の展開が放り投げられてしまいました。

 この点、ポーはクビライの孫娘だったという何故隠す必要があるのか全く不明の設定がポーには秘密にされてたり、ポーからアニーに向かってアプローチする回があったので、本当は先に書いたとおりのポーとアニーを対にする路線だったのが、わかりづらかったので変更したようにも思います。憶測ですが。

 その後、現代のシャイダーは伝説の戦士シャイダーの末裔であることに気づき、それに向き合った上でフーマを討つとなればいいのですが、何故か最終話まで本当に戦士シャイダーの末裔かどうかが分からないまま話が進んだので、「戦士シャイダーの末裔であるからクビライとの間の因縁を断ち切る」が話にまるっきり入っていません。

 そもそもフーマ側が沢村大=戦士シャイダーの末裔であることをどれだけ意識していたのかも不明で(第1話で家が破壊されたのは彼を疑っていたからだと説明されますが、沢村大の視点だけで言われたことで、フーマの対応を考えると辻褄がどうしても合いません)、結果、沢村大からもフーマからも「戦士シャイダーの戦いに決着をつける」という要素にきちんと向き合ってないように見えてしまいました。

 そしてこれらが及ぼしたのはシャイダー/沢村大の没個性化という大問題。

 敵との因縁が曖昧、宇宙刑事として以外の人格面の踏み込みも曖昧な沢村大はどうも一人のキャラクターとしては魅力が薄かったのですが、大量に設定投入してもそこが一向に深まりませんでした。

 新人の宇宙刑事にしては劇中の活躍度合いや事件への対応が先輩の宇宙刑事と比べて劣るとは言い難いですし、未熟なことが押し出されるのは滝を斬るエピソードぐらいなもので、沢村大の「配属されたばかりの地球出身新米宇宙刑事」という設定もどこまで本気で扱うつもりだったのか(^^;

 アクション面では確かに前作・前前作と比べて生身のシーンが減り、焼結の早さがあるものの、それが話で強調されるわけでもないですし。

 

 全体のストーリーとして以外でシナリオで気になったのは、社会情勢を踏まえた風刺エピソードの展開。

 別にそれ自体は構わないのですが、本作でタチが悪いのはそういうネタを振っておきながらとにかくヒーローのシャイダーはそちらの事情に不介入で、不思議獣を倒したらそれだけで全て終わったように満足してしまい、根本的な問題を何も解決することがないまま投げっぱなすという展開が非常に多く、総じて後味が悪い話でした。

 後年の『ジャスピオン』『超力戦隊オーレンジャー』でも、本作全話脚本の上原正三さんの脚本回で度々そういう展開が用意されるのですが、本当に何の救いもないのに劇中人物だけが何故か解決したように振舞うので、毎度首をかしげます(^^;

 問題提起の意識は買っても「アレは悪い」「コレは正しい」だけでは何も伝わらないのではないか、と疑問に思うわけでして、そういうエピソード群がとにかく肌に合いませんでした。

 

 悪いことはこの辺で、良かったところを上げると円谷浩さんはとても格好よかった。

 キャラクターとしての『沢村大』にはイマイチ魅力を感じないのですが、円谷さんの演技の上達とアクションシーンの切れ味の増し方は本当にびっくり。

 正直、失礼ながら作品が始まった時は「なんだかぼやっとした顔立ちだなあ」って印象だったのですけど、日常シーンでの柔らかい表情とシリアスな時のキリッと険しい表情が段々板についてきて、中盤ぐらいからは普通に男前と思って見てました。特に滝を斬るときの鬼気迫る表情は本作の中でもベストとして挙げたい。

 『俳優・円谷浩の成長物語』と言われることが多い本作ですが、ものすごく納得(笑)

 もう一つ、バビロスのシューティングフォーメーションとバトルフォーメーションの変形は結構好き。手に取って銃のおもちゃとして遊べる&ロボットになるというのは結構面白く、宇宙刑事3部作の玩具なら一番欲しいのはバビロス。

 

 ざっくり言ってしまえば、いかにも80年代の特撮だなあ、という感じでした。多分、今の視点で見ればどれもこんな感じの感想になりそうな気もします。

 そんな中で本作は、主役ヒーローの円谷浩さんが格好よかったのだから、まあそれで十分かな、と。