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5年3組魔法組 3・4話感想

5年3組魔法組』の感想。

3話

 ゴムまりで遊んでいたミコだが、転がった先の6年生山野ケイスケにまりを蹴飛ばされて無くしてしまう。高牧先生に相談した魔法組だが、ケイスケの家の近所に住むショースケは、ケイスケのそういった意地悪を信じられない。

 「こっちから話しかけても「ん」とか「あ」とか言うだけで、女の子は相手にしない感じです。そんなケイスケくんが女の子に意地悪するなんて、僕には考えられない」

 いやそれ、どうだろう(笑)

 次々と赤いゴムまりで遊ぶ少女に意地悪をするケンスケを見かねた魔法組は、ショースケを外して彼を懲らしめることに。巨大なゴムまりでケイスケは池に転落し、それを助けるショースケ。

 ケイスケはその後、学級会で一週間の沈黙刑に処されることに。それは舌を奪ってしゃべれなくするのかと尋ねるベルバラに、次々に残酷だと非難する魔法組。

 「授業中を除いて一切話しかけない、話しかけても相手にしない、もちろんいっしょに遊びもしない。それが沈黙刑よ」

 リアルにイヤな刑罰ですが、なんて陰険な(^^;

 70年代のフィクションとはいえ、これが学校内の規則で通ってしまうところが恐ろしい。

 「なあんだ、そんなことか。どうってことないじゃないのさ」

 「一週間誰とも話せないのよ、独りぼっちなのよ! どれだけ辛いか魔女なんかにわかりはしないわ! ね!」

 「なんだって? ……あたしだって孤独の寂しさは知ってるよ!」

 と、こっそりこのやり取りでベルバラのことにも触れていくのですが、この人、故郷に友達とかいないからいたずらしてるのか、逆にいたずらしてるから友達いないのか、どっちなんでしょう(笑)

 本人が反省の態度を示し受け入れられれば刑期を短くしてもらえるということで、ショースケはハツカネズミに変身してケイスケの部屋に忍び込み、そこで日記を発見。それによると公園を散歩中に赤いマリで遊ぶ犬を連れた少女と出会い挨拶する程度の仲になったのだが、ある日突然その少女が来なくなってしまったという。

 挨拶するだけの関係を「素敵」というミコ&ショースケ女子二人組と、それに乗っかる形で何となく理解できるというハテナマン&チクワと、全く理解できないガンモとそれぞれの意識の違いをちょこっと入れてきたり。

 ショースケたちは動物などに尋ねながら少女を探すことに。意外なことに銅像とかもしゃべることができると判明するのですが、座禅している銅像が「修行の邪魔をするな!」と怒るのが今回の一番面白かった部分(笑) そして沢りつおさんは、やっぱり芸達者。

 調査の結果、少女は北海道に引っ越したと知り、ショースケは北海道に飛び立って少女と話し、ケイスケに少女からの手紙が届いたことで立ち直ると転がりめでたし。

 悪い話ではないのですが、北海道に一人で飛び立つショースケが少女と会話するところとか(わざわざ他の面々を止めてまで飛び立った)、尺の都合なのか描写されていないところが惜しい。ショースケのケイスケに対する感情とか、踏み込みそうで微妙に踏み込み切れずな感じ。そして冒頭はガンモの自己紹介で始まったのに、特にからんでこなかったという(^^;

4話

 今回の名台詞。

 「学校いるから先生よね。うちに帰ればただの人」

 一見強烈なギャグ台詞なのですが、これが結構重要。

 本作、正直言って結構古い作品だし期待値をかなり甘めに見積もって見ていたのですが、今回が意外にも傑作でした。

 泣き虫先生と呼ばれる音楽の先生が結婚して学校を離れてしまうことに悲しむミコ。

 「どうして結婚なんかするんだろう」

 「それはつまり、泣き虫先生が、女だからさ!」

 「女だからって結婚しないといけないって言うの?!」

 「あったりめえだよ!」

 「そんなのひどい!」

 70年代にしたって遠慮のない会話を繰り広げる魔法組(笑)

 新任の先生・菱田は美人だが厳しい性格で、発声練習から授業を始めることに。泣き虫先生は自分たちの好きな楽器で授業をさせてくれたと言い張るミコたち(ここで発声が苦手なガンモ、太鼓は上手いことを見せる)だが、菱田先生はつっぱねる。

 「授業を受ける気がないものは床に座りなさい」とか言い出すなど子供の視点抜きにしても若干行き過ぎじゃないかと思えるほどに厳しいところが垣間見える菱田先生ですが、小学校の先生の態度としてはある程度理解できるように上手いことバランスとったセリフと描写になっていて秀逸。

 そんな菱田先生の授業に、トラブルのにおいを嗅ぎつけた困ったおばさんベルバラ乱入!(透明だけど)

 ピアノを動かしたり、先生の声を沢りつおに変えたりと暴れるベルバラ、ご満悦。

 突然の怪現象でも取り乱さず笑顔を作ろうとする菱田先生の演技がこれまた細かくできてて、後半の展開の布石としてしっかり作られています。

 魔法組多数決(怖い)で菱田先生が気に入らない人が多いからと魔法でこらしめようとするミコは、先生だからと遠慮する魔法組に「家に帰ればただの人」だと主張して強引に行こうとするが、具体的にどのような魔法を使うのか考えていないことをハテナマンに指摘され、いったん持ち帰って考えてから進むことに。

 そうして時間稼ぎをしたハテナマンとショースケは、先生のことは先生に聞こうと高牧先生に当たる。高牧先生も新人のころは張り切りすぎて失敗し、母からアドバイスを受けて立ち直ったと話した後に菱田先生に話を付けようとするも、まるで入り込む余地なし。しかし高牧先生の体験から、菱田先生の母を当たってみようと考えるショースケたち。

 高牧先生、思いっきりポンコツのコメディリリーフではあるのですが、魔法組の疑問に真剣に考えてくれ、アドバイスそのものはこうした役に立っていると持ってくることで、露骨にダメな印象にならないよう配慮されていていい感じ。

 牧場で働く菱田先生の母を訪ねたショースケたち。菱田先生の父(故人)も教師で、厳しいながらも生徒から慕われていた彼に憧れて教師になったという。厳しいがまだまだ彼の域にたどり着かない菱田先生について、母は彼女が電話で泣きついてきたことを明かす。菱田先生が泣くなどとは信じないミコだが、先生もフルートが好きだと聞き、その夜にフルートを練習する先生を発見、その目に浮かぶ涙を見る。

 ミコはバッグを取り出し、一度決めたのだからと止めない魔法組。

 「いよいよやるんだねえ、イーヒヒヒ……」

 困ったおばさん、再登場。

 魔法組をマジックアイテムの実験台にしているというとタチ悪いのですが(いや実際タチ悪いのだけど(^^;)、大規模な悪事をするのではなく細かいいたずらに精を出すベルバラの性格と曽我さんのハイテンション演技が見事にマッチ。

 にしてもこのヒト、いわゆる構ってちゃんなのだろうか(笑)

 「アバクラタラリン、クラクラマカシン、あの泣き虫先生に……」

 「泣き虫先生に?」

 「あの泣き虫先生の菱田先生に、今晩お母さんの夢を見せてあげて!」

 「なんだいそれ?」

 「そして励ましてあげて!」

 ここでミコが好きだった「泣き虫先生」は菱田先生となることで、ミコが「先生」として菱田先生を受け入れたことを示し、同時に「うちに帰ればただの人」である菱田先生のことも受け入れて救済するという結末に持っていきました。

 ここで菱田先生に「ただの人」である部分を見出して受け入れることで、前の泣き虫先生がないがしろになるのでなく、そちらの「ただの人」としての事情(結婚して学校を離れる)も受け入れるという要素も入っており、話の全体にちりばめた要素をきっちり回収しながらミコ側の成長も描くというのが見事な流れ。

 気になるのは、前の泣き虫先生にも名前の設定とか用意しておけばよかったんじゃないかというところなのですが、ミコが「泣き虫先生」とだけ呼んで名前で呼ばないところで「前の泣き虫先生の「人」を受け入れられない」とつなげる意図があったのかなと。まあせめて、他の魔法組(ガンモはともかくハテナマンとかショースケ)には本名で言わせた方が良かったような気も(^^;

 ベルバラはその結末に不服そうな感じで去っていくのですが、ここで魔法組に干渉したり自分から菱田先生にちょっかい出さないあたりに、前回示した「孤独の寂しさを知っている」要素も見える気がします。

 まあ今回の魔法組、ベルバラおばさんには沈黙刑状態ですが!(笑)

 魔法アイテムをくれた人とはいえ、ベルバラ、魔法組から見れば基本的にハタ迷惑なおばさんだしなあ……。

 マンガンキーでその夜、母に励ましてもらう夢(セリフとか余分なものを入れないのが粋)を見た菱田先生は、翌日には優しく接する先生となり、ミコにフルートを演奏してもらおうとするが、マンガンキーのしっぺ返しでフルートの演奏は乱れ、それどころか音楽室の楽器が暴れる現象を引き起こすというオチ。

 先生の退職と新しい先生を受け入れられない生徒が、各々の事情を理解して救済することで自身も成長するという要素を上手く1話の中に詰め込んだ傑作。生徒から見た大人(先生)のさらに上の親を取り込んだ話の作りが綺麗でした。

 個人的にこういうテーマが好きというところもありますが、とても良かった。