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B-PROJECT~鼓動*アンビシャス~ 第12話(最終回)感想&総括

『B-PROJECT~鼓動*アンビシャス~』の感想。

 ……(^^;

 どうしよう、理解が追い付かない。

 確実なのは出来がいい最終回ではありませんってことです。

 レコード会社の移籍が発表されるBプロだが、事務所の社長側には夜叉丸から伝わっていたにも関わらず何も知らされていないつばさ。つばさは夜叉丸を探してあちこちに連絡を取ることに。

 以前の猫耳編集長、ここで拾われてつばさに全面協力する形となり、印象悪いままで終わらせなかったのは良かったのですが、別にアイドル見下す姿勢と変態性にフォローが入るわけではないという(^^;

 夜叉丸の経歴など怪しい要素が次々浮かぶ中、街中で夜叉丸を発見したつばさに非通知設定で夜叉丸から電話。全ては最初から仕組まれていたことだと語る。

 「憎いからだよ。お前も、ガンダーラも」

 いつもの軽快なオネエ言葉から一気にシリアスな低い声で喋る夜叉丸。

 あまりに別人すぎる演技ですが、他の音を止めて一気にトーンを変えた声を披露することで視聴者を驚かせる演出は強烈。そしてそれを今まで劇中世界でも「演じていた」とすることで飲み込ませるという力技。

 鳥海さんのこっちの調子の声はちょうど2期が始まった『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の名瀬で聞き慣れているので、妙な安心感(笑)

 ……まあ、今回面白かったの、ここぐらいなんですが(^^;

 ドーム公演のために各地を駆け回るつばさの一方で、夜叉丸はこれまでのBプロ周りのトラブル(第1話の歌謡祭キャンセルやライブステージの連絡ミスなど)は全てガンダーラの陰謀であり、最初から撤退予定のアイドル事業に集められたメンバーがつばさの活躍でトップアイドルになったため、逆にプッシュしようとしていることに不信感を抱いてレコード会社移籍を決めたのだ、とメンバーに説明。

 夜叉丸の態度などに不信感を抱きつつも一旦は事務所移籍を決めるメンバーたちは、夜叉丸に呼ばれてホテルの一室でしばらく過ごすことに。携帯を没収されるなど外部とは連絡が取れない状況になり、ドーム公演のリハーサルの日が迫る。夜叉丸は飛行機で事務所移籍の会見を行うこととドーム公演は中止となったこと、そしてつばさは重圧に耐えかねて逃げ出したのだとメンバーに告げる。

 そんな夜叉丸に北門は、ドーム公演で発表する新曲の歌詞を見せるが、

 「いくら作詞家に頼む時間がないからって、あなたたちにいきなり詞を書かせるなんて酷なことさせるわよねえ。でも今後はそんなことないから。ちゃんと優秀なスタッフであなたたちをサポートするわ」

 ……えー、多分話の意図としては、ここで作詞したのはつばさがさせたことではなく、つばさに支えられてメンバーが自分たちの意志で行ったことであり、そのことが見えてない上で「今後はスタッフがサポートする=アイドル達は夜叉丸の用意した舞台の下に縛られているだけ」と示したことで夜叉丸への離反を決意、だと思うのですが、「つばさが裏切った」について何も言わない(言おうともしない)メンバーたちにどうしても引っかかります(^^;

 彼らからしてみれば夜叉丸はアイドルとして育ての親も同然で、夜叉丸とつばさのどちらを取るのかという葛藤があるのは確かでしょうが、いかんせんつばさ個人とアイドルとの関わりに説得力が足りないせいで、つばさは善良なのは確かだけどメンバーがどうしてつばさを特別信じるのかがわからないという困った内容。

 直前、夜叉丸のいない場所でつばさのことを思い出しているのですが、夜叉丸との対決になると天秤に載せたときに軽すぎます。

 つばさは悪人じゃない&実際に危機に陥っても逃げたことがないので「つばさはここで逃げるような人じゃない」と、一人ぐらい叫ぶ(あるいは北門が止めるとかでもいいので、叫ぼうとする)人がいても何も問題はないと思うし、それぐらいやらないと夜叉丸への対抗と見るには弱いと思うのですが。

 で、夜叉丸が育ての親、ということを考えたときに気づいたのですが、つばさが父親(ガンダーラの社長?)のコネでA&Rに就任、是国と父の対立、増長と生き別れの母、愛染と彼を捨てた親(?)、実家が大企業の北門と、本作全体として示そうと考えたのはもしや親の呪縛からの脱却だったのか。

 そうなると本作の構造、コネとか無関係に自分自身を通したつばさの姿がBプロメンバー全体に漂う親のしがらみを取り払うきっかけになって、最終的にそれに囚われたままである育ての親・夜叉丸から離れて独り立ちしていく、というのが狙いだったのでしょうか。

 (飛行機で記者会見というのも「親が用意した機械仕立てかつ自分で動かせない羽根」と見れば、「つばさのおかげで自分たちに生まれた未来へ自由に飛べる羽根」と対になる象徴、と言える)

 ……なんか、そう考えたときにすごく金元寿子ヒロインらしいと自分の中で勝手に腑に落ちてしまったのですが、肝心のアイドルそれぞれの親や家族に纏わる呪縛が曖昧な描写ばかりだし、それを乗り越えるのにつばさが関わっていない話が多い(多分、つばさの力で家の呪縛を振り払ったのは愛染だけ)し、つばさはあまりに囚われなさ過ぎて親の存在が空気すぎだし、北門に至っては実家の財閥パワーを利用しまくっているので、本当にそこに向けてやる気があったのか、甚だ疑問です(^^;

 で、そんな中で完全に悪役・敵役として座ることになった夜叉丸の背景は、ざっくりいうと「つばさの父に自分の家族を殺された(というのがどういう経緯かは不明だが、流石に直接殺したわけではないはず)ので、自分が育て上げたアイドルたちをもってガンダーラをつぶし復讐を果たす」なのですけど、そこに至る話は全部口で説明されるだけな上にやっぱり曖昧、そしてつばさが親のことに無関係な生き方を貫きすぎているので、Bプロメンバーを利用したことに対する怒りしか飛ばせず、正面からの対立とか、寄り添う余地を考えたりとかしないでただ断絶するだけという、ひどい展開。

 前々回、夜叉丸を食事に誘った件とかもまるっきり拾われず、とにかくつばさと周辺人部との関係の説得力のなさが露呈しまくって、すごい惨状。

 Bプロメンバーが移籍を了承したことを聞きショックを受けるつばさはリハーサルが行われる予定だったドーム会場へ向かい、一方で飛行機の中のBプロメンバーが描写。もはや自分の力は届かないことを一人詫びるつばさだが、突然、動き出す舞台装置。

 えー……演出の人がこれは幻覚ではないと断言してしまったそうですが、この後、飛行機から離れていくメンバーを映し出すので、実際はアニメの順番通りではなく脱出したメンバーが駆けつけてリハーサルとステージをすべて成功させた、となると思われるものの、傷心のつばさと飛行機のメンバーを同時に書いてしまったせいで時系列がわかりづらくなったのは、単純によろしくないと思います(^^;

 そして、夜叉丸という育ての親から脱却した北門たちだが結局北門財閥のヘリに頼るというオチなので、まあ、うん……。

総括

 前回の記事でも述べましたが、本作最大の欠点はキャラクター個々の事情と性格を話に乗せられなかったことだと思います。

 登場人物のメイン格は(最終的にラスボスに設定された夜叉丸除き)全員善良といっていい性格なのですが、それをあまりに強く描きすぎる一方で個々の家庭の事情や過去の描写が上手く据えられず、結果として平均的に善良なだけとなってしまいました。

 人を気遣う格好いいセリフを述べたとしても、誰でも同じことを言いそうと思えるほどに人物の特性が乗らず、良い方向に描けばキャラが立たないことからBプロメンバーの個性は表面的な所作と欠点の描写にのみ絞られてしまい(故に欠点を描写されない北門が一番鬱陶しい存在と化したという、何か間違った感じにまで(^^;)、「アイドルを見せる作品」としてはかなり問題があったのではないかと。

 とりわけ問題なのは主人公であるつばさにまでそれを適用してしまっていることで、アイドル個人との絡みも全然なく、散々臭わせておきながら音の才能や親の存在やしがらみは本当に彼女の存在そのものに何も影響しておらず、ある意味無敵だけど話を動かすパワーはない善良な人で止まってしまい、主人公としての説得力がまるで出てきませんでした。

 最終盤の内容、どう考えてもつばさとアイドル個人との関係をもっとしっかりと描写した上でなければ成り立たないもので、第1~3話あたりまではそういう構想の上で作られた話のように感じられたのですが、第4話以降メンバーの問題はメンバー同士で解決して、つばさがそこに入らない話ばかり連続したのは失策と言うしかありません。

 メディアミックスありきの企画ものなので、アニメという媒体にしたときに要求されたのがアイドルを視聴者に知ってもらうことであり、そちらを優先せざるを得なかったという事情はありそうですが、アイドルの数が多すぎるために1クールで個々人の話を処理するのはやっぱり無理があり、曖昧な映像でほのめかすだけだったり逆にセリフだけで説明されてしまったりとした結果、既に述べたように全員が等しく善良だけどそれぞれ妙な欠点があるみたいな感じで、アイドルの描写まで深めきれずに失敗。

 またこの構造が、メンバーから夜叉丸に対する敬意が示されても、夜叉丸個人の想いや人間関係を深められないことにもなり、最終盤で悪になった夜叉丸にも説得力が生まれない、と全てにおいてダメダメ(^^;

 アイドル個々の背景描写を切り落としてつばさと夜叉丸を持ち上げるか、あるいは最終盤でつばさをメインにすることをあきらめて最後までアイドルだけの話を貫くかした方が作品全体としては多少プラスになったと思いますが、虻蜂取らず、といった感じになってしまいました。

 ……『ガンスト』『GATE』『逆転裁判』そして本作と、最近の私の中で『A-1=企画段階から何か間違っている上に労力ばかりかかるアニメに手を出して、案の定持て余してずっこける会社』みたいになってきてるのですが(^^;

 以上のような内容なので、特別このキャラが好き/嫌いというのが特に思いつかないのですが、あえて言うなら北門は一回ぐらい痛い目に遭っていいと思う(笑)

 北門の存在に最後までカウンターが入らないのは、欠点を描写するのが一番の個性化になっている本作では一番面白くないことになってしまってますし、何より彼の実家があまりにも万能に扱われ過ぎているので、最終盤で本作を貫く筋としてうっすら見えてきている(と私が思っているだけかもしれませんが)「親の呪縛」もズタズタになってしまっており、作品全体に面白い効果を何ももたらしていませんし。

 まあ、第1話で寝ているつばさに勝手にキスしており、『金元寿子キャラに無断でキスすると高確率で悲惨な目に遭う』ということを想うと、多分ドームコンサートの後に死にます(おい)

 話としては、結局これからどうなるのかと言う期待が少しでもあった(そしてつばさがきちんと主人公として動いていた)ということで、1話が一番面白かった、という……。

 

 そんなわけで、残念と言えば残念な出来の作品でしたが、正直言って最初から自分の趣味とは進んでいる次元が違う作品だと思っていたため、あんまりダメージは受けておりません(笑)

 まあ、最終的に澄空つばさはすごく金元寿子ヒロインっぽかったと思えただけで満足、ぐらいのところで。