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ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

『スマイルプリキュア!』を「過去にする」ために

 一度、小説版の感想記事を書きましたが、発売からそう時間がたっていないのでどこまでネタバレしていいのか配慮して書いたため、見返した時にどうもいまひとつ書きたい想いが現れてないような気がしてならず、色々引っかかったまま&胸に穴が開いた感じになってしまい、改めて色々書き殴ることにしました!

 放映当時の熱意と『プリンセスプリキュア』に見たスマイル魂と現行作品への不満と金元寿子と、兎に角色々ぶち込んで収拾つかないので、適当に流す感じで(^^;

 ※小説版の感想記事以上にネタバレを突っ込んでいます。

 こんなブログをやっていてなんですが、『プリキュア』シリーズに関しては『スイート』中盤から興味を持って見始め、初めて最初から最後まで視聴したのが『スマイル』で、『ドキドキ』以降は一応全作品を視聴、再放送で『フレッシュ』からを視聴、『5』以前はレンタルなどでちょこちょこ見てる程度で割と浅い経歴の人間です(^^;

 『スイート』がそこそこ楽しめつつも、20超えた男が見るには色々蚊帳の外な感じもあって、次の作品も見ようかどうかはちょっと悩みどころでしたが、

 シリーズ構成に米村正二

 キュアピースとして金元寿子が出演!

 ……見ない理由が思いつかなかった(笑)

 米村正二さんは、ライダーだとアイディアはともかく構成がアレな人、というイメージで、『ポケットモンスター』や『アンパンマン』などアニメだと良作を結構作ると評判だったので(『ポケモン』はかなり昔の知識だけでしたが、放映リスト確認したら割と好きなエピソードがちらほらとありました)、まあ期待していたわけで。

 金元さんは、前年『侵略!イカ娘』で有名になったところで、出身地が自分と同じ岡山県だったので応援しはじめたところだったのですが(同年はゲーム『フォトカノ』を購入したり、『ココロコネクト』の騒動を越えてファンを継続する意志を固めたり、『ガールズ&パンツァー』でカチューシャ登場を待ちわびてたり、色々あった年)、こんなに早くプリキュアに起用されるとは思わず。

 そんなわけで視聴した『スマイルプリキュア!』ですが、第1話でいきなり主人公の変身から敵の撃破、当面の目標設定などぐいぐい詰め込んで、プリキュアがそろったところで一旦世界観説明が行われると、毎回テーマを決めて違うエピソードが展開。

 連続したストーリー展開や伏線が希薄で、色々振り切れたコメディ描写に、前作『スイート』しか比較対象が無かった当時の私は「プリキュア」ってこんなのが通常なのだろうか、と感じながら見ていました(後から『フレッシュ』などを視聴して本作だけがおかしいのだと気が付く)。

 そんな内容ですが、テーマに対する各回ごとの姿勢は真摯で、演出も映像も基本的に綺麗で、連続性の希薄さから基本的にどの回だけを単独で見ても楽しめる、という構造で、思い出すのは「あ、ウルトラマンだ」ってことです!(笑)

 幼少期はメタルヒーローと戦隊しかリアルタイムで放映されているヒーロー番組が無かったのですが、ビデオで初代『ウルトラマン』を見ていた私には、こういう構造の作品が相性良かったのかもしれません。

 (どうでもいいけど、平成だと『マックス』が一番好きなシリーズです)

 キャラクターは好きだし、単品の内容も好きだしで、初めて(そして現状、唯一)設定資料集を購入し、劇場に足を運んで劇場版を視聴したぐらいにのめりこんだのですが、終盤になると雲行きが怪しく。

 1年間のシリーズで連続性を意図的に放棄している、というのは見えていて、それはインタビューでの監督の発言などからも見えていたのですが、まあそれでもちょこちょこ今後の展開の用意(キャンディやミラクルジュエルの謎など)はされていたのでどう着地するのかと思っていたところ、4クール目に入ってもずっといつも通りで「これまとまるん?」って不安がどんどん膨らむことに(^^;

 設定も説明なしにコロコロ変わっていたり(個人必殺技の連射がいつの間にか可能になっていたとか)、話を成立させるために意図的に無視されたり(れいかとの別れを持ち出されてふしぎ図書館に言及なし)と危うかったのですが、最終的に幹部の処理に物語の積み重ねが乗らずあっさり解決、ピエーロたちの願う「バッドエンド」も中盤で示された要素が生きてこないまま、ピエーロは怨念の集合体とセリフで説明された挙句、やはり唐突なキャンディとの別れの話を持ち出された上で倒される、と年間シリーズの最終回としては最低の出来と言っていい内容でした。

 まあ、この最終回については当時からずっと思っているのが、1年で終わることが織り込み済みなのにこれだから問題なのであり、2、3年続けた終わりの予定されてない作品の結末だったらそこまで問題じゃなかったのではないかと。……フォローになってませんが(^^;

 この辺、『プリキュア』シリーズは1年で代替わりが確実に決められているシリーズとされているのか、それとも続けられるものなら同じ作品で続けたいものなのか、も問題だと思います。

 多分、商業的事情と作品の硬直化の阻止などから前者が確定しているのでしょうけど、スタッフの『スマイル』への意識は後者だったんじゃないだろうかとは思うところでして。

 最終回のポップが「つらい決断をしなければならない時もある」ことを説明するのは、視聴者よりもスタッフが自分たちに向けたメッセージだったんじゃないだろうか。

 後の『Go!プリンセスプリキュア』では成長したはるかを描写するべきかプロデューサーたちが議論した末に「はるかとの別れを自分たちが惜しんでいる」と気づき、未来の姿を描く方針に至った、という話も、ここに通じるものがあるような。

 『ドキドキ』『ハピネスチャージ』と『スマイル』の逆張りをしようとして迷走し、その後の『プリンセスプリキュア』がテーマ的に『スマイル』をなぞることになり、現在の『魔法つかいプリキュア!』がストーリーとしてガタガタになった末に『スマイル』のようなオムニバス展開に至って……と考えると、作り手の中にももう一度『スマイル』をやりたいという意識が生まれているような気がしてなりません。

 と言っても、新しいプリキュアで『スマイル』をそのままなぞっても仕方がないわけですし、昨今はレンタルなどで過去作品を見るのもさして難しくはなく、全く同じものが出てくるぐらいなら『スマイル』を見るよなあ、となるわけでして(^^;

 そもそも『スマイルプリキュア!』は東日本大震災の翌年に作られたもので、この作風もそれを踏まえて設計されたものであり……えー、言ってしまえばモラトリアムじゃないですけど、存在そのものが「プリキュアの夏休み」と言えなくもないという微妙な立ち位置(けなしてませんよ?)でして、抱えているテーマの「努力」「夢」「笑顔」はともかく、これの作品設計を基準にこれからのシリーズを作ったらそれこそマズいと思います。

 と言っても、現状、今の作品にちょこちょこ影響は見えている気はする……と言うのも私が『スマイル』への思い入れが強く、そこから未だに脱却していないからなのかもしれません。

 なるべくなら比較はしないようにと思いつつも、シリーズ作品を他の作品と比較しながら見てしまうところはどうしても出てきてしまい、その比較対象に出した作品にも『スマイル』的価値観のバイアスをかけてしまってるのではないかと。

 

 そんな諸々を抱えながら、『プリンセスプリキュア』最終回は『スマイル』テーマに物語全体を通して真剣に向き合い、『プリンセスプリキュア』なりの答えを導いて完成させた作品として大満足、その後『まほプリ』が次々と粉々に砕いていく中、発表された『スマイルプリキュア!』小説版。

 なんと10年後の設定という話で、即座に『プリンセスプリキュア』を思い出す(笑)

 作者の小林雄次さんは本編の脚本にも参加。小説では『ウルトラマン妹』などを書いていますが、基本的にウルトラシリーズや『牙狼』などの特撮脚本がメインの方。

 正直、脚本の出来には波がある人だと思ってますし、小説の文章もあまりうまいと思えたことがなく、また発売前に放映されていた『ウルトラマンX』(共同シリーズ構成)が個人的にしっくりこなかったので、不安も強かったのですが、実際に読んでみたらすごい大打撃でした。

 感想記事では書かなかったのですが(思いつかなかったのか、ネタバレ配慮したら忘れたのか、覚えてません)、小説版を端的にまとめると「『スマイルプリキュア!』を過去にする作品」だったのだと思います。

 それは、昔の作品として記憶の彼方に封じ込めてしまうわけではなく、二度と思いださないように消し去ってしまうわけでもなくて、こういう話があったんだと一区切りをつけて前を向けるようにする、ということ。

 作品自体が「過去に起こった楽しい思い出や苦しい思い出を忘れ去ってしまった未来のみゆきたち」を題材に扱い、ジョーカーもしきりにそれを叫ぶことでプリキュア達に迫る、というものなのですが、感想記事で問題にした「やたらと設定や本編の展開を拾いすぎている」のも、そういう意図の上だったのか、というのは勘ぐりすぎでしょうか(笑)

 (思い出が過去になっていく、という要素はあかねの章でも、ブライアンの語りが過去形であることに反発する、という展開が入っているなど、改めて見直すと非常に細かい)

 過去の戦いを思い出し、未来も打破してきたことで最強のプリキュアとなったみゆきたちが改めて道を見つめ直し、勝利する。そして、物語を締めるのは絶望を越えたみゆきのタイムカプセルメッセージ。

 現在を必死で生きたみゆきたちが、未来のみゆきを救う過去になっていくという結末が本当に綺麗。

 正直、この最後のメッセージを読んだだけで「『スマイルプリキュア!』が好きでよかった」と、本気で思えました。

 『プリンセスプリキュア』と同じように、未来を描くことで現代のみゆきたちへの別れを告げる……ように見せかけて、現代のみゆきたちが過去に移っていくことで、未来が新しく開かれていく、というさらに一歩先まで踏み出したことが、素晴らしい。

 というわけで、もう本当に「『物語』としての『スマイルプリキュア!』」は完結してしまったのだなあって感じになって、ちょっと胸に穴が空いた気分に。

 多分、読まなければいつまでも自分の中で『スマイルプリキュア!』は終わらないでいたのですが、『スマイル』が示したものを考えるならどこかで終わらせる・脱却する必要があるわけで、本当に『スマイルプリキュア!』が好きだからこそ、この本は読まなくてはならなかったのだと思います。

 というわけで、結論としては

 自分は『スマイルプリキュア!』が大好き「でした」。

 ……本作に一番しっくりくる感想は、これではないかと。

 『スマイルプリキュア!』をテレビで見られたこと、その小説を以て完結させられたこと、両方とも素晴らしい経験でした。

 改めて、素晴らしい作品を送り出した梅澤プロデューサーや大塚監督、米村さん・小林さんをはじめとする脚本家のみなさん、参加した原画スタッフ・動画スタッフ・演出家の皆様に、感謝。

 以上、グダグダと長ったらしくなりましたが、小説版記事で書ききれなかったことは大体書いたと思うので、この辺で。

 

 

 

余談その1:

 ところで、エターナルフォームって名前はどこから着想したんだろうと考えたのですが、小林さんがシリーズ構成を勤める『美少女戦士セーラームーンcrystal』がもし4期以降も原作通りにやったら、新たに出てくる強化形態が「エターナルセーラームーン」なのですけど……まさか?

 

余談その2:

 小説版でやよいが「風船みたいな顔」(あかね談)と言われていたのを見て(あ、金元寿子のほっぺだな)とどーでもいいこと考えたが、そういえば『スマイルプリキュア!』放映当時の金元さんの年齢が24歳だったなとさらにどーでもいいことに繋がる。