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魔法つかいプリキュア! 第37話感想

魔法つかいプリキュア!』の感想。

 「朝日奈みらい」の対義語アトラ・ミクスタ(『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』)ではないかと思い始めた昨今。

 ……いつもの世迷言です(^^;

 

 またも校長先生が行方不明になったので速攻で魔法界に向かうプリキュア一同だが、校長先生はピーカンみかんの収穫のため常夏の島にいた。

 この人、前回行方不明になった時は二つの世界全土の危機という危険な状況に直面していたにもかかわらず、全く同じ失敗を平気で繰り返しているのは本当にただのダメな人でしかないと思うのですが。

 本作世界には「報告・連絡・相談」という概念が無いのか?!

 収穫したミカンは冷凍ミカンに加工されることになるが、その製法はひゃっこい島にいるアイスドラゴンにミカンを見せることで、温かいものへの憧れから溜息をつかせ、その溜息で凍らせるというものだった。

 本作の氷魔法は上級者でも難しい設定ではありますが、冷凍ミカンの製法がドラゴンにストレスを与えたら出る物質で作られるという、安定の魔法界倫理のド畜生っぷり。

 しかしミカンが熟してないのか溜息が出ず、なんとか溜息を出させようと色々なアイディアを繰り出すプリキュア一行。

 目的達成のため知恵を絞って色々試す過程は普通なら楽しめるコミカル展開なのですが、前提がド畜生のため全てうすら寒いだけという悪夢の展開(^^;

 繰り出す知恵も、必死のPRをしていたら自分で食べてしまって失敗のはーちゃんや、温泉に浸からせて溜息出させようというリコはまだしも、「溜息でなくても凍るなら疲れさせた時の吐息でいいじゃない」とルールの本旨を考えず屁理屈で越えようとする超ド外道のみらいは、流石の安定感です。

 実際のところ、疲れた時の息で凍ったミカンはとげとげしい氷になり、チクルンがそれを拾おうとしたら突き刺さったのか痛くて手放し、それが偶然やってきたベニーギョの口に入って「苦い」と言われることから完全に失敗なのですが、その失敗自体をみらいが感知しないので、そこに向き合い何らかの変化を見せるという部分が皆無であり、外道が外道のまま放置されてうやむやにされているという、ひどい内容。

 ベニーギョ襲来を知って急いで飛ぼうとするけど、しもやけのため箒を掴めないって展開になっても、全て自業自得でしかないので、むしろ放置しといた方が最高の薬だと思いますぞアイスドラゴンさん。

 ベニーギョの「苦い」評も、普通に話をつなげればみらいのアイディアが失敗だったって話なのですが、話の上でみらいの失敗が全然強調されないせいで、本当に失敗作だから苦いのか疑問が浮かぶところ。

 というか、

 ・ミカンの育ちが悪いと言及されているのだから、普通に苦いミカンの可能性がある

 ・ピーカンミカンの性質は不明だけど冷凍ミカン以外の料理が出てこないので、もしかしたらきちんと冷凍ミカンにしないと苦い品種なのかもしれない

 ・そもそも皮ごと食ったら苦くて当たり前じゃないのか(凍ったまま皮ごとかじる校長先生のそれは奇行の扱い)

 ・それ以前に、ベニーギョはデウスマスト眷属の人外なのだから、人間では甘いと思うものを苦いと感じても不思議ではない

 って感じで、設定があやふやすぎるため無尽蔵に説を考えることが可能なのですけど。

 ファンの楽しみ方として「考察する楽しみ」というのはありますが、そういうのは基本的にきちんと定まった設定の上で、それでもなお劇中での説明がされないポイントについてそれらの設定をつなげて埋めていくことで、視聴者が話の内容や人物の感情を理解できたということの達成感など、そういった快楽を得られることを指すのです。

 本作の場合、確定した材料が少なすぎるので、単なる丸投げでしかありませんし、つながったところで話の謎や人物の感情の変動を理解できるところに至らないために全然面白くならないというシロモノで、仮にこれを「考察の余地を残した」なんて言及する人がスタッフにいたら、とっとと追い出すべきだと思います。

 設定考察と言うと、本作の設定で私が思いついたものに「銀魔法はダイヤスタイルでしか使えない」があるのですけど、これを導き出したのは「その時点で2回しかない銀魔法使用エピソードは両方ダイヤだった」「他のスタイルで銀魔法を使ったエピソードが無い」という二つの事象を用いた帰納法によるのですが、両方とも状況証拠のため妄想の域を出てくれないという困ったものです(^^;

 ベニーギョに対して「冷凍ミカンの味を知らないチクルンに食べさせてあげたい」とまた適当な理由をこじつけて撃退するプリキュア達。

 そして最終的に、冷凍ミカンを作ることができたのはアイスドラゴンがはーちゃんに一目ぼれして恋の溜息をついたからという、何の感慨もないオチ。

 いや別に、アイスドラゴンがはーちゃんに恋をしてその結果冷凍ミカンを作ることに成功する、という結末にすること自体は一向に構わないのですが、お話が全然そこに向けて作られていないのが、ダメすぎます。

 そこに至るならアイスドラゴンがはーちゃんのひたむきさに温かみを感じて溜息をついた、とかそういう話に持っていくべきところ、惚れた理由はキュアフェリーチェに魔法で助けられたからだけでしかないので、そこだけしか話の内容が組み込まれていません(おまけにこのアイスドラゴン、ベニーギョ襲来で戦いに向かおうと必死のみらいを助けていたのにそのことに言及なし)。

 話の前提としては、アイスドラゴンに溜息をつかせようとして色々試してみたけどダメだったのは何が原因なのか? が据わっているので、例えばそれを解決する策を何か提示してこそ初めて達成感につながるのですけど、みらいやリコについてはそういう行動が何もされず、本人たちの意識の至らないところで勝手に解決してしまっています。

 いつも通りの話ではあるのですが、結果として今回はグダグダやった末に30分間の内容全部無駄でした、って話にしかなってません。

 年間シリーズとしての積み重ねは完全にぶち壊れているからもはやそこに期待しても仕方ないとは思っていますが、そのくせ一本の話の中でも発生している事柄に説得力を持たせる構成を全然しないのは、脚本のやる気と才能のどちらが無いのか。

 これがシリーズ構成脚本であるという事実が、一番目眩のする内容(^^;