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ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

魔法つかいプリキュア! 第42話感想

魔法つかいプリキュア!』の感想。

 アバンタイトルから、チクルンがオルーバにしたがっているのは妖精の里でのサボタージュを女王に知られたくなかったからということが判明。

 ……えー、今回「チクルンを赦して救済する話」としては問題だらけではありますが、そもそもチクルンが悪の勢力に従ったきっかけとなる部分が雑だとかショボいとか言う以前に一切同情できる余地を感じられないのは、何故なのか。

 せめてチクルンが21話以前のはーちゃんみたいに明らかに自らの意思を確立できない精神年齢で描写されているなら「そういうことだってあるよね」で済ませられますが、今までの会話からしてプリキュアやモフルンと同等に会話できるレベルの精神(最低限、善悪の判断が可能なレベル)が出来上がっているとしか思えず、しかもやっていることのレベルが第1話のリコ(補習がイヤだからマジックアイテムで楽してクリアしたい)と本質的に変わらないので、只管に印象が悪い。

 しかもチクルン、こういうサボりを今回の回想だけでなくリコの誕生会の後片付けなどでも見せているので、恒常的・継続的問題にしか見えないのですが。

 報告に行こうとするチクルンはモフルンに見つかり、蜂蜜探しとごまかして連れていってからオルーバに呼ばれる。前回拾った本で色々考えているオルーバだが、もはや待っていられないというシャーキンス。チクルンはリンクルストーンを奪って変身能力を無くせば倒す必要はないのだから命は見逃してくれと懇願。

 こいつらの目的は「世界の征服」じゃなくて「混沌で覆う」と「デウスマストを迎えるための地上破壊工作」で、前々回のシャーキンスの説明映像を見ても実質的に全生命の破滅を狙っている以上「何かと引き換えに命だけ助けてもらう」とか言っても取引材料にならないのですが(^^;

 隙を見てリンクルストーンを奪おうとするチクルンだが、みらいたちはそんなチクルンに集めてきた蜂蜜でプリンを作ろうと考えていた。

 魔法調理実習、という話なのですが、プリン自体はナシマホウ界の料理(劇中でもそう説明)、使っている材料はその「代用品」で魔法界のもの、卵の殻を割ったりオーブンを開けるなどの道具を使わないことをわざわざ魔法でやる、断片的な描写しかしないので結局プリンを作る過程の全体像が見えないと、本作における「魔法という存在」「ナシマホウ界との違い」「努力の意味」「過程を積み重ねる意義」といった要素の混乱っぷりを端的に示す一幕。

 ジュンが殻を割るのを失敗して「加減が難しい」とか言い出しても、なんで魔法で割る必要があるのかは全く説明されません(仮に「ナシマホウ界の卵と違って頑丈なので、魔法でないと割れない」でもいい)から、見ていても「手で割れ」としか思えないのですが。

 オーブンも元野生動物を改良したもの、とかそれぐらいの意味づけが必要なのですけど、これまでにそういう意図で動いていたと明確に描写されているのはホウキと絨毯だけで、はたして魔法界の物品は何に命が宿っていて何に宿っていないのか。

 キュアップ・ラパパ!」で頼まないと開けてもらえないオーブンって、ムチャクチャ不便だと思いますけど。

 チクルンはリンクルストーンスマホンの入った巾着を盗み出し、シャーキンスに届ける。みらいたちはそれを追いかけてやってくるが、シャーキンスはチクルンとの約束を予想通り反故にすると巨大化して巾着を飲み込む。

 それを取り返そうととびかかるチクルンですが、飛んでくるチクルンに対してシャーキンスが口を開けて待ち構えているとしか思えない間抜け映像で、凄く雑(^^;

 ベニーギョは飛んできた冷凍ミカンを飲み込んでしまいましたが、ムホー使いのみなさんは目の前に飛んできたものがあると口を開けてしまう習性でもあるんでしょうか?

 チクルンが取り返してきたトパーズとスマホンで変身するプリキュアだが、巨大シャーキンスに踏みつぶされそうになる。

 「そんな裏切り者のために愚かな者どもよ」

 「それは違う! チクルンは私達の大事な友達!」

 「必死に助けてくれたチクルンを、私達は信じる!」

 「だからチクルンをいじめるのは、絶対に許さない!」

 ……うん、まあ、ここまで見てきたので大体わかってますが、それにしても最低最悪の選択肢をきっちり選んで行けるのは、もはやある種の才能なのではないだろうか。

 これまで闇魔法使いを力技で叩き潰し、伝説や大いなる災いへの対抗のために道を誤ったドクロクシーを「どうでもいいからはーちゃんを返せ」で殺害(そのことに対するフォローはない)し、そのついでにヤモーも尻尾を残して消滅させ(ラブーが再生したのは結果論)、ラブーも虹の彼方へ吹き飛ばしてきたプリキュア達が、チクルンを許す理由が「友達だから」とかシャレになりません。

 何分、チクルンに纏わる色々な事情を勘案してそれでも「許す」のではなく、「事情はよく知らないけどもう友達だから」なので、プリキュア達が自分たちの世界を広げていったのではなくプリキュア+モフルンの世界の中にチクルンも入れて上げるよってだけで、実に傲慢で自己中心的。

 えー……結局、プリキュアたちの許す・許さないの基準は「自分達のコミュニティに入ることを認められるかどうか」でいいんでしょうか……?

 「ワクワク」を主題にしているくせにあまりにも閉鎖的なプリキュアの問題点が、またも作品に致命傷を負わせにかかります。

 その時、トパーズが輝き始める!

 「トパーズはワクワクのリンクルストーン。つまり、友達と解りあえたワクワクが、トパーズのパワーをよりワクワクさせたのです!」

 「それってとーっても(ピコハン取り出す)……ワクワクもん(振り被る)……だぁー!(殴る)」

 いざここで文字にして書いてみると赤ペンでビッシリ書き込みたくなるような台詞が連発しているのですが、作ってる側は格好いいつもりだったのでしょうか、これ(^^;

 ゲシュタルト崩壊しそうなほどの「ワクワク」を連呼、しかしセリフ自体は抽象的で意味不明、そしてそれをさらに一応の決め台詞と無理矢理つなげてしまうと格好悪さのトリプル役満みたいな内容なのですが。

 しかも「友達と解りあえた」とか言いますが、既に述べたようにチクルンの事情は一切考慮していない(何故従っていたかもそうだけど、プリキュアが見てないところでサボっているなどの見えてない悪事もある)ため、全然説得力ありません。

 何? 結局本作は1年を通じて、

 「バレなければどんな悪事を働いたっていいんだよ」

 とでも、言いたいのですか??

 シャーキンスは結局虹の彼方に弾き飛ばされ、飛んでくる巾着。……完全に消滅した描写なのですが、友達じゃなかったらこの扱い。

 つまるところ、本作が描いている世界観って「神に選ばれた人間しか赦されない世界」だよなあ、とつくづく思わされます。

 その後、チクルンは事情を話し、女王様にはモフルンたちが一緒に謝る(そういうことをプリキュアに言わせないのは、本当なんなのか)ことで決着し、友情の印であるプリンを食べるとアメジストがミトメールでかのどこでもドアを出す。

 「扉のリンクルストーン」の設定、未だに意味がわかりません(^^; リンクルストーンは全体として象徴しているものがバラバラですが、「扉」だけ人工の構造物なので明らかに趣が違うように感じられるのですけど。

 「心の扉」とか「新しい世界への扉」みたいに慣用表現や概念としての「扉」はありますが、まさに実態のある扉という物から生まれて実態のある扉を産み出しているので、明らかに意図しているのは「三次元空間を間仕切る怪獣 トビラ」(筒井康隆『天狗の落とし文』より)ですし。

 こうして、妖精の里へと向かうところで、続く。

 まあ、期待はもうとっくに放り捨てて見ている作品ですが、とにかく「神と神に選ばれた人間が気まぐれに人の命を好き勝手している」としか言いようがない構図は、本当に気持ち悪い。