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ぼんやりと特撮・アニメなど

特撮やアニメの感想を適当に投げるブログ つぶやき → https://twitter.com/wayohmugen 某mugen製作 →https://onedrive.live.com/?id=3AB66F1D6B2F66E4%21139&cid=3AB66F1D6B2F66E4

激走戦隊カーレンジャー第47話感想

激走戦隊カーレンジャー』の感想。

 変身が解けてしまったカーレンジャーはペガサスまで撤退するが、ボーゾックに追い付かれ、そのまま基地まで攻め込まれてしまう。基地は時限爆弾によって、ペガサスごと吹き飛ばされてしまい、そこに駆けつける市太郎とシグナルマン。

 「本官の……本官の許可なく力尽きてはいかん!」

 ずっとギャグとして扱ってきた「本官の許可なく」が、格好いい台詞に。

 そしてバリバリアンに戻ってきたガイナモたちだが、内部はゴミ捨て場に変貌していた。

 ボーゾックは用済みのゴミだと言うエグゾスは、バリバリアンに持ち込んだゴミに火をつける。

 「運び込まれたゴミのおかげで、すごいよく燃えちゃうぞ!」

 燃えるゴミは月・水・金

 「ゴミの再利用をしてやる。このままチーキュに突っ込み、燃え上がる炎のエネルギーでチーキュを花火にしてこい!」

 大ボスが今まで利用してきた部下を切り捨て、その命を捨て駒にして目的を達成しようという、残虐非道な展開! ……のはずなのに、内容がシュールすぎてどういうテンションで見ればいいのかわかりません(^^;

 割とこの展開は茶化したらまずいタイプの気がするのですが、こーいうことになるから、浦沢師匠は優れた作家だと思いつつも、手放しで好きと言いにくい(笑)

 ペガサス跡地を探し続ける市太郎とシグナルマン、もはやカーレンジャーの命は……と思った先に、地下室の扉が開いて、VRVマスターとともに現れる一同!

 「正義は、よく助かるものだ」

 地下室はVRVマスターがこんなこともあろうかとダップ冬眠中に勝手に作ったもの……って、この親にしてこの子ありか(笑)

 事情を話すVRVマスターだが、空に墜落してくるバリバリアン。しかし、クルマジックパワーを失ったカーレンジャーたちは、完全に弱気となって戦意を喪失していた。

 「……勇気を失った者に、戦う資格はない! チーキュは、本官が守ってみせる!」

 劇中ではしばしばマヌケ扱いなのですが、普通に強いしヒーローとしての意識も一級品のシグナルマン、単独でバリバリアン阻止に。

 「警察官」という設定上、本作の中で一番「ヒーロー(=公的な正義の執行者)」と「個人の意識と夢」が近しいところにいるシグナルマンが、最後までその両者に忠実な人間であろうとするのは、素直に格好いいシーン。

 かろうじて消火に成功するも、バリバリアンを制御できず脱出するガイナモたち。シグナルマンはサイレンダーをフル出力で阻止しようとするが、とても押し返すことはできず、制御不能になって振り落とされてしまう。しかし墜落したバリバリアンは地球の破壊には至らず、降りてきたボーゾックと戦うシグナルマン。

 そのころ、沈んでいる恭介たちを見つめる市太郎は、カーレンジャーを描いた絵を取り出す。

 「カーレンジャーはもういない。でも、僕の心に今もカーレンジャーは生きている!」

 それを聞いた恭介たちは、これまでの戦いを思い返し、「心にカーレンジャー」という言葉を反芻する。

 本作のヒーローは「個人の意識や願望とは離れたところにある、公の正義や使命に従って戦う者たち」という点で一貫しているのですが、ではその「正義」を選ぶことができるのは、何なのか?

 「……そうだ。俺たちはカーレンジャーに変身できなくても、心はカーレンジャーなんだ!」

 彼らは確かに力を得た「選ばれた人間」であるが、あくまで「何かの縁」で偶然に選ばれただけで、それだけでカーレンジャーになったのではなく、心がその正義の使命を全うすることを選んだからカーレンジャーだったのだ、として、個人の意識と公の使命とのすり合わせを行うことに。

 このポイントは第1話で、彼らはダップに無理矢理ロープで引きずられてきたから変身したのではなく、ダップの死(んだふり)に悲しみ、それを見て正義の使命に従うことを選んだから変身した、という形で最初から現れていたものであり、ここにきてそれを改めて見つめ直すことで綺麗にまとめてきました。

 そしてそれは、自分だけの夢を抱いていようと、給料の安い一般市民だろうと、時々仕事をサボったり恋愛に奥手だったりのようなダメなところがあっても、どんな人間でも「心はカーレンジャー」になれるのだ、という熱いメッセージでもある。

 色々ぶっとんだギャグを放り込んでくる本作ですが、最終回目前にしてここだけは絶対に茶化さないのは、本当に良かった。

 「『心はカーレンジャー』を信じるだっぷ!」

 文章だけだとギャグになりかねないこのセリフも、劇中の人間は兎に角真剣であるため、普通に熱い台詞に。

 流石に大勢を相手に苦戦するシグナルマンに、駆けつけた恭介達。

 「俺たちは、カーレンジャーには変身できないけどな……」

 「「「「「戦う交通安全! 激走戦隊! 心はカーレンジャー!!」」」」」

 挿入歌が流れ出し、たじろぐボーゾックと、セリフのシュールさを押し流す勢いの演出。

 心はカーレンジャーは、シグナルマンを押しのけつつ戦闘し、連携でそれなりの打撃を与えたりもするが、しかし肉体の力の差は埋めがたく、徐々に追い詰められていく……。

 そこに、天からの光がボーゾックの攻撃を遮り、現れたのはゾンネット!

 「あなた方は、戦う相手を間違えています」

 と丁寧な口調で話したかと思えば、いきなり以前の口調に戻って両者の共通の敵はエグゾスなんだから協力しろと叱り飛ばすゾンネット(笑)

 「えー、心はカーレンジャーのみなさん、およびシグナルマンさん、突然のことでオドロキでしょうが、今日から君たちとはお友達です!」

 おい(笑)

 「カーレンジャー! 気持ちはわかるけど、ボーゾックと手を組んでエグゾスを倒して!」

 まあ、ボーゾックも(エグゾスが背景にいるといえど)星を滅ぼす悪事を働いてきた連中なので、ここでいきなりカーレンジャーが「許す」とか言えないわけなのですが、ボーゾックを離れて正義の道を選んだゾンネットの説得があると、難しくなるところで、

 「ね、お願い!」

 恭介の頬にキスをするゾンネット。

 「うおー! よっしゃー!」

 「ちょ、待て待てー!」

 「皆で協力して、エグゾスを倒すんだー!」

 おーい(笑)

 まあ、あくまで「今は協力する」であって「許す」まで踏み込んではいませんし、「誰かの願いを受けて立ち上がる」は「公の正義に従う」の一環ではあるのですけど、意図的に恭介個人の色欲とまぜこぜにして曖昧に描いてしまうことでひどい展開に(^^;

 実がツッコミを入れているのでギャグとしてバランスを保っていますが、本作のヒーロー観のネガの部分――公の正義に従っていれば、そこに乗る過程は問題ではないのではないか、という部分をさらりと描いていて、こういうこと平然とやるから浦沢師匠は恐ろしい(笑)

 エグゾスにバリバリアンで突撃することを提案する恭介に、自分がその役割を担おうとするガイナモだが、恭介はまさかの顔面パンチでガイナモを倒し、クルマジックパワーを取り戻すのはカーレンジャーの使命であると告げて、5人で乗って飛んでいく。

 恭介はセリフなどで無闇に「○○がすごい」と言われることはほぼないものの、ここぞという時は常に積極性のある人物として通されたことで「心はカーレンジャー」の説得力をより強くし、リーダーとしても魅力的な人物として収まりました。

 ボーゾックを特攻させることに失敗したエグゾスは自らの手で地球を花火にしようと迫っており、それに向かっていくカーレンジャー……次回、ついに最終回!