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鉄血のオルフェンズ 35話感想

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の感想。

 マクギリスと鉄華団が手を組み始めた一方、テイワズのジャスレイは鉄華団を野放しにできないと暗躍し始め、そちらはラスタルとつながることに。

 火星で発掘されたモビルワーカーらしきものは、マクギリスによると厄祭戦で数億の命を奪った禁断兵器・モビルアーマーだという。マクギリスはモビルアーマーを確認するため火星に向かうが、ジャスレイを通じてラスタル陣営にもその情報が届くことに。

 モビルアーマーの知識を持たないイオク様のポンコツっぷりを描くものの、ここまで視聴者にもその設定は開示されていなかった(厄祭戦エイハブリアクターとハーフメタル資源をめぐる争いという説明だったはず)ため、微妙に視聴者とイオクの認識は重なっていることになっているのですが、だからと言ってイオク様に親近感が湧くわけでもないのが不思議(笑)

 「仮にそうだとすれば、ファリド公の狙いは七星勲章。厄祭戦モビルアーマーを倒した勇者にだけ与えられる、最高の称号」

 というヴィダールの推理なのですが、正直この時点でマクギリスがそういう古い体制を利用した変革を視野に入れているとは想像しがたい(ヴィダールのことも考えると、なおさら)のと、モビルアーマーが説明通りの兵器ならリスクが高すぎるのではないかという疑念とが浮かび、裏がありそうな気配。

 逆に言うと、それぐらいしかモビルアーマーを狙う特別な意味や理由になりそうなことはない、ということにもなりそうですが。

 モビルアーマーの付属パーツをテイワズ整備工のおっさんが弄っている中、鉄華団では給料日。

 「仕事」を題材にする以上、重要なことではありますが、考えたら今まで描かれてなかったなあ。

 給料の使い道色々で騒ぐ面々を置いて、三日月とアトラ(と無理矢理ついてきたハッシュ)はクーデリアの下へ。三日月の給料はクーデリアが管理しており、使い道が思いつかないからとほとんど手を付けずにいるのだという。

 クーデリアの会社ではフミタンの名前を冠した小学校の経営も行っているという話で、その中は給食が出たりと福利厚生も充実。

 「給食が出れば、食べるために働かざるをえない子供達を減らすことができますからねぇ。あなた達みたいに食べるために兵隊になるような子を

 秘書のおばさんはそう言ってますが、三日月が兵士(殺人)を仕事にしているのは必ずしも給料を得て食べるためではないわけで、一見善意に見せかけているものの結構一方的な「大人の言い分」という雰囲気が滲み出ています。

 ここで三日月が非常に興味なさそうに火星椰子を「食べている」のが印象的。

 この秘書、三日月たちが金を使わないのを(三日月たちが去った後に)「学が無いので使い道がわからないから」とこれまた一方的に決めつけており、ここ数回出てきた「学があれば選択肢が生まれてくる」というテーゼに対する微妙な誤解を抱いている人物として描かれているのですが、本当に本作、いっけん善良な人ほど微妙にどっかずれてるなあ(^^;

 三日月、経済活動を理解できてないわけではない(クーデリアに対して農場でとれるトウモロコシが如何に安価で買いたたかれて農家は苦しいものであるのか、それを教えたのはまぎれもなく三日月)し、「金がある分にはいざというとき困らない」というのは、それもまた「選択肢を増やす行為」であることに違いないわけですし。

 そして、「戦争をなくせる」という言葉について「そうなったら俺、何して働けばいいんだろう」と返す三日月。

 ……正直、私はメリビットとおやっさんが付き合っていることとかよりも、このセリフが一番衝撃だったのですが(^^;

 今まで私は、三日月が「将来就きたい職業」は農園経営者で、いずれ鉄華団は退職してそちらに進んでいくことを視野に入れているor鉄華団の事業にそれが取り込まれていく、という未来を想定しているのだと思っていたのですが、

 なんと三日月、「農場の経営」は「職業」と認識していなかった!!

 それも「食っていけば」ではなく「働けば」なので、確実に経済面の問題ではなく、「仕事」というものの扱いに悩んでいる!

 ちょっと、今までの考察や解釈も色々考え直さないといけません(^^;

 仮にこれが「職業」として兵士の仕事と同じラインに並ぶものであるならば、三日月の「やりたいこと」と「他人が自分に望んでいること」との擦り合わせというか、二つの人生は選べないのだからどちらを選ぶのか? という点に大きな問題が生じてきますが、そうでないなら全く話が違ってきます。

 そりゃあ、「他者が自分に望んでいる兵士稼業(仕事)」と「自分がやりたいというだけの農場経営(趣味)」とを並べたら、三日月の脳内では「両方やろう」でも何も矛盾しないわけだ(笑)

 で、文字の勉強も「それを自分に望んだ誰かのため」ではなく「これからの自分のため」とかいう扱いでさせられたら、「それ以外はいい」でスッパリ切り捨てちゃう、と。

 なんとなく、色々と腑に落ちました(笑)

 もちろん実際のところ、「農園を経営する三日月」を望んでいる人々はいる(桜やアトラやクーデリアみたいな身近な人だけでなく、作られた作物を食べて生きる人や燃料にする人も当然出てくる)わけで、だから三日月が「農場経営は自分がやりたいだけなので、それでは働いているといえない」と考えてしまうのは、あまりにも周辺とのかかわりを無碍にしすぎで、全面的に肯定される話ではありません。

 また「誰かから望まれていることを実現する」ことが仕事であると言っても、その「誰かから望まれること」(承認欲求)に自分の在り方を完全に置いてしまうこともまた危険な話でありますし。

 果たして三日月はどこに「自分自身」を見つけ出し、何のために生きようとするのか? その生き方は誰に望まれているのか、誰に否定する権利があるのか?

 このアニメの中で明示的に決着が出るかはわかりませんが、形がちょっと変わったうえで引き続き気になる要素。

 後日、マクギリスのモビルアーマー視察に、護衛としてつくことになる三日月。

 マクギリスによれば、モビルアーマーは高度な電子頭脳を有していて、それによって自ら人間を識別して抹殺するという、恐ろしい性能を有しているとの話。

 ここにきて、意識に準ずるものを有した機械、という概念が放り込まれることに。

 三日月がバルバトスと会話するなど、機械にもそういうものが作られていておかしくない世界観でありましたが、三日月の死生観(死ねば死んだ奴らにはあちらで会える、というプロテスタント浄土真宗の死生観の亜種あるいは折衷、といったところ)や「阿頼耶識」という唯識論前提の設定を基本としてきた本作で、まさに対抗する唯物論の極致ともいえる存在が現れたわけで、なかなかインパクトの強い設定。

 同時に、戦後のギャラルホルンが機械と人間の融合を禁忌として扱ってきた理由などが補強されることになり、面白い展開に。

 現地についたマクギリスだが、そこにイオク登場。

 「七星勲章? ……なるほど、そんな誤解をしていたのか」

 なんとなくそんな気はしてましたが、マクギリスが七星勲章に興味を示してないとなるとヴィダールの動きとの兼ね合いが気になるところで、ヴィダールの推理が何かの策謀だったのか、マクギリスは他に何をたくらむのか、色々な要素は次回以降に持ち越し。

 そのころ、テイワズ整備工が起動させた付属オプションにより、整備チームは大混乱。その情報は火星の鉄華団本部に入るが、現地には通信が到達せず。そこにイオクが乗り込んだことで、エイハブウェーブを感じ取ったモビルアーマーはついに動き出してしまう――!

 見えてないはずの右目も含めて、モビルアーマーが打ち出した美しい色のビームを見上げる三日月など、三日月がモビルアーマーに並ならぬ感情を抱く様子も示唆され、色々と波乱の中で次回に続く。