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コンドールマン 1・2話感想

コンドールマン』の感想。

 「どこの どこの どこの誰から頼まれた」「命を賭ける価値もない それほど汚れた日本の 人の心が生み出した」……って、ずいぶんパンチの効いたOP歌詞だなあ(^^;

 「正義を助ける」「正義のシンボル」という言い回しは、実に川内康範、って感じがします。

1話

 地球は人間によって汚されている。その汚れから生まれ出たモンスター一族はニューヨークに集結し、人類征服をたくらんでいた。

 と、敵の設定は70年代半ばと言う世相もあってか環境問題テーマを孕んだ、人間の生み出した怪物ということに。

 三つの顔を持つキングモンスターを筆頭に個性的な面々がそろうのですが、デザインの傾向は『仮面ライダー』的な怪奇路線ではなく戦隊的なコミカル風の感じ。そしてニューヨークの摩天楼ゆえか、会議室が悪の組織の本拠地とは信じがたいほど明るいというのも、結構新鮮な構図。

 一方アメリカのネバダ州、日本人の青年・三矢一心は、タバ老人を伴ってここの死の谷と呼ばれる場所に来ていた。一心は平和活動グループとして国連事務次長を日本の会議に招いたが、そこで事務次長が暗殺されてしまい、その本拠地がここにあると知ってやってきたのだ。

 平和活動家の割に「地の果てまで追い詰めてやる」と、結構過激な一心。

 そしてこの流れで、タバ老人がどういう存在なのか一切の説明がないまま何故かいる状態なのですが、どういうことなのだろう(^^;

 死の谷に来た一心だが、そこに爆弾を積んだ飛行機が飛来。中に乗るのはモンスター一族のサドラー(演じるのは『スパイダーマン』のガリアや宇宙刑事シリーズのコム長官でおなじみ西沢利明さん)。なんと暗殺計画はモンスター一族の策略であり、今ここで新型爆弾の実験もかねて暗殺者もろとも一心を抹殺しようとしていた!

 放たれた爆弾、何なのかは言及されないですが映像的には完全に核弾頭で、攻めるなあ(^^;

 しかしどういうわけか無事だった一心とタバ老人、そこに卵を抱えた謎の生物を発見。それはムウ帝国の守り神とされた幻の怪鳥ドラゴンコンドルだった。

 ナレーションが「怪鳥」呼ばわりしているのでそういうことなんだろうとせざるを得ないのですが、どうにもこの見た目だと

「羽毛が無く牙がある。あんな鳥はいません!」(『ガメラ 大怪獣空中決戦』)

  を思い出して仕方がないのですが(笑)

 しかし一心たちが生きていることに気づいたサドラーは、卵を抱えて逃げる一心を機関銃で狙い撃って殺害する。タバ老人は悲しむが、卵からは金色のドラゴンコンドルが生まれ、語りかけてくる親ドラゴンコンドル。

 「タバよ。私は彼の心に報いるためにも、彼の母なる国日本と、日本人の力になりたい!」

 一人の人間の心から一つの国と国民を守りたいと宣言する守り神

 タバ老人はそれを聞き入れ、一心の遺骨を使って呪術を行い、超人コンドールマンを生み出すのであった!

 ……なんかもう、色々突き抜けすぎていてほとんど電波の領域なんですが(^^;

 自らを犠牲にしても命と平和を守ろうとしたものを、超常的存在が命を与えてヒーローとする、というのは『帰ってきたウルトラマン』はじめヒーロー番組の或る種定番プロットになっていますが、一心の願う「平和」が未だ「世界全体の広がり」ではなく「日本という国とそれ以外の世界との関係」で納まっているために、一心に報いる=日本のために、と転換してしまう超常存在とかツッコミどころ満載すぎる。

 かくして、怪しげな鳥羽を頭につけた胡散臭すぎる覆面マント・コンドールマンが誕生。そのころモンスター一族は5億もの人間を餓えに苦しませていると表明し、アジアの重要拠点として日本を狙って作戦開始。

 「ハンガー作戦の第一段階として、サタンガメツクが買占めを行っております!」

 「日本人は欲の塊だ。じっくりと餓えに苦しませ、骨と皮ばかりにしてやるのだな」

 そして、日本ではサタンガメツク率いる企業・金満商事が砂糖や菓子類の買い占めを行っており、一心の父が経営する食料品店も困っていた。

 ハンガー作戦の第一段階とすることで大規模な動きをしないでも納得の範疇だし、また「日本人は欲の塊」というセリフを始め数々のセリフで実際の餓えではなく精神的・心理的な餓え(欲望)を掻き立てる目的、ということが暗に示されることで、米や肉などの重要な栄養源をいきなり狙うのではなく菓子類などの嗜好品を狙うことも納得できるようになっている……と、地味でコミカルに見せかけて案外と筋の通った作戦を繰り出しているのが、なんか悔しい(笑)

 狙いどころが嗜好品なのは、劇中のセリフから察するに視聴者である児童向けのわかりやすさ優先だと思いますが(酒やタバコを買い占めないのはそのためだと思われるので)、実際の栄養価よりもそういう嗜好品を求めてしまう精神というのはどこか、終戦直後の闇市や米兵にお菓子をもらう子供たちみたいなイメージが重なって見え、作り手の意識が出てきているのかなと思うところ。

 一心の父・源太郎と食料品店店員で一心の弟分である岩田石松は、この現状を憂い、一心の志を受け継いで真相究明に走る。その結果、金満商事倉庫で買い占められた砂糖と菓子類という物的証拠を押さえることに成功したが、サドラーに見つかり捕まってしまう。

 線路に磔にして、貨物列車でひき殺す処刑を「経営難に苦しむ小売店店主の自殺」という「よくある事件」に見せかける、という割と渋い処刑法チョイス。

  だがそこに羽根付きナイフが飛んで線路の切り替えスイッチを動かし、貨物列車は逸れることに。現れたコンドールマンは、サドラー率いる戦闘員と対決する。

 背景の合成は案外しっかりしており、サドラーの酸で溶ける戦闘員はいかにも70年代って感じで当時の特撮としては決してレベルが低くないのですが、鎖付きの腕を繰り出すサドラーは腕の付け根が外れかかっていかにも鎖を手で持っているのが丸わかりで、ちょっと残念(サドラーの着ぐるみの構造的にも、ここを違和感なく収めるのは難しそうな気もしますが)。

 サドラーはコンドールハリケーンで倒されたが、新たな敵バーベQの火炎攻撃が迫る!

2話

 どうにも、ほわほわした曲調のOP主題歌アレンジの曲とコミカルな怪人デザインと明るいモンスター一族会議室のせいか、ナレーションはシリアスに話しているのに妙に和やかな雰囲気に(笑)

 そして何故か、アイキャッチ部分のタイトルに「正義のシンボル」が加わった。

 バーベQの攻撃を躱したコンドールマン。逃げ帰った源次郎や石松は改めて倉庫の調査に向かうが、既に金満商事は物品を引き上げており、さらに調査に来ることを見越して時限爆弾を仕掛けていた!

 コンドールマンが到着して二人を車で助けた後、街中でド派手に爆発する倉庫。

 この顛末をどう処理したのか不明ですが、搦め手の作戦を狙う割に意外と強引な手法が多いぞモンスター一族(^^;

 源次郎到着場面を早回しにして、アメフトのプロテクター装備な石松や爆弾で慌てる源次郎達など、この辺りもコミカル演出のため、ド派手な爆発がむしろギャグっぽく見えます(笑)

 金満商事は今度は肉や魚などの蛋白源の買い占めに着手し、街中のレストランや精肉店から肉が消える中、一心の姉・陽子は街中で一心を発見。しかし家でそれを話しても自分が遺骨を確認したのだから、そんなはずはないと突っぱねる源次郎。

 この骨を拾った関連の話とか、生きていることを信じ続ける姉とか、なんだかあちこち戦時中~終戦直後の戦死者や帰還兵関係のイメージと重なって見えるのですが、原作の川内さんの意識が滲み出たのでしょうか。

 しかし、普通に死体を確認した一家と、前回骨の一部を火に放り込んだタバ老人との兼ね合いが、謎なことに(^^;

 まあそもそも、ムウ大陸の末裔の呪術師という胡散臭さ120%な存在としか言えないタバ老人が、何の説明もなく日本の平和活動家と面識あってアメリカのテロリスト基地がある砂漠の案内人勤めているって状況の時点で、もう何からツッコめばいいのかわからないんですが。

 三矢家は誰一人としてタバ老人のことに触れてないし、あの新型爆弾を回避する方法がどう見ても無いのに何故か一心とタバ老は無事だったのとか、そこに都合よくタバ老の先祖の守り神であるドラゴンコンドルがいたこととか、実はタバ老は一心を導いた精神体的な存在であり、タバ老が見えていたのはドラゴンコンドルと一心だけで、一心の死亡とコンドールマン誕生は全てその計画通りだったのではという疑惑が浮上してまいりました(笑)

 あ、でも前回のサドラーは「あいつら」と言っているし、うーん……知らん。

 そしてモンスター一族を探るコンドールマンだが、石松と陽子の娘・まことに一心ではないかと詰め寄られ、人間社会に紛れ込むバーベQを逃がしてしまう。しかしまことはすぐに一心ではないと否定。

 人間社会で調査するために一心の姿を借りてこそいるし、正義に従う心自体は一心から受け継いだものだが、しかし「一心としての記憶と感情」を持たない「コンドールマン」なのである、としてバッサリと人間性を切り捨てるという、強烈な設定。

 とはいえこれも何かの縁(これも『月光仮面』などを思えば、実に川内さんらしい部分と言えるでしょうか)、ということで三矢家との交流をすることになるコンドールマン

 その後源次郎たちはさらなる調査を重ね、肉の買い占めは金満商事によることを突き止めるが、バーベQはサタンガメツクの指示により白昼堂々と三矢家を陥れ、コンドールマンを誘き寄せて倒そうと考える。

 バーベQの率いる民衆は、バーベQに三矢食料品店こそ買い占めの元凶だと吹き込まれて、角材などを持って突撃。

 アグレッシブ確信犯市民の出動である。

 世界よ、これが70年代の日本特撮だ!

 (※「アグレッシブ確信犯市民」は、特にこの年代のドラマに多くみられる「犯罪者であると認定した者に対しては警察などの法手続きを踏まえず、武器を持っての暴力で叩きのめす(リンチする)ことにより解決しようとする市民の描写」に、筆者が勝手に名付けたものです)

 ……と思ったら、殴りこんだのは全員戦闘員の変装でした。

 コンドールマンの介入により正体を暴かれたバーベQたちは、戦闘に入るが、倒されて豚の丸焼き化。

 今回、コンドールマンは名前付き必殺技で倒さないのですが、割とそこにはこだわらないのか、それとも試行錯誤段階で定まっていないのか。

 しかし石松とまことを人質に取られたコンドールマンは、サタンガメツクの言葉に応じて処刑台に上ることに。コンドールマンに戦闘員の銃口が向けられる……というところで、続く。

 1・2話と基本設定がインパクト抜群な一方強引なところもあって、なかなか飲み込むのに時間がかかる内容。映像・演出的には明るめでコミカルな印象が強いのですが、ドラマの内容自体は妙に渋く、なんかこの作風は癖になりそうな気がする(笑)