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超人バロム・1 1・2話感想

『超人バロム・1』の感想。

 1話

 「大宇宙、その中で何千年もの長い間二つの力が戦い続けていた」

 というナレーションから、コプーという正義の力とドルゲという悪の力の存在を明かし、本作における正義と悪はざっくり既定。

 地底に根城を張ったドルゲは、地上侵攻を開始。

 ……って、下っ端怪人に任せるのではなく、自ら地面を突き破って出てきて直接一般人女性を殺害という、悪の首領としては割と衝撃的なことをやってきました(笑)

 そこからやるのが、電話帳で目的の人物を探し当てる、というのもシュール。

 映像自体は、夜の公衆電話を使おうとして、ドルゲの唸り声に反応する女性の動きの具合とか、まさしくさいとう・たかをの漫画の呼吸といった感じで、割と好きですが。

 ドルゲは須崎という男に眼をつけ、その家に直接襲い掛かり、逃げ出した須崎の娘を人質に取ろうとする。須崎の娘は、同級生である木戸猛と白鳥健太郎に助けを求めてきた。

 「殴りたかったら殴れよ! 喧嘩に勝ったって、立派な男じゃないんだぞ!」

 「よぉし! 殴ってやらあ!」

 主人公である猛と健太郎がいきなり喧嘩をしており、実に乱暴で登場の瞬間の印象が悪い猛が、その後助けを求めてきた須崎の娘に対して、

 「てやんでえ、秀才野郎がどうでも、俺は須崎君を信じるぜ」

 と、展開することでバランス取り。

 いかにもなガキ大将の見た目である猛といかにもな優等生の見た目である健太郎と、セリフの内容からスタンスの違いも明確になっており、主人公のキャラ造形が非常にわかりやすい初登場シーン。

 その後、襲い掛かってくるアントマンから須崎娘を逃がそうと走る猛と健太郎。健太郎が地割れに落ちそうになり、逃げるよう促すのに対して引き上げようとする猛だが、

 「地球の子らよ、我がコプーの力を与える! コプーッ!」

 突如、謎の老人が割り込んできて変身させられる二人。

 人を救う勇気に感動して、とかそういうタメが一切なく、老人はこの直前に須崎娘を見ていたぐらいで目的も何も現時点で一切不明なので、意味は分からないがなんかヒーロー誕生という凄まじい展開に。

 変身したバロム・1ですが、さいとう・たかをの原作ではマスクではなく人間の素顔で戦っていたもののデザインに違和感があって失敗作と認識していた、という話を聞いて調べたところ、アトムヘアにゴルゴ眉のいかつい男が首から下だけ実写版と同じ姿という凄まじいものが出てきて、そりゃ失敗作だよな、と納得(笑)

 実写版の姿ですが、口のデザインがどうしてもサングラスに見えて、二人分の目が縦に並んでいるように感じてしまい、ちょっと怖い気がする(^^;

 アントマンを蹴散らした後、猛と健太郎は病院に運ばれ、ここで猛の父は刑事、健太郎の父は記者と明かされ、互いに交流があると判明。

 木戸刑事さんはなんと、『ルパン三世』の次元大介や『激走戦隊カーレンジャー』のVRVマスターの声でおなじみ、小林清志さんが演じており、声も見た目も渋いオジサマで格好いい。

 猛の母親代わりに娘、父親代わりに自分の弟(無職)で、自分は都民の安全を守るため仕事と断言しており、父親としてはすごくダメな人全開なのですが(^^;

 一方ドルゲは須崎の説得についに成功、彼を怪人オコゼルゲへと改造することに。

 「ドルゲは悪の細胞である。それは、一種のがん細胞の働きをする。その細胞に侵された人間は、醜い悪のエージェントになるのだ」

 ドルゲからも素体となるオコゼが「醜い」と評され、実際出来上がる怪人と変化の過程が生々しくグロテスクなのですが、醜い=悪とする直球っぷりがかなり危ない臭い。

 そして、目が覚めた猛と健太郎は、今まで起きたことを思い出していく。

 「だんだん思い出したぞ。コプーは正義」

 「ドルゲは悪! そして俺たちに戦えって!」

 「うん、確かにそう聞いた」

 怖いよ!

 その後、須崎の変身したオコゼルゲを前に逃げ出すも、その過程でまたも変身する二人。

 戦闘シーンは、どうもキレが悪くカメラワークを凝らして見せる感じで、先週まで配信されていた『コンドールマン』が凝った画作りよりもスピード感あふれる戦闘で見せていたのと対照的なのですが、自分としては後者の方が好きかな……。

 そんなことを思っていたら、とどめの技はレッドフォール。

 須崎父は元に戻り、一命はとりとめたのですが、単なる偶然の結果なのがヤバい。

 そして、助かったことを知ったら猛と健太郎は何かに引き寄せられるかの如く歩き出す。

 「いつの間にこんなところに」

 そして始まる、コプーの解説。

 意識を奪って引き寄せておいてから「お前たちは生まれ変わった」とか色々のたまうコプーどう考えても危険人物ですが、それを聞いて「そうか!」と喜ぶ二人がさらにヤバい。

 「私の命も尽きた。だが二人とも、お前達が、バロム・1である事を、誰にも喋るな。喋れば、ただちに、災いが……」

 「災い?!」

 「その、災いとは……」

 力尽きたコプー、何故か爆発。

 すみません、ツッコミが追い付かないんですが(^^;

 70年代の東映特撮でヒーローを生み出す正義の大人がどう考えても危険人物というのはよく見ますが(個人的に最たるものは『仮面ライダーX』の神啓太郎教授)、にしても、すごい弾けっぷり。

 実際、ドルゲは殺人や暴力など悪行を繰り返しているとはいえ、「こういう理由で正義」「こういう理由で悪」というのを具体的に示すことなく、「コプーは正義でドルゲは悪」という前提条件を強調しまくって通してしまうという力技。

 「説明抜きに正義を設定する」ことは、同じく伊上勝の脚本である『仮面の忍者赤影』で「歴史上の勝者である秀吉や信長の配下にする」という形で行われていましたが、本作では正義と悪を人知を超えた二つの存在とすることで強引に飲み込ませるという方向で通し、ヤバい臭いが漂いまくっています。

 おまけに変身するのが子供なので、純真な子供をだまして命の取り合いに向かわせたと見える図、というのが怖すぎる(^^;

2話

 ゲスト悪役を演じる佐藤京一さんがいかにもさいとう・たかを漫画の悪役っぽい顔で、好印象。

 ドルゲの手によって凶悪犯の護送中パトカーが事故を起こし、同行していた木戸刑事が負傷。凶悪犯が逃亡したばかりか、拳銃を奪われてしまった。

 地下鉄を逃げるシーン、カットの作り方(スピーカーのアップで案内の音声が出るところなど)もまたさいとう漫画の空気で、前回の田口さんに今回の折田さんと別の方が演出担当、かつどちらも『仮面ライダー』など他の特撮の常連陣と言える演出家ながら、この独特の空気が貫かれているのが不思議な感じ。

 木戸刑事は病院に搬送され、周囲は拳銃を奪われたことで責任感から自殺するかもしれないと無責任なことを言い出すのですが、

 「け、拳銃! 俺の拳銃! 返してくれ!」

 どう見てもこれ、単に責任感とかどうとかで片付くレベルじゃない狼狽えようで、危ないよこの人!

 犯人を捕まえるためにバロムの力を使いたい猛と、いくら正義と言えどドルゲ以外に適用できないと拒否する健太郎のスタンスの対比がされ、これにより変身不能と見たドルゲはフランケルゲに作戦を遂行させることに。

 フナムシを素体とする凶悪犯の改造人間フランケルゲは、猛の叔父を拳銃で射殺してその罪を刑事に着せるという陰険な報復に出るが、猛が介入して阻止。その後健太郎も嫌な予感がして、病院に駆けだす。

 この時代のことだし、話をまとめる上で仕方ないかなと思うところではあるものの、「正義と言っても私怨でヒーローの力を使ってはならない」に対して猛が見つめ直してヒーローの意識を身に着けるのでなく、私怨を向ける相手が悪の組織の一員だったので結果的に問題ありませんでした、なのはどうなのかと思ったところ。

 そういう部分がすっとんでいるので、後半変身できなくなった二人が和解して友情パワーを上げる→変身可能に、の流れがすごくあっさり片づけられることもあり、友情とヒーローの在り方ってそんなもんでいいのだろうか、という疑念が払えませんでした。

 友情が熱量として数値変換できるのもさることながら、5段階評価な部分も相まって、なおさらそれでいいのかという(^^;

 そして、戦闘になったらバロム・1の攻撃により、フランケルゲ、盛大に爆死。

 「やったぞ!」

 違 う だ ろ ? !

 『ロボット刑事』の「これで全てはカタがついた」を思い出すのですが、改造されていたとは言え殺って拳銃取り戻したのが問答無用で正解扱いされると、健太郎の「警察に任せればいい」が完全に否定されることになってしまい、いくらなんでも、マズいと思うぞ(^^;

 そんな心配をよそに、今回を締めくくる絵面が、拳銃を片手にぶら下げたまま笑顔で健太郎と肩を組む猛という、攻撃力の高すぎる絵面。

 狂ってる!

 なんかもう、時代的にツッコむの前提の作品だろうとは思いつつも、これでいいのか感漂いまくる開幕2話で、大丈夫かコレ本当に(^^;