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キラキラ☆プリキュアアラモード 第14話感想

キラキラ☆プリキュアアラモード』の感想。

 あおいのバンドのライブを訪れたいちかだが、突如ライブに乱入する眼鏡の青年水嶌。

 放映前の情報で出ていた画像では黒の蝶ネクタイでタキシードかと思っていたのですが、実際の映像では燕尾服に黒タイ黒ベストという謎の服で登場。道着姿でうろついても平然と受け入れられているいちか父のことといい、この世界の服飾関係は色々と謎(^^;

 あ、メスジャケット(リメイク版は燕尾服)に白タイ白ベストでタキシードと名乗る某仮面の流れなのか、この人?!

 あおいの保護者代理を名乗る水嶌は、お姫様抱っこしつつスモークを張って逃走。

 忍術を少々学んだ通りすがりの単身赴任サラリーマン?

 あおいの誘拐が気になるいちかは、ゆかりが持っている地図(アイコンがついているのでファンクラブ謹製と思われるものの、勝手に作ったものを使っているのか命令して作らせたのかは不明)で、あおいの家を探して訪問。

 あまりに豪邸すぎてむしろ何故今まで気づかなかったのかレベルの大邸宅に行き着く一同は、そこであおいの家が日本有数の大企業グループ・帯刀立神コンツェルンの経営者一家であり、あおいは現在の会長令嬢であったことを知る。

 ドレス姿のあおいを笑うゆかりですが、ゆかりの家庭事情(こっちも結構なお嬢様育ちと思われる)がまた気になるところ。あおいの家のことも知っていてあえて触れなかったとしても成り立つものの、立神家の執事やメイドなどは反応を示さないので、家単位での交流は無いと今は見ておくべきでしょうか。

 休暇をもらって立神邸を訪れたところ、あおいがロックバンドに参加していると知った水嶌は、立神家の将来のためにロックバンドを捨ててマナーを学ぶように説得する。

 「あたしの気持ちはどうなるんだ!」

 「…………我慢してください」

 あおいの目に映る水嶌や見守るいちかなどを挟んで間を置いてのこの台詞とか、あおいが退室したあとの手を握るところとか、台詞がないところで微妙な感情を現す演出が連続。

 水嶌は、孤児となったところを立神家に拾われ、あおいと兄妹同然に育ってきたことから、あおいにはどうしても一人前のレディになってもらいたいという心境をいちかたちに吐露。そしてパティスリーからも身を引いてもらいたいと告げる。

 「どんな家庭にも、それぞれ事情があるものよ。あおいの家には自由にならないことが多いのかもしれないわ」

 本人の家のことは曖昧にされたまま、度々「親」「家庭」の話を持ち出すゆかりは、未だ曖昧なままなのでどこまで深読みしていいのか、難しい部分(^^;

 ここまでの描写をまとめる限りでは、あおいの嫌がるマナーのレッスン等は、ゆかりにとっては「自然にできてしまうこと」であると思われ、故にそれらを拒絶して自らのやりたいことをやるというあおいの心境やそこに伴う充足などを、ひょっとしたら理解できてないのでは……とか思うのですが。

 そこに事情をこっそり聴いていたリオが登場。

 「俺もゆかりさんの言う通りだと思うな。その水嶌って人、まるで聞く耳持ってないみたいだし、下手に周りが口をはさんだら、逆効果だってあるかもしれないよ。自分の気持ちを人にわかってもらおうなんて、はなから無理なんだから

 ここでリオが迫るのが、まさに人との対話でトラウマを持っているひまり。

 「……キラッとひらめいた! 私、もう一度あおちゃんちに行く!」

 そんな中、考えた末にいちかはそれでも水嶌に挑むことを決意する!

 「あ? うまくいく根拠でもあるの?」

 (回想で、あおいに我慢するよう告げたときの水嶌の反応)

 「あおちゃんの気持ちは、きっと伝わるから!」

 「えっ?! 俺の話、聞いてた?!」

 自分が知らない情報を根拠にするいちかに置いてきぼりにされ、露骨に顔を崩して呆然とするリオ(笑)

 先のひまりに迫るシーンで、一見リオのいうことには一理あるように見せかけているのですが、実際のところリオは話で水嶌を聞いただけであおいについて話す彼の態度は見ていないし、ゆかりは「あおいの家は難しい」とは言っているけど「説得は諦める」とは言っていないというレトリックで、自ら行動もしないのに遠巻きから見た情報で勝手なことを言っているだけということが明確に。

 いちかはいちかで、説得に成功する根拠としてリオが知らない水嶌の態度を持ち出してきて、無神経に計算なしで飛び込んでいくという状況は回避。

 もちろん、水嶌の態度だけで説得が成功するという絶対の理由にはならないのですが、「何もしないまま失敗を恐れてあきらめようとする」リオに対して「例え失敗するかもしれなくても、自分がやってきたことを信じて進もうとする」いちかが、上手く対比されました。

 そこから失敗したとしてもそれで終わることなく、何かをつかみ取ってくるのがここまで見えているいちかの強みだと思うのですが、今回はそこは保留。

 「面白くなってきたわね」

 そして、自分の発言を勝手に捻じ曲げるリオの態度に眉をひそめていたゆかりは、いちかがひらめくなりすごくいい笑顔に(笑)

 翌日、社交パーティが開かれる立神邸で、いちかたちはあおいの作りたかったゼリーを完成させてキラパティをオープン、さらにバンドメンバーも呼び寄せる。突如行われるゲリラライブに驚く水嶌だが、ゆかりが根回しして屋敷の人間の許可は取得済み。ゼリーを食べ、曲を聞く水嶌の表情は徐々に和らいでいく。

 「そんなに叫ぶな……わかっている……」

 それでいて「ロックはレディのたしなみではない」とバッサリ切り捨てる水嶌だが、音楽の力で輝きを増すキラキラルを奪うため、ジュリオ介入。人数もあって空から無数の槍を降らす強力な武器を作り上げるジュリオは、まだ残っていた上質キラキラルを発見するもジェラートが阻止。そのキラキラルは、あおいの歌と共に水嶌の体内から発せられているものであった。

 「これ以上手出しはさせない! あたしの大切な家族に!」

 今回、大筋は満足いくぐらい面白かったのですが、引っかかったのはここであおいが水嶌を「家族」と認める件と、今回のあおいの態度について。

 というのも、今回のエピソードではあおいの方からは「あたしの気持ちはどうなるんだ」と自分の思いを叩きつけにいくのに、自分にマナーを叩き込もうとする水嶌(が主張している立神家の意向)に対して、一切の歩み寄る姿勢がありません。

 そこのところ、水嶌個人としてはあおいの意志は理解しているのである程度譲歩しているのですが、そこで自分の意志より立神家としてやらねばならないことを優先させた結果が今回の騒動の肝なわけでして。

 言い換えれば、あおいはむしろ「家族の想いから逃げようとしている」のに、「立神家の人間として水嶌を家族だと認める」というねじれが発生しているわけです。

 屋敷の使用人はキラパティとゲリラライブをすんなり承諾し、あおいの部屋の内装もギター飾ってたりと割と好きなようにさせているので、むしろ水嶌以外の家族全員あおいのバンド活動には賛成の可能性もありますが、前回の動画NGに説明をつけるなら「海外にいる家族(含む水嶌)には話を通してなかったけど、屋敷の執事やメイドなどの使用人は説得しているので、町内で納まるならいいが町の外に知られるような活動はパス」だと思われるため、回想も含めるに「家族の想い」はむしろ水嶌寄りだと思われます。

 そうなると、今回のエピソードは一見「自分の想いを理解してくれた水嶌は、例え血がつながってなくても一緒に生きてきた家族」という美談と思わせて、実態は「家から逃れようとしている自分を引き戻そうとする分からず屋になってしまったので、昔みたいな家族と思わなくなっていたが、実は自分に理解を示していたのでやっぱり家族だと再認識」という、非常に現金なお話になってしまっているのでは。

 そんなことが頭に浮かんでしまうと、拒絶しているマナーレッスンについてあおいは「何故それが必要なのか」ということへの理解をほぼしていないと思われるセリフ回し、そこからロックに結び付けられる「自由な気持ち」なども、「(押し付けであったとしても)本来やるべきことを投げ捨てた上での現実逃避」なのではないかとか、そんな悪い方向に解釈してしまいました(^^;

 先に述べた通り、あおいが嫌がっているマナーレッスン関連はゆかりだったら好き嫌いとか関係なくこなしてしまいそうと思われるのも、凶悪です。

 誤解を招かないよう述べますが、あおいが家とロックの選択を迫られたときに、ロックを選ぶのが物語としての正解になっても、それは一向に構わないのです。

 が、今回の内容を軸に話を進めるなら、あおいはロックと家の双方に一定以上の理解をした上で選択するというプロセスを踏まないとならないわけで、そこについて現時点では「家にはまったく理解なし、歩み寄る姿勢もなし」。

 そして今回の決着は「ロックを取るのが実質全面的に肯定」ということになっていまして、それを絶対の正解にしてしまうような描き方にされるのは、イヤだなあと。

 まあ今回、水嶌はロックに理解を示しつつも、マナーレッスンもきちんとやるように釘を刺し、学業成績も上位5位以内をキープするよう念押ししているので、そこまで外してはいませんが。

 何分、プリンセスプリキュア』のプロデューサーとシリーズ構成の作品で、そのシリーズ構成執筆エピソードが、今回のマナーレッスンとかクソくらえみたいなあおいの態度が問答無用に正解だと思っているとは考えたくないので、意図的な仕込みだと読んでいるのですけど……だ、大丈夫なんですよね?

 そこの関連では、あおいの「お嬢様育ちだけどその窮屈さから早々に逃れて自由を得ようと好き勝手やっている」というキャラ造形は『プリンセスプリキュア』の海藤みなみ/キュアマーメイドの逆パターンを意識的にやっているようにも見えまして、そうなると最後はロックバンドの方を捨てるというか離れていくかもしれない、とも思えます。

 水嶌がもう一度拾われるのかは怪しいですが、こうなると終盤あたりに実の父母あたりともう一回対決になるのではないか。

 あおいの学業成績は、これまでの描写から察するにお嬢様育ちだろうあおいが低空飛行の成績で許されると思えなかったのと、ひまりが塾通い&コメントで学業成績優秀と教えていただいたことから「中学生組で学業成績が一番悪いのはいちか」と推測するに充分だったため、あんま驚きはない(笑)

 そんなわけで、水嶌のキャラ造形が良かったのと、問題に対するプリキュア達の立ち回りが上手く回っていたこと、そこを埋める演出が上手く機能と、全体ではここまでで1,2を争うぐらい面白かったのですが、未だ曖昧な部分と新しくばら撒かれた爆弾の相乗効果が怖いことに(笑)

 なんだかんだで面白いと思って見ているのですが、本作ここまでの面白さは「これまで謎だった部分が解明され、そこから登場人物が成長するカタルシスの面白さ」ではなくて「謎と暗雲がばらまかれてこれからどうなるのかという期待と不安を煽る面白さ」なので、深読みし過ぎて素直に楽しみにくくなってきているのも、ちょっと難しい(^^;

 次回、あきらの妹にスポットが当たる。