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キラキラ☆プリキュアアラモード 第23話感想

キラキラ☆プリキュアアラモード』の感想。

 うーん、展開している内容自体はわかるのですが、どうしてこう、山場の緩急の付け方が妙なのでしょうか、本作。

 19話と20話が2本併せて1話分ぐらいの気分でいたら、今回は2話に分けた方が良かったのではないかと思うぐらい、色々積みすぎ。

 前回浄化されたピカリオに、まずはごめんなさいを要求するゆかりだが、

 「誰が謝るピカ! ふん!」

 「面白いわね」

 こういう悪の手に渡った妖精とか、解放されたら善良になって無罪放免というのが定番だろうなと思うところで(本作でもガミーという前例がありますし)、ピカリオは引き続き態度が悪いまま、どころか悪に落ちていた時の記憶と意識を維持。

 ピカリオ自身の口からノワールのこととその目的が語られ、その上でピカリオがノワールに従ったのは自分の意志によるものと、改めて自己責任を強調。若干、ゆかりに対してムキになっているように見えなくもない(笑)

 表現が的確かわかりませんが、「ノワールがピカリオを歪めた」のではなく「もともと歪んでいたピカリオをノワールという悪が後押しした」のであることが、本作のテーマのポイントなのだろうと感じるところで、この部分はやや難しい問題を孕んでくるのですが、後述。

 曖昧な存在であるキラキラルに「スイーツに込められた気持ちが結晶になったもの」という説明が入ると同時に、「気持ち」はキラキラしたものに限らず、そういった感情を力にしてピカリオに与えたのがノワールであること、故にピカリオはノワールに従い、世界を闇のキラキラルで染め上げようとしているのだと、ノワールの目的が一部判明。

 長老が騒ぐ一方、「闇」というスケールの大きな単語についていけず困惑するいちか(^^;

 この「自分の手と眼の届く範囲に真剣」だけど「マクロな問題についていけない」辺り、宇佐美いちか/キュアホイップのパティシエおよびヒーローとしての立場に沿っているのですが、こういうときにちょっと踏み外しそうでギリギリ綱に乗っている感じになるの、ちょっと怖い。

 ノワールが人のネガティヴな感情を増幅させようとしている理由自体は不明なのですが、その力によって悪事を為す者(ジュリオやビブリー)を描いた上で「闇」と称することで、本作での「闇」という言葉の定義付け。

 加えてその「闇」を生み出す過程にキラキラルの強奪が入っており、体内のキラキラルを奪われた者たちがどういった状況に至るのか、それに対しいちかたちがどう行動するのかをいちか本人が被害者になることも含めて執拗に描いてきたことから、いちかたちがノワールとの戦いに赴く動機も成立しました。

 ……何でもかんでも理由があればいいわけではないですが、「闇」とか「愛」とか「絆」みたいな曖昧なキーワードに一応の理屈がつくと、安心するのは何故だろう。

 そんなピカリオの目的に反発するペコリンは、キラリンからも説得するよう頼むが、キラリン/シエルはいちかのように人の気持ちに寄り添えない自分に説得力などないと諦めムードで、逃げるようにキラパティを去った後、翌日は自分の店も臨時休業。

 自分の店でいちかの真似をしてスイーツを作るもうまく行かないシエルに、嘲笑うピカリオ。前回の説得のことを踏まえ、本当は姉を想っているはずだと聞くひまりだが、ピカリオはそれを否定してワッフルを焼き始める。するとワッフルは灰色に染まり、キラキラルの輝きは全く見えない。

 「俺の手は汚れているんだ。今更戻ることなんてできないピカ」

 ノワールの力を授かった時点で、ピカリオはスイーツを作ってもキラキラルを全く宿せなくなっていたのだ……。

 苦悩の表情を浮かべつつも基本やさぐれモードなので、ピカリオがこのかんたんクッキングできちんと正しい調理法をしたのか疑問はあるのですが、想いがあれば間違った調理法でもキラキラルそのものは多少なり宿るわけで(第1話のケーキ参照)それがまったく見えてこないというのは作中屈指の異常事態。

 ピカリオがいきなり自分からワッフル焼き始めたのと、直後にゆかりが今までスイーツを自ら作らなかった理由につなげてしまうために、説明のための説明という雰囲気が出てしまいましたが。

 いずれにせよ、劇中で「ちゃんと焼けていた」とあおいが述べているので、調理技能と無関係の超常現象と呼ぶしかなく、キラキラルから万物を作り上げられるプリキュアの反転としては納得の設定。

 そんなピカリオの現状にさらに落ち込むシエルだが、そこに姿を現したのは、なんとノワール

 「憎いのか、自分が」

 「……っ……私は自分が憎い。私は、自分が大嫌い!」

 「まさか……キラリンを闇のしもべに?!」

 「心を闇で満たせば、君はプリキュア以上の存在になれる。手伝ってあげよう……」

 悪のボス自らがお出ましで闇堕ちさせにかかるのですが、つい先日まで『超人バロム・1』を見ていたせいで、魔人ドルゲが頭に浮かんでなりません(笑)

 謎の球体にシエルを飲み込み、それを追いかけて飛び込むピカリオといちか。残された4人は変身して救助に向かおうとするが、舞い戻ってきたビブリーはノワールに力を与えられ、人形と合体して巨大化。憎悪のままにプリキュアと対決する。

 他方、シエルの心の闇に飛び込んだジュリオといちかは、シエルと遭遇。パティシエの夢を諦め、ずっとピカリオのそばにいると告げるシエルに、自分はシエルを超えるため闇にまで手を染めたのだから、今のままでは超える意味がないとジュリオ。

 前回プリキュアに救われたばかりでまだ精神的に落ち着いてないとフォローはできそうですが、目の前でプリキュアを倒すことで夢を否定してやる(前回)→努力しても届かない壁を味わえ(今回Aパート)と立て続けに追い込んだうえでいざ落ちてみればこれで、ジュリオのめんどくさい感情の変化がこの1話半の間に目まぐるしすぎて、正直、振り落とされそうになりました(^^;

 特に今回のシエルの言葉に対して「今のお前を超える意味がない」と返すジュリオにほとんど間がないので、それが本音だとしても、シエルが闇に囚われたことに動揺するジュリオの描写は、もっとじっくり見たかったところ。

 いやこの部分、前回で私は「ピカリオは海外での修行中、キラリン以外の人間と交流してなかったのではないか」という疑惑を抱いているので、「パティシエ諦めてピカリオとずっと一緒にいる」というシエルの言葉、即座に切り捨ててしまえるほど軽いものに感じられないと思っているのですけど。そもそも前提部分が間違っているかもしれませんが(^^;

 ついでに、外で戦っている方も、いちかを助け出すため突撃→ビブリー乱入で助けに行けない→(根拠ないというか中で何が起こっているかわからないけど)いちかを信じてここは踏ん張る、というかなりドライな変化をしていて、今回こういう心情の変化には理由づけが回っておらず、いささか強引。

 ジュリオの言葉で世界が砕け散ったかと思えば、いちかが変身して落下するジュリオを救出。すると降りた先に調理台があり、それを使ってスイーツを作るようにいうキュアホイップ。

 「俺のスイーツじゃ思いなんて伝わらない」

 「違うよ! 思いがあるなら、やってみないとわからないよ!」

 ホイップの後押しで、灰色のワッフルを差し出すジュリオ。シエルはワッフルに一つの光を見て、一口食べる。するとおいしいと述べてシエルは目の輝きを取り戻し、ワッフルからはキラキラルが溢れだして、本来の色を取り戻していく。

 「そうか、そんな簡単なことだったのか……俺は今までいったい……」

 回想を含めて改めて思いますが、ジュリオが本当に求めていたのは優れたパティシエ(プリキュア)の地位や力じゃなくてキラリンが喜ぶことだし、それに必要なのは才能でも力を得ることでもなくて他人と向き合うことだったのだろうなあ。

 そしてピカリオ、やはり才能がなかったのではなく、努力の仕方を間違えただけという感じがひしひしと伝わってくるのですが。

 ジュリオに感謝と謝罪を告げるシエルに、そっぽを向けて今更謝るなと告げるジュリオ。

 「やっぱり私、スイーツでみんなを笑顔にしてあげたい」

 「ふん、お前の勝手にしろ」

 「うん! 勝手にする!」

 自己の肯定と自分の選択に対する責任が幾度も強調されている本作ですが、ここでこのセリフ、ちょっとツボに入りました(笑)

 外ではビブリーを抑えきれずダメージを受けているプリキュア達。そこに闇の空間を破って、キラキラルのフルーツと共に舞うシエルが登場。

 「みんな、心配かけてごめんね。でも、もう大丈夫。私は私を否定しない。夢と希望を捨てないし、自分の可能性を、諦めない!」

 自らのキラキラルとプリキュアから分けられたキラキラル、そしてジュリオのワッフルまで含めて、スイーツを作り始めるシエル。ビブリーの妨害を、プリキュア達が阻止するが……。

 「偽りの闇であったか。光と為すのであれば消えてもらおう」

 はたらく魔王様

 ノワール様、ちょっと現場で仕事しすぎじゃないですか。

 ノワールの放った矢は一直線にシエルに向かうが、なんとそれを阻止するのはジュリオ!

 胸を貫かれたジュリオから輝くキラキラルなど、映像に色々と示唆的な描写はありますが、この直前はプリキュア達が変身中のシエルに感動しているシーンなので、プリキュアがよそ見している隙にジュリオが犠牲になったみたいな間抜けな内容みたいに見えてしまいました(^^;

 シエルの変身に感激して緩んでいるところからプリキュア達はまるっきり動かないままジュリオがやられたので、尺の都合でもどうにかしてくれと言いたいところ。

 今回もう既に、敵に囚われるシエル→ジュリオが助ける、という結構大きな谷と山を通り越しているので、ここでジュリオが自らを犠牲にするという新たな谷が印象薄くなってしまうのも、問題。

 ジュリオのエールを受け、ついに数々のスイーツを全部載せてペガサスを象った新たなプリキュア――キュアパルフェがここに誕生。ジュリオの闇のロッドを受け取って自らの武器に変え、ビブリーに挑む!

 キュアパルフェの固有能力は飛行らしく、00年代のウルトラシリーズよろしく立体軌道を発揮して戦闘。初登場ということもあるのですが、前回の戦闘シーンで攻撃なしだった分、帳尻合わせでもするかのように暮田さんが全力のアクションシーン。

 初登場戦士に完全に蚊帳の外なプリキュアも申し訳程度に支援。追加戦士補正で今回だけ強い可能性はありますが、何分本人+プリキュア5人+ジュリオのキラキラルでみなぎっている分、戦闘力の圧倒的な差に説得力があるのは困ったところ(笑)

 ビブリーは星と消え、戦闘終了後、体が透けていくピカリオ。

 「本当はわかってたピカ……キラリンのせいじゃない。俺の心が弱かったから……悪かった」

 ……うーん、結局そこに至るしかないのかなあ……。

 前回書いた通り、本作のここまでの流れだとこれまでの騒動の原因が「ピカリオの心が弱いのが全面的に悪い」に収まらざるを得なくなると思っていましたが、ここではとりあえずピカリオが自ら述べる形とされました。

 今回難しいのは、ピカリオがここで「自分の心が弱いのが悪い」と認めてしまうことに、誰も肯定はしないが否定もせず、何一つフォローを入れもしないところ。

 本人がノワールという悪に加担したことさえも自己責任と認めている以上、他人の口からピカリオの責任を無かったことにすることはできないのですけど、かといって明確に人を闇で染め上げ、その力で世界を混乱させることを考えているノワールが悪くないわけではないのでして。

 「人の心にはどうやっても踏み込めない、踏み込んではならない部分がある」のは、シエルの「勝手にする」も含めて本作が提示している答えの一つなのでしょうが、その結果ピカリオがより大きな邪悪であるノワールの手で消滅していることに、何らフォローがないのはどうなのか。

 それもシエルのために作ったスイーツからキラキラルが生まれ、再起が可能なことを示した直後にこれなので、展開としてはかなり意地が悪いのではないか(^^; もっと意地悪く見れば、シエルを庇って犠牲になったことさえもピカリオの自己責任かもしれませんけど。

 で、「心が弱いのが悪い」はいいとして、では「どうやったら心が強くなるのか」が新たな問題として浮上してくるわけですが、それはおそらくもう答えは出ているのに、プリキュア達はずっとそれを明示するのを先送りしている印象が強く見えているのが今の私が感じているところ。

 その先送りの結果、ピカリオは救われないまま消えたと考えてしまうと、この最期の描写はもっとやりようがあるのではと贅沢な悩みが浮かんできます。……まあどうも、ラストシーン見るとピカリオは死亡ではなく一時休眠→復活の可能性がありますが(^^;

 ピカリオは姿を消し、そこでいちご山が謎の光を発して、と最後までたたみかける急展開で幕引き。

 えー、最初に書いた通り、とりあえず1話に積みすぎて山場が分散し、パンクした印象。シエルが囚われるまでを1話、復活からキュアパルフェ登場までをもう1話ぐらいの前後編でちょうどいいぐらいの密度になりそう。

 キュアパルフェのデザインと戦闘は悪くないですが、他を置いてきぼりにしそうなので、どう馴染ませていくのか。

 次回、この流れからシエル転校回。