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キラキラ☆プリキュアアラモード 第28話感想

キラキラ☆プリキュアアラモード』の感想。

 今日もまた繁盛中のパティスリーに現れる謎の老人。その正体はひまりの愛読書『スイーツの科学』の著者である立花ゆうで、パティスリーのスイーツづくりを化学知識で支えるひまりにクイズ形式テストを行う。

 立花先生は翌日開催予定の実験会にて助手となる人物を探しており、その候補としてひまりに眼をつけたのである。

 「選んでいただいたのはうれしいのですが、私なんかじゃ先生の助手は……」

 「『私なんか』か……ひまりくん、スポンジが美味しそうに膨らむのに、一番大事なのは何じゃと思う?」

 ひまりは自分の知識から答えを示そうとするが、立花先生は全て不正解とし、翌日答えを見つけに来るがいいと告げて去る。

 立花先生、最初から無造作に助手を探し回って偶然ここに行き着いたのではなく、雑誌記事等からパティスリー(の中のひまり)にある程度見当をつけてきたと思われるのですが、ここで「答えを教えてやる」ではなく「自分で見つけろ」と促しているのが、今回のポイントの一つ。

 相変わらずの人見知りで、いざ会場に出ても緊張し通しのひまりが行うスイーツ実験は、巨大スポンジケーキ! 先生の作った特製焼き型&巨大オーブンで、特大のスポンジケーキを焼きあげるのである。

 スポンジケーキに使う卵は湯煎にかけながら泡立てるとふんわり感が増す、牛乳を多めに入れることで焼き上がりのパサパサ感を緩和など、スイーツの科学知識を発揮して先生をフォローするひまり。普段あまり出てこないですが、作品のテーマを補強するアクセント&ひまりのキャラとしての特徴発揮として、無難な内容。

 オーブンでの焼き時間調整もひまりが行い、焼いている間に先生が原理について講義。お祭りイベント的な内容で観客は立ったまま聞いているのに、ホワイトボードで図式が(視聴者が判別できるほど細かくないにせよ)みっちり描かれていて、ガチな講義やっている様子なのですけど、いいのか(笑)

 観客(変装したグレイブの手下含む)が固唾を飲んで見守る中、焼きあがるスポンジ。オーブンから出された焼き型をひっくり返すと、シエルも認める完璧な焼き上がりのスポンジが現れた!

 が……直後、潰れて割れてしまう。

 実際にこの大きさのケーキを焼いたことがないので本当にこうなるかはわからないのですが、焼き目がついて強い外側ではなく中央から潰れるのが、妙にリアル。

 「焼くのは問題なかったが、ふんわり感と大きさのバランスに問題があったか……いやあ、実に惜しいのう」

 「ごめんなさい。きっと私のせいです……私がもっとうまくやっていれば……」

 原因を自分に求め、自分を責め続けるひまり。

 実際のところ、この結果についてどこに原因があったのかは不明なのですが(実験しないとわからないけど、この大きさはバケツプリンよろしくどう焼き上げても確実に潰れるような気がする……)、「焼き加減」についてはひまりの調理に問題がなかったことを示す一方で、「ふんわり感」については途中の牛乳増加が原因かもしれないという形で、ひまりが原因を自分に求めることには納得のいく内容。

 「おほん、ひまりくん。スポンジケーキが美味しそうに膨らむのに一番大事なのは何じゃ?」

 「え?」

 「それはのう、作り手の想いじゃ」

 「想い……」

 「懸命に知識を学び、勇気をもって焼き時間を見極める……君のスイーツへの強い好奇心が、あれだけ大きなスポンジケーキをここまで膨らませる事ができたんじゃよ」

 定番とはいえ一応科学の人である先生が「想い」を持ち出した時には一瞬どうなるかと思いましたが、後半で綺麗に収まりました。

 いくらスイーツの本を並べても、知識があっても、自分が動かなければスイーツは完成しない。

 そして、その自分を動かすのは、自分の中の想い。

 ここで先のところに帰ると、「自分で見つけに来い」と促した段階でひまりは逃げ出すことも一応選択肢としてあったわけですけど、それでもひまりはこの実験に立ち会い、だからケーキは焼きあがった。

 結果は(この段階のひまりにとっては)「失敗」なのですが、ひまりは逃げてしまったら「失敗」にさえたどり着いてなかった。

 

 なおも顔が曇ったままのひまりだが、会場からは轟く拍手。

 「あの拍手は君への拍手じゃ。実験は大成功じゃよ」

 本作において「失敗」とは、結局は視点の違いでどうとでも解釈できるものという前提を念頭に置いた上で、改めて「失敗」「成功」に至る前には「行動」「挑戦」が必要なのだなあ、と感じます。

 そこから立花先生が新たな実験への意欲を見せるところまで含めて、想いなどの精神部分が科学を超越する、という単なる精神論・根性論ではなく、科学を動かしているのは人間の想いから、とつなげてきたのは良かったです。

 そして、その想い(好奇心)を抱くのは何からか? となると、「大好き」という感情から……というのが本作なのですが、そこを明確に示すのは作品の最後の方になるでしょうか。

 にしても立花先生、外見(主に髪型)と実験用の大掛かりすぎる仕掛けと、前日に助手を求めパティスリーのキッチンに押しかける行動など、各種言動が思いっきり奇人変人の類でハタ迷惑なのですが、独自開発オーブンなどの機材には一切欠陥がなかったわけだし、卵を湯煎にかける行は「風呂に浸かる」というたとえ話でわかりやすくすることを心掛けているし、あくまでひまりの自発を促す姿勢など、科学者および教師としては本当に超優秀なのかもしれない(笑)

 そこにグレイブが現れ、本来の目的を忘れてすっかり応援していた部下(ていうか、誰も気づかなかったのかこれ(^^;)を一喝し、ケーキや会場の人間からキラキラルを奪い尽くす。変身するプリキュア達だが、相当な量と質のキラキラルを吸い込んだためか、苦戦。何もできないのだから帰れと促すグレイブだが、カスタードは反論する。

 「私! ……できます!」

 「ああ? お前なんかに何ができる?」

 「私はできます! いえ、私だからこそできることがあるんです!」

 過去の回想を織り交ぜつつ、今回の実験会も踏まえて自信をつけているカスタードは、プリキュア達の連携を指示し、一転して圧勝。

 作戦の司令塔として、見事にセーラーマーキュリー化してしまったキュアカスタードですが、普段そういう細かい作戦を決めることがないだけに個別回である今回限りで終わりそう(^^; 作り手の想定はこれぐらいなのかもしれませんし、シエル/パルフェとの立ち位置被りを回避しているので、積極的にやってもらいたいとは思いますが、他のキャラの個別回だとそのキャラの印象を薄めそうだし……。

 騒動が収束し、目覚めた立花先生が見たのは、いちかのひらめきにより崩れたスポンジケーキを利用してケーキポップを作り上げるパティスリー一同であった。

 ここまでくるといちかはどうしてここまで「ひらめき」が働くのか? というところにまで理由が欲しくなってくるのですが、ひまりと違う視点からいちかが失敗を転換し、一方でひまりも自分の持つ知識と力を発揮してそれを成功に結びつけようとする、という流れにして、他者と交流すること・コミュニケーションの意味も示され、ここまで描かれてきた作品のテーマが綺麗に収まり、気持ちいい流れ。

 この変化に呼応したのか、ひまりの持つ結晶が姿を変えるところで、今回は終了。

 前作から本作のここまで、どうもここのところ伊藤睦美さんの脚本回にしっくりこないのが続いていたのですが、今回色々な要素がピタッとはまって面白かったです。

 次回……え、マカロンも闇堕ちするの?

 予告の感じ、どうも不穏なのですが(^^;