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キラキラ☆プリキュアアラモード 第39話感想

キラキラ☆プリキュアアラモード』の感想。

 100年の時を超えて未だ続くノワールの脅威に対抗するべく、各地の妖精を集めて行う妖精大会議の開催をプリキュア達に説明する長老。

 妖精のコミュニティはいちご坂に限らず、世界各地に存在することとそれぞれを治める長老が存在することが明確になるのですが(ガミー等のことを考えるとある程度予測は可能でしたけど)、いちご山への妖精の帰還もそうでしたけど割と大きなイベントが唐突に開始するのにそこに微妙に前振りが足りていないあたり、相変わらず妖精関連はぞんざいに扱われているように感じます(^^;

 ここ数回ほど、ペコリンや妖精にスポットを当てた話を展開したのは、今回と次回のために補強しようとしたのだと考えると、作り手もわかり切っていてどうしようもなくなってきている問題なのかもしれませんが。

 それはさておき、いちかは妖精たちが集合する状況について、ノワールの脅威をさておいてはしゃいでいられる立場でもない気がするのですが。

 妖精たち大集合の中でそういえば最近ディアブルの姿を見ないと不安になるゆかり。一方ノワールの本拠地ではディアブルを取り込んだ車を馴らし中のグレイブに、興味を持って近づいてくるエリシオ。

 「ですが、あなたはまだ、ディアブルの本当の力を使いこなしていないのでは?」

 牽制するエリシオですが、以前ディアブルを取り込んだ車をチューニング中のグレイブを見たときに目にハイライトが入っていたのが気になるところ(改めて今回アップのシーンがあり、ハイライトがないことを確認)で、明らかに何か企んでいそう。

 開催された大会議にて、妖精の長たちは実際のプリキュアの戦いを知らないが故に現代プリキュアの力にも疑念を抱くが、スイーツを振舞うことで説得。

 「みんな、これは私たちだけの問題じゃないの!」

 「そう。ノワールをいちご山で食い止めなきゃ!」

 「闇は世界を、飲み込んでしまいます!」

 「みんなで力を合わせて」

 「一緒に戦いましょう!」

 「私たち、プリキュアと共に!」

 ルミエルの掲げる人類一人一人の自由のための戦いを、神が見捨てる訳はない! 私の弟、諸君らが愛してくれたピカリオは死んだ! 何故だ?! この悲しみを怒りを、忘れてはならない! それをピカリオは、死を以て我々に示してくれたのだ! 我々は今、この怒りを結集し、ノワールに叩きつけて初めて真の勝利を得ることができる! 妖精よ、立て! 悲しみを怒りに変えて、立てよ妖精!

 ……すみません、流石に反省しています(^^;

 冗談はさておき、あくまでノワールの力が及ぼすのは個人の心の闇への影響ということを念頭に置いていることもあり、ここでプリキュアたちが戦うから安心して任せていいとなるのではなく、一人一人が心でノワールと戦わねばならないと示してくるのが、本作の筋の通ったところ。

 極上のキラキラルを生み出すプリキュア達に妖精たちは教えを乞い、ホイップたちはそれを受け入れていちご山大空洞の中でキラパティオープン。

 そんな中、ガミーはかつて自分を欲望に染め上げ破壊者と仕立て上げた者――祭壇に眠るピカリオの前に向かっていた。

 接近するガミーの顔に影が落ち、これは憎しみの連鎖で新たなトラブルに発展するのかとドキドキしましたが、後ろからキラリンがピカリオの所業について謝罪。

 「ふん、お前が謝ることじゃねえ。もともと俺の心の中にあった、闇のせいさ。それは、こいつも一緒なんだろ?」

 ガミーは思った以上に、人間(妖精)のできたヤツだった……。

 ジュリオの被害者の一人であるガミーですが、故にピカリオの与り知らないところで同じ問題を抱えていたことを理解・共感し、かつその上でピカリオに必要であろうものをそれとなく示して去る、と各地の妖精にいちご山への帰還を促した件と合わせてどんどん株を上げていきます(笑)

 このシーンで、ややもすれば「心が弱いのが悪い」で止まって終わりになりそうな23話のピカリオ一時退場も、若干フォロー。

 これまでの知識と経験を教授したプリキュアの力もあって、自分たちもキラキラル溢れるスイーツを生み出せることに感動する妖精たち。

 「スイーツを通じて出会った者達。その繋がりは、キラキラルの輝きと共に、どこまでも広がっていく……それがルミエルの、いや、プリキュアの本当の力ジャバ」

 そこに、暗黒の排ガスをまき散らして町中を闇に染め上げるグレイブが出現! すぐに応戦するプリキュア達は、町中に大量にはびこる粘土戦闘員との闘いに。

 しかし、攻撃を回避されて転んだ戦闘員の頭が割れ、その中から出てきたのは青果店のおじさん! 町中の人間が粘土兵士として操られ、プリキュア達は応戦できなくなってしまう。ならばとグレイブにダイレクトアタックをしかけるマカロンだが、回避された上に車から攻撃を受ける。そしてグレイブの言葉で、車に浮かぶ狼の頭に気づき、驚愕。

 「名付けて、ディアブルカスタム!」

 クリエイターとしてのこだわりが随所に見えるグレイブですが、ネーミングセンスは残念だった(笑)

 仲間をも利用する悪辣さに、グレイブも利用されているだけではないのかと問い詰めるカスタードだが、グレイブは否定。

 「ジュリオやビブリーと一緒にするんじゃねえ! 俺は、俺の闇を解ったうえで、下僕になったんだ! 世の中には、100%の悪人がいる事を覚えておきな!」

 ガミーがジュリオ=ピカリオが闇に従ったことについて「こいつも一緒」と理解・共感したのと対になる形で、自分が闇に従ったことについて「ジュリオやビブリーと一緒にするんじゃねえ」と叩きつけ、理解や共感を拒絶するグレイブ。

 ノワールに従うのはあくまで自己の意志でありその先に訪れる物事についても自己責任というところを抑えつつ、グレイブは自分の持っている闇は自分を為す全てと認識し、故に進んで闇を選んだ者である、と若干唐突ながら山場で定義づけ。

 グレイブにとっての闇とはアイデンティティーを為すものであり、自分の全てであり、自分が生きる目的と理由を為すものである、と見ると、それは言い方を変えれば「グレイブにとっての『正義』」なのですが、しかしグレイブは自分を「100%の悪人」と紹介して自分の存在が悪であることに確信的というのが、凄いネジレ具合(^^;

 プリキュア達が勝つにはそこが付け入る隙なのではないかと思うのですが、はてさて。

 で、グレイブは「己の闇を理解した上で、それこそ自分であるとして悪の道に走った」わけですが、ここで「己の闇を理解した上で、それも自分であると認め、それでも悪の道を拒んだ」ならば、29話のキュアマカロン/琴爪ゆかりになります。

 そしてゆかりが己の闇を自分を為す一要素……一つの色として認めることができたのは何故か、という部分から考えると、グレイブが「自分を構成するのは100%闇」というところに囚われた原因も推測できる、と、ここまで読んでしまうと絶望的な状況なのに割と軽く逆転できそうに見えてきて、ちょっと困ったのですが(^^;

 にしても、性格と描写と髪型のせいか、なんだかグレイブが段々、サ○ヤ人の王子みたいに見えてきました(笑)

 買い出し中に事件に遭遇したビブリーは戦場からペコリンを救い出すと、妖精たちにも連絡し、山の大穴へ一時撤退。結局プリキュアの役に立てないと嘆く妖精たちに、闇は手段を選ばないという恐ろしさを説くビブリー。

 「かたやあんた達のキラキラルには、愛だの優しさだの、戦いの邪魔になるもんがてんこ盛り。最初からあんた達は、どうしようもない弱点持ってんのよ」

 しかし粘土兵士の力は強く、とうとう大穴にもなだれ込んでくる。まだ力が多少なりあるのかそれとも更生プログラムの影響で改めて修得したのかバリアを張って防御に徹するが、数に圧倒され押し倒されるビブリー。

 「スイーツで餌付けされなきゃ、こんな街さっさと見捨てたのに」

 「餌付け」という言葉を選んでしまうあたりがビブリーらしいですが、たった今キラキラル(スイーツ)は愛や優しさがてんこ盛りと述べたばかりで、そのために街や妖精たちを見捨てられずにいるというのが色々痛烈。

 何しろビブリーがノワールに利用された心の闇は「愛への欲求」なので、ビブリーが愛や優しさという概念について、現状だと無条件で肯定するのは考えにくいばかりか本気で弱点になりうるなどとネガティブに考えていてもおかしくはないわけです。

 そしてノワールの向けた愛情は偽りであったわけですが、その後いちご坂で人々がスイーツに乗せて自分に向けてくれた本当の愛情や優しさに触れた結果、この街に少しでも報いようと「命がいくつあっても足りない」戦場に首を突っ込んでそこから離れていけないところに至っているわけで、これに伴う肉体的なダメージは無視できませんし、その点わざとネガティブに見てしまえば、「愛」が彼女を危難に引きずり込む呪縛となってしまっていると解釈できるよなーと(^^;

 「愛」に対するビブリーの心情の変化と言動についてはネガティブにもポジティブにも解釈できるように作られているのですが、その先のことになるとビブリーは「スイーツ(愛)がなければ見捨てた」と断言するものの、それではスイーツがあるなら「見捨てる」という選択肢が本当に消失するのか。

 ビブリーがそれこそグレイブみたいに「100%の悪人」になろうと思えば黙って見捨てて逃げてしまえばおしまいのところを、そうではなく愛のために最後まで戦う決意をしたことに意味があって、表面こそ弱音を吐いてるように見えますけど、本当のところはもう彼女、全く迷ってないのだろうなと思うわけです。

 そんなビブリーを守るために粘土兵士との間に割り込む妖精たちだが、突然祭壇から光が放たれ、兵士は撤退。そしてピンチのプリキュア達の前に、光を伴って現れたのは……。

 「まったく、甘いんだよ……町の人たちを人質に取られたからって、戦えないのかい?」

 「あなた……」

 「まあ、君達なら仕方無いか。どうせ一度は、闇に染まった身……いいよ。ここは俺が引き受けてあげる」

 というわけでちょこちょこ伏線が張られていたピカリオ、満を持して復活。

 まんま漂白されたジュリオにルミエルの羽根とクリーマー持たせた姿ですが、白くなると今度は『crystal』版のダークキングダム四天王なので、今一つ正義側になったように感じられない(笑)

 妖精の大量出現に町中丸ごと占領状態&住民全員洗脳状態で、映像的に物量がすごかったのですが、悪であることに確信的な人物であることを示すグレイブに、対となる形でのガミーやビブリーの描写、ピカリオ復活と、シナリオ的にも色々濃い内容。第3クールの締めとなるだけに、流石に盛り上げてきました。

 映像的にはピンチなのに、39話分のプリキュア側のテーマと思想性が強固すぎるので、メタ的にはなんとかなりそうという気配が漂ってしまいますが(^^; これが単なるお約束だからではなく、ここまでに描いてきている内容から見て負ける気がしないと確信を持てそうなのが、本作の堅実さの弊害というかなんというか。

 次回、最強フォーム来る。