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キラキラ☆プリキュアアラモード 第41話感想

キラキラ☆プリキュアアラモード』の感想。

 グレイブとディアブルをカードに封印したことを、ノワールに報告するエリシオ。

 「100年待ち望んだ変革の時は近い。次にすべきことはわかっているな?」

 「今度こそ、全てを闇に染めるため……」

 「「プリキュアを永遠に葬る」」

 ……『美少女戦士セーラームーン』のTVアニメ版では放送コードの問題などから「殺す」「葬る」等の言い回しを用いないという制約があったとのことで、プリキュアシリーズもそれを引き継いでこういう直接的な表現は避けているものと思っていたため(前作でラブーが「もうすぐ友達のところへ送る」と表現したのが一番直接的に近い)、直球で「葬る」というフレーズが飛び出したのは驚きました(^^;

 意図せずに出してしまったものなのか、それともこれは一つの型破りのつもりでやったことなのか。事実上投げ捨てられたような格好とはいえ、本作の「肉弾戦廃止」が根差しているのが対話・非武・非暴力だと思われるところから、意図的な気配もしますが。

 前回で闇を育てて刈り取ることが目的と判明したエリシオは、いわば「生きるために必要な殺し」を体現しているわけですが、そこで今回はそうではない殺意の存在を持ち出してきており、最終決戦直前でどう組み込んでくるのか気になるところ。

 ここまでくるとエリシオはビブリーやグレイブみたいな背景設定を用意せず、根っからノワールに心酔している狂信者とした方が面白そうになってきたのですが、エリシオの存在が本作のプリキュアの限界(=エリシオはどうしようもないので殺るしかない)というための布石の可能性も大きく、不安もかなり(^^;

 あるいはエリシオとノワールは某ワーラー皇帝と女王よろしく同一人物、とかかもしれませんが……もしかして本体はエリシオの方、だとか?

 そしていちご坂、MP切れからジョブチェンジしてたまねぎ剣士となったリオは、シエルのパティスリーで生活中。

 「……まさかあんたと一緒に朝ご飯を食べることになるとはね」

 「……こっちの台詞だ、居候」

 「居候はあんたも同じでしょ!」

 「喧嘩はノン! ピカリオは私の弟、ビブリーはお友達。これから一緒に暮らしていくんだから、仲良くね」

 かくして、職業訓練施設・キラ星には新たな更生プログラム参加者が追加されるのであった!

 どうでもいいですが、ビブリーとジュリオ(とグレイブ&エリシオ)は同じ世界で生活していたわけで、あの世界にはいくつか家具も存在していたのですが、食卓を一緒に囲むとかそういう場面は無かったのでしょうか。いやそもそもビブリーは100年の間、姿が変わらないなど人間の常識を超越しているので、ノワール配下はそもそも食事による栄養摂取が不要の可能性もありますが(仮に食事=生存のための殺しが不要となると、エリシオ関連がさらにややこしくなりそう)

 とりあえず外の空気を吸いに出たリオについて回るシエルは、キラパティ一行や同級生(ジュリオの被害は覚えていなかった)と会い、青果店のおじさんに彼氏かと冷やかされることに。

 複雑な事情で双子だけど苗字が違うんだよ、で誤魔化したのですが、多分周囲は「両親の都合」とか色々な誤解を生んでいそうなところ、海外で二人そろってパティシエ修行に出たけどリオ側がコンプレックスから袂を別って出ていって全く違う姓名を名乗っていた、というテンプレ的誤解より遙かにややこしい実態を抱えているので、これはギャグにしていい話でないような(^^;

 って、よく考えたら『美○しんぼ』の山○士郎と海○雄山なのか、リオとシエル。

 シエルに説得されワッフルづくりを試すリオは、キラキラルの精製に成功し、喜ぶシエル。そこに町中の菓子店の人々が、昨晩怪しげな影が次々とスイーツを台無しにしていったこと、その影がリオに酷似していたと言って詰め寄ってきた。

 「いやー、あたしの過去もバレるかと思ったわ。危ない危ない」

 一人でそそくさと逃げてきたビブリーですが、一応キラパティに助けを求めていて、タダでは悪人に戻りません(笑)

 というかむしろ、自分も過去をひっくり返すとジュリオと共犯なので、リオを助けようにも説得力はないから潔白なキラパティに助けを求めるしかなかった、というのが筋か。いちかもそれがわかりきっているからビブリーの対応を非難しないものと思われますし。

 今回のエピソードの内容を踏まえると、ビブリーがここで本心を巧妙に隠しつつもなんだかんだいちかたちキラパティの面々を信じて助けを求めに来ている、という描写がしっかり入ってくるのは秀逸。

 山に逃げ込んだリオを発見したキラパティ中学生組&ペコリン&シエルは、帰るように説得するが、リオは聞き入れない。

 「俺はキラキラルを奪ったし、ノワールの下僕だった。全部本当の事だ」

 「でも、昔の事ペコ」

 「罪は消せない!」

 一度悪人となった事実はついて回り、それが残る限り自分が許されることはないだろうということから、帰ることを拒み続ける。

 実は、ジュリオとリオが同一人物であることに気付いているのはこの場の人間だけだし、ここで「罪」を言う&問題にするのはリオ本人だけであることから、エリシオあたりが直接的にそのことをバラさない限りはその責任感を完全に放棄してしまえば問題なく過ごせてしまえるのですが、そうはならないのが本作。

 リオが罪の意識を持てる人間であることももちろんですが、見返すとこれ、いちかたちがバラさないとも限らないという考え(ビブリーと違っていちかたちを完全に信頼できていない)も多少なり持っていそう。

 「じゃあ、どこか遠くに行こう! お姉ちゃんと一緒に! 昔二人で、パリに行ったみたいに」

 「何言ってんだ! お前の夢は、いちご坂でパティシエの修行を続ける事だろ」

 「だってもう、離れたくない! ピカリオとずっと一緒にいたい……それも大事な大事な私の夢だよ!」

 凄く、危険な方向にこじらせてきた!

 キュアパルフェ誕生回でも闇の中で「パティシエを諦めてどこにも行かずピカリオと一緒にいる」という主張をしており、シエルのピカリオに対するべったりっぷりはエリシオの主張通り非常に危うく、闇に落ちたときの危険度が明らかにシエル>>>>>>>>リオで、正直怖いのですが(^^;

 「勘弁してくれよ。俺はお前といるとつらいんだ……目の前で凄いスイーツ作りまくって、また俺を闇に染める気かよ!」

 逃げ出すリオをペコリンに任せ、キラパティに戻った一行は、悩むシエルとともにリオへの差し入れのワッフルを作ることに。

 「食べてくれるか、わかんないけどね」

 「でも、どうしても伝えたくて。私たち、本当のリオ君の気持ちを知りたくて」

 「本当のピカリオ……?」

 「また俺を闇に染める気か、なんて、あんなの絶対リオ君の本心じゃない。他に何か気持ち隠してるんだよ。そういうの全部教えてほしい。私達を信じて、ぶつけてくれたらって」

 「……私、また……失敗するところだった」

 ワッフルをシエルが完成させるが、一方のリオはワッフルを作って祭壇に置き、街を去ろうとしていると報告に入ってくるペコリン。

 街中のリオの正体を探るマカロンとショコラの戦い(リオの正体は粘土兵で、ディアブルの能力で街の人々の憎悪が増幅されていた)の一方、リオを追う中学生組はエリシオに遭遇。エリシオをいちかたち三人が引き受け、駆けだすシエル。

 「やはり、光と闇の衝突は避けられないようですね。ならば……」

 カードを取り出したエリシオ、

 「ノワール・メタモルフォーズ!」

 まさかの変・身。

 過去の闇の下僕と思われる力ですが、甲冑に羽根にスピアと、無駄に格好いい(笑)

 いちご坂と外部の境界と思われる橋の上で、リオに追いつくシエル、背後からダイブして確保。

 「離せ! 俺はこれから、一人で生きていくんだ!」

 「また逃げるの?!」

 「何?!」

 「私から逃げて、スイーツから逃げて、ピカリオの中に何が残るの?」

 以前の過ちを繰り返すまいとしていたためか、遠慮気味にリオを諭そうとしている雰囲気だったシエル、ここに来て直球。リオを引き留めるためにこの選択肢が本当に最善だったかというのはともかく(下手すると単にリオを傷つけるだけだった)、いちかたちの言葉を受けて選んだ話で、相当な覚悟の上。

 「罪も私も、今はどうでもいいよ! ピカリオ自身は何したいの? どうしたいの? スイーツ作りたいの? 作りたくないの?」

 勢いでまくしたて、リオのワッフルからスイーツに対する熱意を感じ取ったシエルは改めて本心を問う。

 「そうだよ、作りたいよ! ずっと小さい頃から夢見てたんだ。お前と一緒に、凄いパティシエになること。だからこそ、置いて行かれた気がして……嫉妬して、闇に身を落とした。やっと……やっともう一度作れるようになったのに、簡単に忘れられるわけ無いだろ!」

 ……ジュリオとシエルの関係が判明した時からずっと思っていることですが、ピカリオは「無才」じゃなくて「努力を間違えた人」だし、本当に必要だったのはやっぱり、対等の立場で話し合える人間だったのでは……。

 リオの本心自体はわかり切った内容なのですが、皆川さんの泣きの演技がものすごいことになっているので、内容以上に強烈な本音の吐露といった印象に。

 本心を聞いたシエルは、いちご坂で二人の店を経営することを決意。

 「ピカリオ、あなたは一人じゃない。罪なら私も一緒に背負う……二人なら乗り越えられる。私達二人の力で、キュアパルフェが生まれたみたいにね」

 キュアパルフェ他のプリキュアの力も全部載せってこと、忘れないであげてください……

 それは置いといて、先の「また逃げるの?!」がもう一つ強烈なのは、今回「逃げる」という選択肢を先に持ち出したのはシエルの方だという点。

 「じゃあ、どこか遠くに行こう! お姉ちゃんと一緒に! 昔二人で、パリに行ったみたいに」

 な訳ですが、ここの「遠くへ行く」は目の前に積み重なっている問題(過去のジュリオの罪と向き合うこと)から目を逸らすのが目的であり、自分たちを磨くことが目的の「昔二人で、パリに行った」のとは完全に事情が異なっているにも関わらず「みたいに」と同一のことのように見せかけて進もうとしています。

 そして、その選択に付随するものはシエル自身の「いちご坂でパティシエになる」という夢の放棄。

 一見逃げようとしたリオをシエルが止めた、という展開なのですが、実はリオの罪と責任を盾に夢から逃げようとしていたのはシエルであり、そんなシエルがもう一度夢に立ち向かえるようにしたのはいちかたちキラパティの面々のアドバイスと協力だった、というシエルの成長エピソードだったのかもしれません。

 まあ「弟と一緒にいるためなら夢を捨てる」が「弟は捨てないし夢も捨てない」にランクアップしているので、相変わらず弟離れしないのが怖いですけど(^^;

 今回で解決じゃなく、壁にぶち当たる→互いの存在が原因でこじれる→いちかたちの助けも加わって自分たちで解決、を繰り返してすごく不器用に進みそうなのですが、この姉弟

 高空からの雷撃で攻撃範囲外に出ているエリシオに苦戦する中学生組。そこに事態を解決したマカロンとショコラが現れる。二人が足場になることで、ハイジャンプ攻撃をしかけるホイップ。

 「ホイップ・ステップ・ジャーンプ!」

 ……って、魔法陣アタックだ!

 (※特撮番組『アクマイザー3』に登場する必殺技。イビルとガブラが腕を組んでジャンプ台を作り、ザビタンがホップ・ステップ・ジャンプの掛け声でそれを使ってジャンプ、敵にアタックを仕掛ける技)

 「残念でした」

 届かなかった!

 こうなればフォーメーションを変えて命がけのアラモードアタックを、とはならず、駆けつけたシエルが変身、エリシオと空中戦。

 今回、空中を自由自在に動けるというアドバンテージを唯一有するキュアパルフェが活躍するように相手を空中戦仕様にした模様。初回のパルフェの基礎能力値の高さは完全に初登場補正で以降まるで活かされてませんが、今回の戦闘にパルフェが必要な理由としては一応成立。空中戦のサーカス機動に挿入歌と、演出もフル稼働。

 「相変わらずわかっていないようですね。彼の闇は消えない。あなたの存在がある限り、何度でも燻り、蘇る」

 「かもね。でもピカリオは、本当の気持ちを見せてくれたから……私、もう見失わない!」

 その言葉に(多分、登場以来初の)苛立ちの表情を見せるエリシオだが、ついに一撃を貰い、追撃のファンタスティック・アニマーレの餌食に。

 カードだけ崩壊して本体は脱出し、興味深いとつぶやいて去るエリシオ。

 ……ってこれ、プリキュア達に(カードの原料となった下僕の)キルマーク付いたのでは……(^^;

 エリシオがカードの詳細を前回説明した以上、プリキュアがそれを吹き飛ばしたことについて喜んでいられないような気がするのですが……カード化の時点で死亡(エリシオが殺した)扱いだからカード壊しても再度殺したことにはならないとかかもしれませんが、これが最後の方で効いてきたらかなりエグそう。

 翌日、シエルのパティスリーはパーティを開く。そこには謝罪に来た人々とそれを赦しつつ自分たちの至らなさを詫びるシエル、そして自作のワッフルをふるまうリオの姿があった。

 リオのワッフルは絶賛され、社会復帰の道のりはこれからだ!(あれ?)

 ピカリオ/ジュリオが罪の清算をして仲間に加入するのが主目的のエピソードなのですが、シエルの変化・成長まで組み込み、ビブリーやキラパティ一同の立ち位置まで細かく織り込んできて、細部まで徹底した作り込みのエピソードでした。

 次回、今回のラストで夢に向き合う決意を示したあおいに降りかかる試練。