7話
次々と小中学生の謎の飛び降り自殺が発生。
「俺はこれにGODが絡んでいるような気がする…」
い つ も の
「目的は何だ?!どんな手ぇ使って飛び降りさしたんだ!え?!しかもGODが絡んでるってなりゃ、これからも事件は起こるぞ!…何ぼんやりしてるんだ?!」
藤兵衛、唐突にキレる。
本郷がショッカーの仕業だ!とか言えばすんなり信じて動くのに、やっぱ敬介とは交流した時期が短いから厳しいのでしょうか。
「いや……なんだか、死んだ親父に叱られてるような気がして」
笑顔で返す敬介。
藤兵衛との交流により、外道親父、美化される。
叱られてたのももはやいい思い出の扱いを受けているんですけど、あの親父は叱るとかなんとかいう以前の理不尽がそこかしこに見えていた気がしますが、もしや本当に脳改造済みなのでは、敬介……。
で、どんな手段をとっていたのかというと、怪人イカルスが一人ずつ「鳥だ!お前は鳥になるのだ!」と暗示にかけて回ってた。
地味だ……
そして出る24人目の犠牲者、それは大門寺博士の娘、綾子だった。
敬介と藤兵衛の調査、その中で大門寺博士はこの10年ほどひそかに天才人間の研究を続けていた、という話が飛び出す。
「並の人間の10倍の頭脳と体力、そして、正義の心を持つ少年少女を作り出す研究…」
あ、大門寺博士、確実に危険人物だ。
さらに大門寺博士の家を訪れた敬介、事件の被害者の写真を見つける。
「私は天才人間計画をある程度完成させた。そして特に優れた中学生小学生を募ったうえ、本人の了解を得て、私の作ったこの薬を飲んでもらった」
人 体 実 験 じ ゃ ね ー か
それも本人の了解得たからOK☆みたいな言い方してますけど、
相手は小中学生ですよ?!
「これさえ飲めば君も正義の戦士さ!」とだまくらかしたんじゃないのか、と言う気さえしますが。
敬介が彼の研究を知ったのがあの外道親父から、という時点でまあ予想ついてましたが、アレに及ばずとも同系統の狂人であることに疑いの余地なしです。
残された被験者は大門寺博士のもう一人の娘、冬子だけ。彼女が思いを寄せる助手・瀬山と共に護衛にあたる敬介だが、イカルス率いる部隊に冬子がさらわれ、これを阻止。彼女を助け出したのは霧子だった。
えーとですね、何の前フリも区別の手段もないのに、敬介がどうして霧子と涼子を区別できるのか、よくわからないのですが。「冬子を助けたから善人→霧子だ」という判断なのでしょうか。
そして霧子はあっさりと涼子と自分が双子であることを暴露。こんなあっさり話すなら、引っ張る意味もなかったんじゃ……。その上で涼子は今でもあなたの婚約者なのですよ、と話す霧子に、顔をそむける敬介。
襲撃で傷を負った瀬山を介抱する敬介たちだが、実は瀬山こそイカルスの正体で、今度はGOD総司令の指示に従い、敬介と大門寺博士抹殺をたくらむ!…やけに切り替え早いというか、あっさり大門寺博士を切り捨てたな、総司令。
敬介を爆弾で攻撃後、大門寺博士に迫る瀬山だが、敬介は生きており阻止。だがあっさり退却するイカルスを見て不審に思う敬介は冬子を助けるため走る!
瀬山の「空を飛ぶことへの憧れ」の話が好きだった冬子は天使のペンダントをプレゼントするが、それを使って催眠術にかけ、鉄橋の上から飛び降りさせようとする瀬山。それを阻止したのは霧子…と、そこに一足遅く走ってきた涼子。どうも少女には優しい涼子、何か含みを持たせた演出なのでしょうか。
さらに遅れて現れた敬介は霧子に冬子を預け、イカルス打倒に向かう。だが瀬山の正体を知らない冬子も、瀬山を案じて走る……
「…姿を変えろ、イカルス!」
冬子が来る前に変身を促す敬介。
「イカルス!その姿を冬子さんに見せるな!」
冬子をせめて傷つけまいと、瀬山の正体を隠して倒そうとする敬介。是非はともかく、婚約者に裏切られた痛みを理解している敬介だから出た言葉であるために、深くしみる台詞。
力づくで瀬山を変身させた敬介は自らもXライダーに。Xキックを浴びせた後に、太陽に向けて放り投げる演出は、神話のイカルスの最期の再現か。キックを浴びせて地面に倒れた後に持ち上げて投げ、って流れなのでオーバーキルっぽくてえげつなく見えますが!
瀬山のペンダントが落ちてきたのを見て、瀬山がイカルスに殺されたのでは、と案ずる冬子に向け、イカルスは倒して瀬山は遠くに旅立ったのだ、と話す敬介。うーん、よくあるパターンだけど、こういうウソってどうなのかなあ。
この事件を経て、大門寺博士は研究の凍結を決意。
「やはり人間は自然にしておくべきだ」
何をどうしてそう思ったのかサッパリ意味が分からないんですが。
それはアレか、人類はいつかその身一つで飛べる!とか言ってた瀬山が怪人だったことに対する嫌味か。
この人、根本的におかしい人なので、改造してなければいい!として武装化フォー・ジャスティス!に走りそうな気がするんですが。
「改造人間は俺を最後にしたいもんだ」
なんとなく自分に重ねて納得して、敬介は明日も走るのだった!
8話
作業車にカブトムシが貼りつく→それめがけて地球型の大岩が転がってくる→下から怪人、というコンボは頭おかしくて悪くないと思います(笑)
その地球型の岩を武器にする怪人アトラスですが、Bパートでの決戦ではクルーザーが跳ね飛ばした岩によって叩き落とされたり、ライドルスティックでの回転キックで返されたりして、実力に疑問符がつくところですけど。
で、話の軸となる霧子と涼子の秘密と正体とその死とか、全てがどうでもよすぎました(^^;
単純に霧子も涼子も掘り下げが足りない。
霧子の死に様はどこからともなく飛んできた矢から敬介を庇って、という、もうあまりにあっけなくてひどいもの。哀しい音楽流して、スローで倒れる姿をじっくり映して、なんとか盛り上げようとするのですが、霧子は一応味方はしてくれるけど全てが意味不明の人なので、何も感じられませんでした。
さらには涼子も人質にされたエネルギー調査団(GODの狙いは彼らの調査する資源)の子供を庇って死ぬのですが、そこで明かされる実はインターポールという設定も、サイボーグでGODを裏切った時に自爆装置が作動するという設定も、何もかもここまでの話と噛み合ってない上やっつけ気味に処理。ひどすぎました。
で、涼子は「GODに潜入するため啓太郎教授に近づいた」と話してますが、どうしてあの外道親父に近づけばGODに潜入できると思ったのか。やっぱり黒幕は親父なのでは。
そんなわけで非常にひどい涼子・霧子の退場ですが、まあいなくても特に問題なさそうなんでそれはそれとして、今回登場の新しい第三の怪人の扱いも超ぞんざい。
顔見せるだけで終わった散弾銃と盾を持つ赤い変態仮面、いったい何者なんだ……。
というわけで、今回で長坂秀佳は降板とのことですが、父に加えて冒頭ナレーションで散々アピールされた二人のレギュラー死亡、と、明らかに製作現場の迷走が見えていて、いったいどこへ向かうのか。長坂さんがどれほどまで考えを練っていたのか定かじゃないですが、そこで腰を据えた『仮面ライダーX』が作られたら、どんな話になってたのか気になるところです。