11話
沼から出てきて、立ち入り禁止の札を立てる作業員二名にトカゲを浴びせ、毒ガスで殺す怪人ヒュドラー。
「下らん遊びはやめろ!水蛇ヒュドラー!つまらん人間にかまっているより、お前には大事な任務があるはずだぞ!」
ヒュドラーの目的は東京の経済を混乱に陥れること、と大きく出る総司令。さてどんな作戦を繰り広げるのか…
都内の病院にて、足を怪我して入院中の少年に見舞のリンゴを渡す敬介。病室に戻った少年は母から渡された入院費を看護師を通じて事務所に届けようとするが、入院費の封筒に光る謎のトカゲが。そして消える入院費!同じころ、都内各地でトカゲが貼りついた金銭が消失する事件が勃発!
け、経済を混乱って現金をちょこちょこ市井から盗むことなのか?!
なんて気長でみみっちい作戦なんだ?!
第5話(子供たちを誘拐して親を恐慌状態に、さらに凍結して将来奴隷にする)もそうでしたが、鈴木脚本回の作戦は何故、大きな目的に対してやることがやたらせせこましいのか(^^;イカルスの「鳥だ、お前は鳥になるのだ!」作戦(仮称)もセコかったけど、あっちは科学者誘拐で技術提供という、そもそもそれほど大規模な目的ではなかったし。
地下基地にて集まった現金を見てハイテンションのヒュドラー、作戦が成功して笑っているというよりも金が集まって笑っているように見えます(笑)
で、そのニュースを見る藤兵衛と敬介は、こんなことするのGODしかいないよね!と即断、さらにこの作戦目的は現金そのものじゃなくて経済の混乱だろう、そうなれば次に何か大規模な作戦を展開するはずだ!とライダーセンスを発揮して先を読む敬介。
その読みの通り、ヒュドラーは中央銀行からの現金輸送車を強盗する!……って、大規模なのは奪う金額だけですか(^^;これだったら素直に軍資金目的の方がまだ納得できるんですケド。
そこに現れた敬介はセタップしてXライダーに、ヒュドラーと激突しその首を落とすが、そこに監査役の援護射撃が!
「見事ヒュドラーに勝ったつもりかXライダー!」
なんと、ヒュドラーの首が動いて繋がり、復活!Xライダーは逃走する。
「深追いはやめることだな。それよりもお前はまずいことをしたぞ!」
「作戦は着々と遂行している!何がまずい?!」
「お前の眼には見えんのか!あそこだ!」
アポロガイストが指さした先には、双眼鏡でこちらを見ている病院の少年。少年は現金をどこに隠したか、それまではっきり目撃していた!口封じに向かうヒュドラー。
「秘密を見たのなら、かわいそうだが生かしておくわけにはいかんな」
意外と情があった(笑)
そこにライダー乱入。少年から沼の底に現金が隠されたことを聞き、再びヒュドラーと対決。
……Aパートからうすうす感じてはいましたが、この怪人ヒュドラー、弱い。
Xライダーにまともに攻撃を当てる場面がほとんどなく、むしろボコボコにぶん殴られ、蹴飛ばされています。もしや不死身能力に頼りっきりで、実技の特訓はおざなりだったりするのか。
「今度こそ息の根を止めてやる!」
と啖呵を切った直後に顔面パンチもらう(笑)
「ライダー!あれを見ろ!」
自分だけじゃどうにもならなくなったのか、マシンガン装備の戦闘工作員を指し示す。
乱射されるマシンガンをものともせず、ゆっくり歩いて近づき、戦闘員を蹴り飛ばすXライダー(笑)
連邦のモ○ルスーツは、バケモノか?!
よもや仮面ライダーで『ジャンパーソン』ばりのアーマーゴリ押し戦術を見るとは思いませんでした。説明も理由もなく無効化で、もはや潔い。
次に蛇を投げるヒュドラー。「どうだライダー、動けまい!」と強がってますが、普通に手足が自由でバリバリ動いてます。
おまけに新必殺技ライダーショック(数千ボルトの高圧電流を体の表面に流し、相手をショックで跳ね飛ばす技)で、あっさり拘束解除。
もうなんか、Xライダー強すぎて、ヒュドラーが哀れ(笑)
肝心の不死身能力も首を落とされてもくっつけるだけで、腹を刺されたらダメージがあるらしく、沼の中の現金を発見された上にXキックで爆殺されるヒュドラーであった。
ギプスを外し歩けるようになった少年を見舞に訪れる敬介で締め。話の流れを見るにこの少年、敬介=Xライダーであることに気づいているはずなのですが、敬介は特に隠そうとしているわけではないし、少年も特に言及しませんでした。
12話
TVのバラエティで透視やスプーン曲げの超能力を披露する少女・河村恵子。それに怪しげな視線を向ける男。邪悪な気配が邪魔をして超能力を発揮できない恵子だが、その男がスタジオを離れると難なく曲げて見せた。
それを見て、店のスプーンで自分もやろうとするおやっさん(笑)
当然うまくいかず、そこにやってきたのは超能力少年・関口淳(本人役で出演)。次々とスプーンを曲げてしまう。
関口淳は当時の超能力ブームの牽引者で、後にトリックであることが判明して一気にブームが沈静化した、という話ですが、このXライダー撮影時のスタッフはどのように彼を見ていたのでしょうか。
超能力が悪用されでもしたら…と不安になる敬介は店の外に怪しい気配を感じる。外ではアポロガイストがバイクで走り去っていった。ここの監査役の行動の理由はこの後にも特に示されてないのですが、これは敬介の動向を監視していた、と見ていいのでしょうか。走り去っていくシーン、やってきた方向にトンカツ屋の看板があるので、飯食ってただけというのが真相の気がしないでもないですが(笑)
さて、恵子とその母に怪しい視線を向けていた男の正体は怪人キマイラ。撮影セットのお岩さんを介して伝えられた命令は、恵子を誘拐して超能力研究者である彼女の父・河村博士をGOD機関に協力させる人質にするというものだった。今回は目的をスケールダウン化することで、作戦の細かさは納得がいく範囲になりました。
誘拐された恵子と母を人質に、交渉人となるのは監査役アポロガイスト!テレビに人質を映す。
「ご覧になりましたか。我々の組織は独自のチャンネルまで持っているんですよ」
すごいのかすごくないのか、よくわからん(笑)
独自チャンネルって普段何を流しているのか、放送免許取れたのか、もしかして『チャンネルGOD、月額1000円』とか裏で広告してたりするのか、そして内容は洗脳用サブリミナル砂嵐とかだったりするのか、色々疑問が尽きない話です(笑)
翌日正午までに答えを聞く、と述べて去るアポロガイスト。それを追いかける敬介はキマイラと激突する。キマイラの部隊が弓装備なのは、もしかして前回銃が通用しなかったせいなのでしょうか。
「俺の一万度の火を受けてみろ!」
炎に包まれるXライダーでAパート終了。
Bパート、内側から超能力で鍵を開けて脱出しようとする恵子と母。
見張りとか置かないのか。
そこに立ちふさがるアポロガイストと、呼ばれて現れるキマイラ。
「相手は超能力者だ!見張りもつけんとは、何事だ!」
監査役、完璧なツッコミを入れる(笑)
お前みたいなダメ怪人は極刑だ、とキマイラを殺そうとする監査役に、Xライダーを倒したんだから見逃してくれと命乞いのキマイラ。
……え、倒したの?(^^;Aパート炎に包まれただけで終わってますから、あの状況で倒したって話になると、実は生きてたって話は通用しなくなると思うんですが。
監査役、真偽を確かめるために藤兵衛の下を訪れるが、敬介は来ていない。と思っていたら、頭に包帯巻いた敬介が隠れてました。死を偽装した旨の発言があるので、どうも崖下に意図的に落ちて炎から逃れた、ということなのだと思いますが、シーンがないので実際はどうだか。尺の都合でカットされたのだとしたら、そこは一番カットしちゃいけない気がします。
正午、河村博士は要求をのんでGODに連れられ移動。……車内で自分のライター使ってタバコ吸うのって、けっこう度胸がいる行動のような。だがそのライターは実は藤兵衛が渡していた発信機搭載のもので、移動場所がわかるように。目的地は博士の研究所だった。
妻と子と再会した博士だが、GODに忠誠を誓うものはサイボーグ化されて監視される掟(第8話で描写)のため、一家そろって改造手術のピンチに!
「来るわ…来てくれるわ!」
「恵子、何が来るの?」
「なんだかわからない。でもとっても力強いものが、私の方にぐんぐん近づいてくるの」
仮面ライダーというヒーローの力を表現するセリフ回しとしてはいい台詞。恵子役の演技がもうちょっとしっかりしていればよかったのですが。
セタップしてクルーザーで空を飛び駆けつけるヒーロー、壁をぶちぬいて見参!
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス!」
じゃなかった。
突入したXライダーは河村一家を助け、キマイラと対決。また一家は藤兵衛の車に乗り、戦闘員をひとしきり殴ったおやっさんは博士の運転する車の荷台に乗ろうとするが、うまく乗れず焦る(笑)
炎の幕を張って近づけまいと強がるキマイラに、あの熱を下げれば!と水を被って突撃。……一万℃に水って文字通りに焼け石に水では。
「遅かったか…Xライダーめ、さすがにタフな奴だ」
駆けつける監査役、って助けるつもりだったの?!
失態に怒って処刑仕掛けてたはずなんですが(笑)
敬介がだんだん今までの仮面ライダーと似た傾向のヒーローになってきて、ちょっと特色を削りに行くのはもったいないとも感じられるところですが、ネタ的に切れ味はそこそこ良く、だんだん馴染んできました。
そして、怪人の態度や作戦にツッコミを入れる監査役アポロガイストが面白い(笑)声もかっこいいし、ちょっとこの人にはXライダーの方よりも感情移入しているかもしれません。