33話
珍しく戦隊などで活躍された高久進が執筆。
ヒマラヤから来た死神妖怪ワーラスは、彼に殺された家族の仇を討つためにやってきた中国人少女を利用し、ツムジやハヤテ一行を死の世界に誘い出す、という内容。
場面転換の無理のあるところとかはともかく、製作された時代を考慮しても、あまりに説明台詞が説明的過ぎて萎えます(^^;ワーラスを仇と狙う少女もろくすっぽ話に絡んでこないまま、ツムジ殺害に失敗した後ハヤテの味方になろうとしてあっさり殺される、とひどすぎる扱い。
死の世界の霧立ち込める雰囲気とか、髪の毛とられて妖力を失うワーラスみたいな、映像はところどころ悪くなかったのですが。
一番の衝撃は、ワーラスに誘われるツムジの、道中で見たドクロに対する反応。
「なーんだ、ドクロか。珍しくねえや」
そーなの?!
江戸時代の恐ろしさを垣間見る一幕。
34話
出だしから姫路城が西日本の統治にどれだけ重要か示すナレーション。そして大魔神像がその姫路城をにらむ…ヒロミネ山?ヒノミネ山?(兵庫県の山を調べてもそれっぽい名前の山が見つかりませんでした。架空?)の山頂に移動していた。
姫路の城下を臨む日本を半分ずつ征服するため、姫路城をまず制圧する作戦…を実行するのに忍者大秘巻が二つ揃う必要があるため、嵐を呼び寄せる策を練る道人。
「姫路十五万石、本多忠正家の御家来集だな」
通りかかった武士を斬るその男が傘と羽織を捨てると、中から出てきたのは嵐!全員を切り捨てた後「嵐見参」の文を置いて逃走。手練れの家臣を斬るなど只者ではないと街中を必死に捜査するよう命じる本多家老…
ということで、ヒーロー定番の偽物展開を時代劇風にアレンジして使用。ここまでの流れが開始わずか5分足らずという猛烈なテンポの良さで展開。
33話があまりにもひどかったというのがあるんですが、こういう必要な事項をなるべく簡潔に説明して見せていくのが伊上勝は上手い。
で、にせ嵐は容姿がほとんど嵐と同一で、視聴者視点にもパッと見た感じ違いが分からない見た目にされています。目つきが悪い方が偽物、も通用しない。
そんなわけで捜査を始める本多家の兵たち、門の上の嵐を見逃す。
あんなド派手な衣装で気づかれないのは、あれで実は忍んでいるのか嵐……。
だが姫路城の守りに当たった伊賀忍者・小次郎は会話から嵐を偽物と見破り、戦闘。バラバラに分裂した嵐の体から流れてきた泥が人の形を作る。その正体は西洋妖怪ゴーレム!小次郎はゴーレムの技・蟻地獄に敗れる。
魔神像を探すハヤテ一行、池のそばでツムジにすいとんの術の修行を行わせる。ふんどし一丁で池に入ろうとするツムジ。
サービスカットか、サービスカットなのか?!
どうしてカスミにさせないんだ…(役者のスケジュールで32話を最後に降板とのこと)
そんなツムジの足をつかむ手、ツムジごと引き上げるとそれは小次郎だった。大魔神像の所在を突き止めたことを伝えるも、にせ嵐については伝えられないまま力尽きる小次郎。
タツマキが大魔神像を探す中、本多家には嵐の正体はハヤテであることを示す矢文が届き、詰め寄られるハヤテ。無実を証明する助けをタツマキにしてもらおうとツムジに指示をだし、連行される。
牢に入れられるが、一向に自白しないハヤテに出される食事。それを食べるハヤテ。
「罪を恐れず、平気で飯も喉を通るとは!いよいよもって呆れたやつ…」
「いちいち文句を言うな!飯がまずくなる」
無実とはいえ、妙に肝っ玉が据わってるなハヤテ(笑)
いざとなったら変身して逃げられるという部分も込みの気がしますが!
だが渡された食事は毒が盛られており、吐血して倒れるハヤテ。食事を運んできた武士はゴーレムの変装であり、御家老他をなぎ倒して地の巻を奪おうとするが、ハヤテは持っていない。そして動き出すハヤテ。
「ハヤテ!南蛮渡りの馬を殺す毒を食って死なんのか~!」
「あいにくだったな!忍者はどんな毒にも平気な訓練がしてあるんだ!」
ニンジャ・万能説
だが蟻地獄に飲み込まれるハヤテ。地の巻を奪うため、再び嵐に変装してタツマキに会うゴーレムだが、ツムジがそれを見破る。
にせ嵐の特徴:首巻(マフラー)が逆、羽の紋も形が違う!
うーむ、視聴者視点だととてもわかりづらい差異(マフラーは動くので向きを気にしづらいし、羽の紋は小さいためアップしないとyoutube画質では潰れて見えません)ですが、しかし確かに違う上、違う部分を二か所にして説得力を与えています。その気づく役目を視聴者層に近い年齢のツムジに与えたことも良く、またこの展開でこの頃若干役立たず気味だったツムジの株も上げました。
偽物ヒーローをなるべく本物と近い姿にしたうえで、見破る展開をできるだけ自然に見せたのはお見事。
本物の嵐が登場し、にせ嵐と対決。にせ嵐は首を落とされるが、ゴーレムは地震を起こすなどして逃走、ある屋敷へ逃げ込む。その屋敷で網に拘束される嵐、そこに現れる既に倒したはずの西洋妖怪・ドラキュラ、狼男、フランケン!悪魔道人によって復活した彼らが嵐を傷めつける…
本作二度目の再生怪人登場ですが、今回は拘束中の嵐を袋叩き!前後編なので決着を次回に引っ張って、嵐は本当にかつてないピンチ。
「いかん!今度ばかりは嵐が危ない!」
あ、そういやこの人(月ノ輪)がいた(笑)
と言うわけで月ノ輪も保証する嵐のピンチ、殴られ倒れ込んだ嵐にドラキュラが噛みつくところで、続く。
にせものヒーロー展開としてはうまいことまとめた印象で、再生怪人登場でかつてないピンチを演出する気合の入った前編。さて、次回まとまるか……。