『Go!プリンセスプリキュア』の感想。
夏休み、はるかの実家へ向かうことになったプリキュアチームのみなさん。
ゆいちゃんも今回は連れて行ってもらえました(笑)
春野家のある場所は昔ながらの町並みを持つ宿場町。街の中の川を行く舟渡しとか、なんとなく「ロケ地:倉敷美観地区」のような雰囲気なのですが、埼玉県川越がモチーフじゃないかという考察をtwitterで見ました。
スーツケース三つではじめてのお泊りにワクワクドキドキのみなみさん、春野家にスーツケース一杯のメロンをプレゼント。
この夏場にその運搬は、さすがに無理があるんじゃないか(^^;
そして休みなんだから変わったこともしたいと、みんなでお手伝い。
お客様のあんみつに反応するトワ。どうやら望月先生との思い出の品になったようです。
御馳走になって「申し分ないわ」というナチュラル上から目線ですが!
妹からどういう意味か聞かれて「おいしいってことだよ」とごまかすはるか(笑)
その後風呂上りに、夏には町を挙げてのイベントもあることに言及するはるかに、肝試しもあると告げるももか。
「き、肝試し?」
「大丈夫です、やるのはお盆からですから!」
てっきり、あの回だけの一発ネタかと思われたら拾われました(笑)
誰だって苦手なものはあるでしょうと返すみなみに、引っかかるものを感じるトワ。
そして翌日、流しそうめん、トウモロコシ、スイカの種飛ばしと庶民の食生活に戸惑うトワとみなみ。
戸惑って積極的にいかないトワに対して「夏休みの体験ね」とやたら積極的なみなみの対比。正直、この両者は「家柄からの周囲の期待」「それに対する義務感」という二点でかぶっていて、早い段階で差別化しないとまずそうだなあと思っていたので、ここで反応を変えてきたのは良かったところ。
夕方、畳で寝るトワはディスピアにまたも捕まる夢を見る。目を覚ますとそこにいたのは眠るパフ&アロマとトワをうちわで扇ぐみなみだけ。
「少しうなされていたわ。悪い夢でも見たのかしら」
「いいえ、なんでもないわ」
「その言葉、わたしもよく使ってしまうのよ」
「え?」
「心配をかけたくなくて、つい、ね。でも、話すことで楽になることもあるわ」
上でトワとみなみの立ち位置が被り気味という話をしましたが、ここで家柄などの環境でトワに一番近い立場にいるみなみだから飛び出すセリフというのが入ってきます。
加えて、前回同様に「トワと関わることでプリキュア側も自分のこれまでを見つめ直す」という要素が入っているのも、上手い。
プリキュア側はトワのこれまでの悪行や宿命について、勝手に許したり無理に共感したりはできないのですが、意識を共有できるポイントが全くないわけではなくて、だったら話せる友達や仲間が必要なのではないか?と踏み込んでいきます。
「夕方、この時間になると、トワイライトのときの記憶を思い出すの。また闇に飲み込まれてしまうような気がして……夜が来るのが、怖い」
それに対して「絶対に共有できない、他のメンツが体験したことがない経験からくる恐怖」を打ち出してくるトワという流れが、凶悪。
みなみは何も返さないまま(ここで何か返しても薄っぺらくなるだけなので当然ですが)、はるかに呼ばれてトワと一緒に外へ。
河原で花火を始める一行だが、交わらないトワ。決して、花火ならドレスアップキーで使ってるから面白くないとかではありません、決して。
花火を使いきると、第2のスーツケースに詰め込まれた花火。
スーツケースで運搬していい量なのでしょうかこれ、というかメロンに引き続き、ものの運搬に無神経すぎですみなみさん(^^;
花火を持ってトワに近づき、今でも夜が怖いのかと聞くみなみ。
「夜が怖くなったら、こんな風にみんなと一緒にいればいい。もっと私たちを頼ってもいいのよ」
素直に見れば「一人だけでどうにかならないこともあるんだから、もっと他の人の力も大切だよ」なんですけど、なんかそれ、「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」という危険を感じるのですが(^^;
みなみの言葉に対して、ちょっとトワの抱えているものは重過ぎる気がします。
線香花火を近づけるシーンを入れて、二人の距離が縮まってきたことを示す演出。
「みんなといればオバケも怖くない?」
「え?ええ、多分、少し…」
カウンターを食らうみなみ。
そこの川に流れてくる渡し船、それはシャット!リストラ寸前の彼は旅に出て気を紛らわそうとしたが落ち着かず、トワの姿を見て怒りを燃やし、消防団員をゼツボーグに変えて襲い掛かる!
「元トワイライト様」という言い方が、今回の見どころ(笑)
そして、もうすっかり避難誘導役が板についているゆい。
「うるわしきブラックプリンセス、私はあなたに一生お仕えするつもりでいた。それなのに…かわいさ余って憎さ百倍!消えるのみ、トワイライト!」
てっきりこれからもう一度闇に落として「私のトワイライト様」を取り戻そうとするのかと思っていたら、あっさり抹殺路線に(^^;
ゼツボーグの攻撃から間一髪、トワを助けるみなみ。
「邪魔をするな!私が狙うのはトワイライトのみ!」
「それなら用事は無いはずよ!この子はもうトワイライトじゃない。私たちの仲間……紅城トワよ!」
「トワイライトだった」ことを否定はしないけど、「今ここにいるのはトワ」だということを最大限肯定して、トワの居場所を固めてくるみなみ。下手をすると「過去の過ちを償うため戦っている」というトワの立ち位置を揺るがしかねない危うさがありますが、ギリギリ抑えました。
4人の仲間が力を合わせ、ゼツボーグを撃破。
トワイライトはともかくとしても、キュアスカーレットにまで美しいと言い出すシャットさんの美的センスが、だんだんわからなくなってきます(^^;
帰り道、談笑の一行。
「まったく、あいつらのせいでせっかくの花火が台無しになっちゃったね」
「いいえ、悪くありませんわ。眠るのがもったいないぐらい、楽しい夜ですわ」
仲間の存在に拠ることで、トラウマも克服したトワ。夏だから少し夜更かししてもいいよね!まだ遊ぼうと叫ぶはるかに、最後三つめのスーツケースを運ぶみなみ。スーツケースの中身は明かされず、想像させる形で締め。
……メロン、花火と来て三つめにはいったいどんな危険物が入っているんだ(待て)
みんなで渡れば 怖くない!!
はるかの家族にスポット当てるかと思いきや、トワとみなみ交流編。トワをプリキュア側に引き込んでいくために、それを誘導する役目がはるか・きららと続いたので今回はみなみ、ということなのでしょう。
その点、みなみが自分の立場からトワと同様の「みんなに心配かけたくないので、つい大丈夫と言ってしまう」というところで踏み込んでくる(それについて、オバケが嫌いな設定とそのエピソードも拾ってきた)のはよかったのですが、それに対してトワが抱えているものがやはり重すぎる(そしてみなみたちには共有できない)ような気がして、「みんなでいるから」がしっくりくる解決のように思えませんでした。
まあ本作「最終的に自分で立ち上がって自分の夢を目指す」が基本なので、「みんなに頼る」を絶対の正解としなかったことや、トワが自分を肯定してトラウマを乗り越える、という結末になったのは良かったです。
脚本担当した成田良美さん、21話に今回とちょっと気になる部分があるけどいい仕事、というかボロクソにけなしてすみませんでした、って気分です。
今までの(『ハピネスチャージ』より前の)成田さんの作風や実力から言えば今回ぐらいので水準の出来だと思うのですが、うーん、しかし14話と16話はどうしてあんなひどかったのだろう(^^;明らかに色々情報が行き届いてないまま書いた、って感じだったのですが。
次回、今度は妖精とトワのエピソード。