39話
今明かされる月ノ輪の正体。それはハヤテの双子の兄、フユテだった!ともに正義のため戦おうと誓い合う二人。
えー……テコ入れの後付設定なのは間違いないのですが、ハヤテが傷を負うとフユテ(月ノ輪)も同じ場所が傷つくとか、そういう説得力を与えるための説明すらも後付設定(これまでの話では嵐のピンチでも月ノ輪がピンピンしてました)なので、すっごい白々しさだけが増えていきます。
百歩譲って生き別れの双子の兄設定は理解しても、何故生き別れたのか、どういう理由で海外で戦っていたのか、何故変身できるのか、色々してほしい説明は完全に放棄(^^;
と、そこに正体を見破りたくて死んだふりしてた骸骨丸が復活。
「正体が分かれば恐るるに足らず!」
なんで?
変身能力無くてもハヤテと同等の実力者ってだけで十分脅威だし、変身後は嵐と互角以上の戦力ってことに変わりがないのですが、もしや新たな脅威に錯乱したのか骸骨丸。
ハヤテは前回囚われたくノ一二名(カゲリ・ツユハ)を助けるため魔神斎の待つ地獄谷へ。フユテたちは骸骨丸と対決。当然ながら月ノ輪の前にあっさり敗れた骸骨丸は、魔神斎の秘密を材料に命乞い(笑)
「ええい裏切り者!貴様の不死身の魂は消え、地獄の業火で燃え尽くしてやるわ!!」
怒れる悪魔道人によって焼かれ、骸骨丸、死亡。
序盤の時点で度重なる失敗からどんどんひどいことなってた人でしたが、最後の最後はさらに輪をかけてひどかった……。
そして悪魔道人、自分のことじゃないから別に話しても害は無いはずなんですが、意外と友情に篤い人だったのか(笑)
カゲリとツユハの命と引き換えに忍者大秘巻を渡すハヤテは、火口の底に二人を発見、降りていくも、魔神斎は綱を焼き切って上がってこられないようにする。ハヤテは変身し、二人を抱えて飛び上がるが、魔神斎は雷で攻撃。
嵐は二人を救出するも、転落。そこにやってきた月ノ輪も飛び降りて、嵐の下へ向かう……。
ついに天地二巻を手にした魔神斎と悪魔道人。
「俺が持つ天の巻!」
「俺の手にある地の巻!」
「二巻はついに我らが取った!」
「日本制服はなったも同然!まずはタツマキめらを血祭りにあげようぞ!」
仲いいな(笑)
捕まるタツマキたち。魔神斎と悪魔道人は嘲笑いつつ彼らを処刑しようとするが、そこに高笑い。
「悪がはびこる限り、正義は不滅と知るがよい!」
ハヤテとフユテの命は融合し、新たな力を持つ新生嵐となったのだ!!
肝心の新生嵐ですが、武器は違うみたいですが見た目は頭の羽が金色になったぐらいしか目立った変化がなく、いまいち生まれ変わったという気になりません(^^;もっと月ノ輪の意匠取り入れてくれればいいのですが、予算か、予算がなかったのか。
「これを受けてみろ!!」
と、オレンジ色のへろへろしたあまりにも見た目弱そうなビームを悪魔道人に発射。食らった道人は谷に落下し、爆散。悪魔道人、死亡。
飛んで逃げようとする魔神斎、追いかけてきた嵐に殴られ、爆散。魔神斎、死亡。
奇蹟の逆転劇にしたって、ここまで引っ張ってこられた悪の首領×2の最終決戦とは思えないぐらいのあっさりっぷりで、色々衝撃の展開。
骸骨丸の言う秘密…それは魔神斎の正体は機械人形というものだった。魔神斎も、悪魔道人も、全ては大魔王サタンの遣わす手駒に過ぎなかった!!
「サタンが住む妖怪城を根城に、日本中を手に入れてやる!見ておれ、見ておれよ!」
と、ここで真の黒幕登場。まあ道人・魔神斎ともにここまで来たらこれがラスボスは無いよな、って空気だったので、納得の範囲ですが。サタンを演じるのは死神博士でおなじみ天本英世さんですが、その衣装とカツラはどうにかならんかったのか(笑)
忍者大秘巻はタツマキとツムジが運ぶことになり、ハヤテは兄の魂を胸に一人だけ戦いに向かう、ということで忍者大秘巻争奪篇(および西洋妖怪編)が終わりました。
テコ入れ展開であることは承知していますが、各種要素をいよいよもってまとめきれなくなった結果、強引に処理してリセットからの再スタート、という感が強く、面白いとかなんとかいうよりも良くも悪くもすごすぎた(^^;
そもそも、当初のヒーローとしてのコンセプトである「父の過ちを償うため」が本当に影も形もなくなってしまったけど、明日はどっちだ?!
40話
終盤のここにきて大胆にOPが完全変更されましたが、サタンのUFOに乗って登場というイントロはなぜそうなった(笑)
サタンの目的はやはり日本征服。そのために世界各地の妖怪を復活させることに。まずカナダの妖怪・インディゴを復活させ、連れて帰る。
「我が妖原子エネルギーの放射能を浴びて、1000年の眠りより目覚めよ」
もはや何でもありの世界観だとは理解しているつもりですが、一応時代劇なのに「妖原子エネルギー」とか「放射能」とか飛び出すと、ちょっとううーん、ってなります(^^;
サタン、UFOとか自動ドアの秘密基地とか、これまでのファンタジー・伝奇路線と違うSF風のキャラクターとして造形されているのは明確ですが、名前は既存の悪魔の名前で見た目は完全にファンタジーの魔王なので、かえって「放射能」みたいな明らかに近現代の科学、という雰囲気の言葉が出ると何とも言えない引っかかりが大きくなっていきます。
いっそ現実に存在しないエネルギーの名前をでっちあげる(妖原子、はまさにそれなのかもしれませんが、「原子」という現実の単語が入るせいでちょっと弱い)とか、「妖術」「魔術」などと割り切った方がましなような。
で、UFOに一緒に乗るインディゴとサタンが微笑ましい(笑)
新しい代官が来てから裕福になったという村人たちが、インディゴに襲われ血を吸われる。これを見たハヤテは妖怪の出現を代官所に伝えに行くが、代官と話しているうちに何者かの気配を天井に感じて、攻撃!
天井から落ちてきたのは西洋怪人モズマ…じゃなくて、イタチ小僧!
演じているのが同じ潮健児さんなのですが、団子鼻のメイクと髭で本当に別人に見えるからすごい(笑)
あっさり牢に放り込まれるイタチ小僧だが、あっさり脱出。
「むざむざ捕まるイタチ小僧様じゃねえ。この俺様が目をつけたからには千両箱の一つや二つは」
そう言って代官所を探るイタチ小僧だが、代官が人から集めた生き血をサタンに捧げているところを目撃。代官はインディゴがすり替わっていたのだ!代官の娘はそれを知り殺されそうになるが、ハヤテが救出。
そして、眠るハヤテは月ノ輪の記憶から母の夢を見る。今後はここを軸に展開していくのでしょうか。
翌日、イタチ小僧はインディゴによってつるされていた。
「あたしゃ高所恐怖症なんですよ!インディゴ様、いっそあなたに血を吸っていただいた方がどんだけ幸せなことか」
「お前なんかの臭い血が吸えるか!」
サタンに必要な献上物かと思っていたのですが、好き嫌いで決めていいのか(笑)
そこでインディゴ、イタチ小僧をつるす綱にろうそくの火を置いて、ゆっくり死ねと脅して放置。…って、どこかで見たようなと思ったら『仮面ライダーX』でも鈴木生朗脚本回で、神敬介に同じ拷問を仕掛けていました。あれはここからの流用だったのか。
そこへカゲリとツユハの姉妹登場。操られてる村人に容赦なく手裏剣を叩き込んで、イタチ小僧を救出に向かう。綱が切れて間一髪のところをハヤテが登場で助かるイタチ小僧。
インディゴを倒せば村人は元に戻るはずだ、と急ぐハヤテだが、激突したインディゴ相手に生身では苦戦。
「やむを得ん!変……身!!」
と、ここで変身忍者嵐の新しい変身バンクが登場。簡略化されて冗長じゃなくなり、見た目もこれまでの変身を踏襲した上でスマートにかっこいいものになりました。ジャンプからの変身がまんま仮面ライダー2号なのが、ちょっと面白味ないですが。
で、新生嵐は刀がなくなって、素手ごろに。まあ、イノシシブライの話とか見るに、素手の方が強かったと思うんですが、嵐。
苦戦するインディゴを見たサタンは、円盤内で一人の女性を嵐に見せる。それは、ハヤテの母!嵐が変身するたびに彼女が死の苦しみを味わうのだという!
フユテの動きとかハヤテの母が何故サタンに捕まっているのかとか、ハヤテの肉親関係後付設定が何も説明をつける気がなくて、恐ろしい。
ハヤテは変身を解き、インディゴに痛めつけられるが、母は私にかまわず戦えと説得。
「お母さーん!正義のためです、許してください!」
あっさり振り切って本日二度目の変身バンクと、もうしっちゃかめっちゃか。
戦う嵐は必殺技「正義の光線・ガンビーム」を発動してインディゴ撃破。落ちている鈴(インディゴが落としたのか、UFOからサタンが落としたのかは不明)を拾ったハヤテだが、サタンは母と引き換えにそれを返せと迫る。しかし、ハヤテの母はその鈴こそサタンの城の謎を解くカギだと話す。それに怒るサタンは呪いで彼女を盲目にしたうえで、谷底に落とした。やっと再会できたのに、行方不明になった母のことを叫ぶハヤテ……
サタンのえげつなさにはさすがにちょっと引きましたし、これは倒すべき巨悪だという印象を視聴者に見せつけるには十分な効果を発揮したと思いますが、話としては新展開のために色々なものを無理矢理1話に突っ込んだ結果、情報量がとんでもないことになり、ごちゃごちゃして今回の話の焦点が不明瞭になってしまうという、あまりにも壮絶にひどいエピソード。
正直、脳の理解が追い付きませんでした(^^;