クビライに呼び寄せられやってきたヘスラー指揮官の弟、ヒムリー。馬頭星雲の毒蜘蛛タランチを操作する能力を有するヒムリーは、シャイダーに毒を与えて窮地に追い込んだ。タランチの猛毒を受けては二度と立てることはないだろうと、報告するヒムリーに贈られる金の剣。それは大幹部の素質あるものに贈られるものであり、ギャルの進言もあってこのままでは自分の地位が危ういのではと悩み始めるヘスラー。
ここまでヘスラーがどういう人物か深く見ていくことはなかったのですが、一応自分の地位を心配するという面はありました(笑)
どういう経緯や功績によってこの地位にいるのか、そういう話が出てこないので、地位への執着とか軸にされても唐突感ばかり強くちょっと困る話ですが。
ヘスラーの心配通り、ヒムリーの目的はは兄を蹴落としてフーマの幹部に座ることだった。……だったのですが、今回唐突に出てきた兄弟関係で、過去の説明も「ヒムリーは昔弱虫だったけど特訓して今こんなに強くなった」ぐらいしかなく、兄との対立の原因となる部分が一切説明されないため、ただ話だけが流れていって面白くありません(^^;
ギャルの進言がない限りはヘスラーもヒムリーのことを優秀な弟として仲良くやってそうな雰囲気ですが、ヒムリーは最初から蹴落とす気満々と、この兄弟の過去に何があったのか。まあヘスラーは悪人なのでそりゃ過去にヒムリーに対してひどいことをしたとかそういう話があってもおかしくないですが、あくまで推測どまり。劇中で見せられる設定や描写の材料が少なすぎて、全く飲み込めない展開に。
悪役の兄弟=仲が悪いものという、無茶な前提から話を組んでいるとしか思えないのですが。
シャイダーはこのまま死んでしまうのか……と思ったら、予想通りバード星の血清で治癒。
『宇宙刑事ギャバン』でもギャバンを救うために使われた血清だと説明され、一応の世界のつながりを見せるのはいいところですが、バード星が万能過ぎて、命の危機が成り立たない(^^;
大はパトロールに出ようとするが、必死で阻止するアニー。
「はやくハンドルを握れるようにしなきゃ、パトロールもできやしない」
「パトロールはあたしがするから。だからシャイダーは休んでて」
「大丈夫! ……あっ」
「ほら、まだ無理よ! ……強情っぱり!」
なんだこの夫婦(笑)
アニーは一人でフーマに立ち向かうが、ヒムリーによって穴に落とされる。穴の中で蜘蛛に襲われるアニーはSOSを出し、シャイダーが救出。
ヒムリーとシャイダーの一騎打ちは意外とかっこよく、剣劇や光線の撃ち合いで互角の勝負を演ずるヒムリー、という映像は今回よかったところ。
ヒムリーとヘスラーは、ヒムリーが前衛をして時間差でヘスラーがとどめを刺す、という作戦を考えるが、ヒムリーの攻撃に後ろから走ってきたヘスラー、ヒムリーを一刀両断!
「蜘蛛は、嫌いだ!」
続けてシャイダーを斬ろうとするが、ヒムリーがヘスラーに光線を浴びせ、ひるんだところをシャイダーの反撃を受けて傷ついたヘスラーは撤退。直後にヒムリーも爆発。
……えー、唐突に表れた幹部の弟が、唐突に兄の地位を狙った結果、唐突に切り殺されるという流れを一話の中に収めました。
ヘスラーは地位を守ったみたいな扱いになってますが、どう考えても有用な戦力のヒムリーを殺したことについて咎められる気がするんですけど。というかまともに作戦を展開していればシャイダーに勝てるチャンスだったとさえ見えるのですが、今回。
鳴り物入りで登場しながら、特に個性も因縁も何もなくそれらを作るチャンスさえ用意されずに一話で死んだヒムリーはとことん哀れ、としか(^^;
率直に言って、何しに出したのこの人?
次回、超能力少年。