27話
OPに怪獣登場。今度の敵はまた巨大路線かしら。
織田信長暗殺をたくらむ武将・夕里弾正は、その暗殺を根来忍者に依頼。根来の頭領・暗闇鬼堂は、弾正に対し「夜の世界の天下」を条件に依頼を受ける。
弾正の姿が青い隈取にもっさりした濃い髭と、露骨すぎるぐらい悪人フェイスで、正直、一目見て笑いました(笑)
この時代のこと考えると「夜の世界の天下など価値がない」かもしれませんが、そこから価値を生み出すつもりが全くない弾正は、もうすでに武将としてダメな匂い。
まあ、織田信長は実在人物なので、どうあがいても勝ち目はないのですが!
(逆に赤影が説明なしに正義で通るのは、信長や秀吉など歴史の勝者の味方をしているからとも言えます)
第一の刺客・みずすまし流馬は岐阜城の信長を殺そうと現れるが、既に赤影たちが警護についており、戦闘。
……おかしい、『赤影』なのに普通の殺陣をしている?!
どちらもレーザーや隠し銃みたいな突飛な武器を遣わず、プロレスみたいな体術もなしで、普通に刀VS刀で戦っています。赤影の服は相変わらずの赤い仮面ですが、根来忍者がコテコテの忍び装束じゃないあたりも含め、急激にリアル志向に変貌したような雰囲気。
陰から飛び出す根来忍者の特撮も秀逸。
忍法闇分銅で赤影を縛り付け、爆薬を投げつけて倒す流馬。馬で移動する信長を追いかけて殺そうとするが、信長は先回りした赤影の変装だった!
戦闘の中で流馬が爆薬を投げつけると、湧き出す鉄砲水!
台詞も何もないので、本当の自然災害を起こしたように見えてしまったのですが(この辺、理由づけを割と細かく説明する伊上さんらしくない)戦闘の末に何事もないかのように退いていくので、忍術だった模様。丸太の上でのチャンバラ、背景に流れる濁流は勢いがあって、こういう画づくりは好きです。
流馬を撃破するが、既に仲間が向かっていると死に際に言いはなつ流馬。そのころ、信長の前には巨大怪獣が立ちはだかっていた!
急激な作風の変化にちょっと違和感を覚えていたのですが、ここで一気に『赤影』らしくなったぞ(笑)
28話
巨大なサンショウウオの怪物……らしいのですが、いまいちそんな風に見えません。時代もあってか着ぐるみの出来もちょっと……という感じです。改めて、当時の円谷の造形技術に驚かされます。
信長を追って救援に駆けつける影たち。爆発が起こるので空から白影か?! と思っていたら、地上から爆弾投げているという姿に困惑。
凧がないと寂しいと思うあたり。すっかり毒されてしまっていたようです(笑)
茶屋で休憩する赤影たち。怪獣を倒さないことに不服の青影だが、使命は撃破ではなく信長を無事に送ることだと説得。そこで手裏剣を受けた馬を見て飛び出す赤影たちは、根来忍者に囲まれる。
「人の命を虫けら同然に考える根来の忍者ども! 一人たりとも生かしては帰さん!」
一行ですごい矛盾しているように聞こえるのは、気のせいでしょうか(笑)
だがその忍者は催眠術で操られていただけであり、その目的は赤影たちをおびき寄せて信長から離すことだった。一方茶屋に残った青影、茶屋の娘がお使いから帰ってこないのを怪しんで寺に向かうと、そこは既に根来忍者に占拠されていた。
飛び込む青影が根来忍者の下忍は圧倒できても、名有りの一貫斎にはあっさり降伏するのですが、相対的に地位の下がる白蝋鬼(^^;
根来忍者の一貫斎は大砲を寺に積み込み、ここから信長を狙撃しようとしていた!
「忍びというものはまず己が一番得意な技で、目的を果たすのが本道よ。渦巻一貫斎、根来の鉄砲集団から火術を学び、それを以てあの大筒を作った。まず、大筒を使わせれば、日本に忍者多しと言えども、俺にかなうものはおらん!」
え?
ビームとかロケットランチャーとか飛び交う『赤影』世界でそれを言っちゃう?
本当にどこか別の次元に迷い込んでしまったような(^^;
信長登場を見計らって大筒を放つ一貫斎だが、やってきた赤影が細工をしたために不発に終わり、さらに爆破の衝撃で崩れた天井の下敷きに。しかし既に怪獣を呼び出す細工が施され、信長を襲う怪獣!
白影との連携で火だるまにして撃破、となりますが、敵のスケールが怪獣と巨大になっているのだから、むしろ赤影たちの戦闘スケールもそれにつれて大きくならないと不自然に思うところ、何故か設定リセットで十分時代劇の範疇に収まる程度の戦闘スタイルになってしまっており、どうもちぐはぐに。
正直、あまりに時代考証無視した小道具は時々頭を抱えたくなるぐらいでしたが、どうせ怪獣と戦うぐらいなら、今まで通りはっちゃけてもらいたいところです。