『仮面ライダーゴースト』の感想。
父の墓参りに向かうタケルに、同じく龍の墓参りに来たマコト。マコトはいい加減、人物として好感が持てる描写が欲しいところだったので、こういうところが入るのは素直に喜ばしい。
前回、あっさり「タケルの想いは俺が繋ぐ」とか切り替えておいてこう来るのもどうかという気にはなりますけど(^^;
マコトが見てきた「地獄」について尋ねるタケルだが、マコトはモノリスに吸い込まれ眼魔の世界に落ちたことを話して、その先はけじめをつけてから、とお預け。
いや、あの、98日で決着がつくという保証は?
何が起こるかわからないのだから、さっさとそういう話は告げておいた方が、もしタケルが眼魂そろえられず消えるときになっても、少しなり後悔は残さないで済むと思うのですけど。
これ、「タケルなら眼魂をすべて集めて助かると信じている」というつもりで話を作っているのかもしれませんが、カノンを救った時の眼魂はほとんど西園寺が集めたもので、漁夫の利を得る形でカノンを救ったという話であり、その後集められなかったから今タケルがまた眼魂探しで面倒なことになってるわけでして。
また本作では「視聴者に開示されている情報」「登場人物間の共有している情報」の問題があることは何度も感想で述べてきましたが、少なくとも眼魂と眼魔とアラン他には密接な関係があることなど視聴者としてもタケルとしてもマコトとしても理解している事項のはずで、故にここでマコトが理由もなく答えを先延ばしにするのがどうしても展開のための展開だとしか思えません。
「タケルには感謝している」し「タケルの命は助かってほしい」けど「でも自分が持っている重要そうな情報は自分のことが片付くまで教えてやらない」って、あんまりにも悪辣すぎます。
一方のアランは眼魔世界にて、二体の眼魔を生み出して手駒にする。
「これで西園寺がいなくても、眼魔に力を融合することができる」
西園寺はもう、あの流れで故人扱いにされてしまう模様(^^;
眼魔世界とタケルたちの世界をつなぐキーパーソンなのだから、今後拾われることを信じたいですが。
父の残した言葉から英雄の想いを未来につなぐことを考えるタケル、町で電波障害が発生しているという話を聞いて外へ。人生相談活動しているサラリーマンに掴みかかるが、その正体は坂本龍馬の眼魂がとりついた普通の人間・田村長正だった。
正体を知るや、いきなり土下座してから「俺の心とつながってください」と迫るタケル。
タケルの頭が色々弱いのはもう仕方ないにしても、御成まで「キモイっすね」とギャグに持っていく流れは正直引きました。
タケルは龍馬から「協力してほしければ夢を見せてみろ」「夢がないなら薩長同盟を結んでみろ」と言われ、たじろぎながらも現れた眼魔をマコトとともに撃退。さらに話を聞くと、彼がとりついている長正は夢を抱えているが問題もある、ということでその夢の実現のために動くことに。
龍馬が憑依を解いた状態の長正がすんなりタケルと会話し、龍馬のこともあっさり信じてしまうのですが、もうこの世界はそういうものだから仕方がないと諦めてしまうしかないのか。
長正は人工衛星を開発しているが、その完成に町工場を運営する父・薩之進の協力が必要だといい、タケルはその説得に乗り出すことに。
次回に引っ張るのだろうとしても、過去のことにこだわる父を説得、ということについてまるっきり正当性が見えないまま進むのはモヤモヤしますし(何が問題かって、ここまでの本作がそういうところいい加減な作品だから)、堂々と「薩長同盟を結ぶお手伝いにきました」と言いだすタケルの頭の悪さは、ギャグにしてももはや臨界点。
……もしかして私、毛利亘宏さんのギャグとは根っこから相性悪いのでしょうか。
さらに襲ってきた眼魔と戦うタケルは、御成がひたすら強調する五右衛門でこれを撃退。夜中の飛び回る戦闘、月と花火を背景の決めポーズと、この辺は今回良かったと思います。