『巨獣特捜ジャスピオン』の感想。
宇宙空間で偶然幽霊船に遭遇したジャスピオンたちは、その船が飛び去った先の惑星ピースに引っ張られるように不時着。氷の惑星ピースでアンリとミーヤはさらわれてしまい、ジャスピオンは巨獣テツゴスと戦いながら地下の居住区で老人と出会う。
サタンゴースが幽霊船に命を与えた上、巨獣を暴れさせたためにこの星は氷に閉ざされた死の星となったことを伝える老人だが、アンリたちを誘拐したロボット集団に殺害される。ジャスピオンは地下居住区の奥でそれらを操る存在を発見するが、なんとそれはサタンゴースに命を吹き込まれた日本の惑星探査船「さくら」で、遠く離れた星に突き放された恨みを抱き復讐の時を待っていたのだ!
よくある環境破壊と人類の傲慢が生んだ科学の悲劇、そしてロボットの意識のネタではありますが(個人的には好みの部類)、純粋スペースオペラ世界観に突如「さくら」という日本語が刻まれた衛星が出てくると異国の文明という雰囲気が妙に醸し出されてしまい、すごく新鮮な体験をしてしまいました(笑)
2話というタイミングでねじ込まれたのも絶妙で、もっと旅をしてからだとあまりインパクトなかっただろうなあ、この展開。
無重力空間の演出、絶妙な異次元感を見せるさくら回りのオカルト染みた演出、雪山での大量爆発など、序盤の予算をフル活用して小林監督が好演出。巨獣を撃破後、人類への警告を発するさくらが爆発し、それに伴って星も消えてしまうという結末も、流れる「さくらさくら」と合わさって物哀しく決まりました。
話としてはすっからかんもいいところだけど、これだけ演出とアクションが気合入ってると騙されちゃってもいいかなと思えてしまいます(笑) 脚本は重要だけど、演出で乗り切ってしまえばなんだかんだ許せるのが単純な私。
演出と言えば、エンディングは映像も音楽も格好いいのでついついリピートしてしまいます。歩いてくるシルエットに飛び交うレーザー光線と、時代を感じるのですが実にオシャレ。
格好いいは正義。