『仮面の忍者赤影』の感想。
43話
赤影たちは馬を使うのに、独りだけ徒歩という猿彦の扱い(笑)
血汐将監操るヒル怪獣ギロズンは黒影を殺害し、陽炎を拉致。なんだかバタバタ動くと吸い寄せられるみたいな映像にしてますが、どういう原理で引き寄せる能力なのかいまいちわかりづらいのが困ったところ。
黒影の死と陽炎の拉致を知る赤影たちはギロズンに立ち向かうも、強敵相手に紅影まで殺される。
どうやって逃げたのか全く説明されないままに、Bパートで将監が「逃げられた」ことだけ伝え、雷丸からおしかりを受けるというがっくり展開(^^;
ここのやり取りとか、魔風忍者はみんなイロモノと言うかギャグキャラっぽく間抜けな掛け合いが多いのですが、遊び感覚で残虐なことができる集団、として描きたかったのでしょうか。
ただ人殺しを楽しむだけの集団ならいざ知らず、目的の一つである黄金仮面の秘密を解くというものと微妙に噛み合ってなくて、どうにも小物臭い方面ばかり目立ってしまうのですが(^^;
黒影と紅影の墓を作った赤影たち三人。
「嘆き悲しんだところで、二人の魂は浮かばれまい! 憎い魔風を悉く倒す、それが二人への何よりの餞だ! ここで、三人で誓おう!」
基本、伊上勝さんは公共・社会の秩序とか『月光仮面』よろしく神仏の正義、といったところに正義を置いて、個人の感情はそこに乗せるべきではないというヒーロー観を持っているように思うのですが、この『赤影』最終章はそういう「正義」が描かれず、ひたすら復讐の鬼となるところが渋い。
自分が捕まったふりをすればさらに油断させられるだろうと考えた猿彦は赤影たちの下に舞い戻り、彼らを誘い出してギロズンと戦わせるが、乱戦の果てに将監は灯篭の下敷きになって重傷、逃げて猿彦に助けを求めるが、ギロズンが倒され轟く悲鳴。猿彦は赤影に信頼される作戦のために将監の命までも利用したのだ!
ギロズンは露骨に強敵なのに、弱点をピンポイントで突いたわけでも新技が出たわけでもなくあっさり撃破。猿彦が将監にとどめを刺したので消えたということかもしれませんが、ギロズンが消えてから悲鳴が轟くというもののため、順番がおかしく、別々に撃破したようにしか見えません。
猿彦の悪辣さを持ち上げるために、思いっきり影二名と将監とギロズンを捨て石にするという、どうしようもなく雑な展開。
44話
適当でいいから、青影と赤影が白影たちと別行動している理由を用意してほしいのですが(^^;
魔風のブービートラップ鈴に引っかかった赤影と青影は網に捕まり、それを見てご満悦の雷丸は降ろしてひっとらえようとするも、爆発する網の中。
『ウルトラマン』は「回ればなんとかなる」ですが、『赤影』は「爆発させとけばなんとかなる」みたいな(笑)
青影は毒を受けており、合流地点の山小屋に寝かしつけた赤影は水を汲んで来ようとするが、沼で忍者に引き込まれてしまう。そして忍者闇の黒蔵は、赤影に変装して白影たちと合流するのであった。
一方白影たちは、合流する前に鈴をあちこち鳴らして雷丸たちを網にかけて遊んでいた。
雷丸のギャグ路線はどこから指示されて出てきたのか不明ですが、仮にも里を滅ぼしたラスボスがこんな間抜けな描写をされると、こんな連中に滅ぼされた里のみなさん大したことなかったんじゃ……みたいに思えてしまい、正直言って余計だとしか思えないのですが(^^;
合流した白影たちは赤影の指示に従い移動。遅れて女性二人に助けられた赤影は小屋の中に。その後、毒の熱が取れた青影は、赤影が魔風と会話していることから偽物だと感づき、戦闘に。しかしがけから転落してしまう。
黒蔵の変装する赤影は、バレてない状態だと普通に赤影と二役のようですが、声の使い分けがきっちりできているのが上手い。
にしても、「この赤影さんの顔、見忘れたのか?」って、それは仮面だろう(笑)
青影捜索に出た白影を、猿彦と二人囚われた芝居で投降するよう仕向ける黒蔵だが、赤影参上!
正体を見破った理由は青影を助けて話を聞いたから、とつけるものの、どうやって復活したのか、どうやって合流したのかの説明は一切放棄(^^;
そんなわけでにせヒーローとの対決になりますが、本物の赤影が光に照らされ、その後黒蔵の赤影を映すときは影が落ちている、と演出が格好いい。
影の落ちた偽赤影のシーンは迫力満点で、ここだけでも見る価値あり。
刀を折られ、正体を見せた黒蔵は空を逃げるが、赤影が火薬を投げて墜落させる。そして粉になって風にあおられ消えていくという、なんだか金目教編に戻ったような最期を迎える黒蔵。
その一方、小屋で女二人に看病される青影に、小屋を持ち上げる怪獣! 猿彦は犬彦を通じて青影の場所を伝えており、それによって狙われたのだ。
「青影! がんばれ! ……青影さん、本当に、大丈夫ですか?」
ナレーションまで心配を始めたところで、次回に続く(笑)