『ザ・カゲスター』の感想。
19話
今回の名台詞
「いかにも私はドクターサタンの第一子分、サンゴラスだ!」
なんすかその微妙な肩書は。
海辺で遊んでいた姉弟は、石のように硬直した人を発見。その後怪人サンゴラスに襲われ、姉が石にされる。サンゴラスは粉にして吹き付けるとあらゆるものを化石化させる化石サンゴで東京を石にする作戦を考えるが、弟のゴローを逃がしたことでカゲスターに気づかれるのを恐れたドクターサタンの命令で、ゴロー抹殺のため動き出す。
一方のゴロー、あっさりと鈴子と影夫にかくまわれており、化石化した人のことを話す。鈴子と影夫はサタンの仕業とにらむが、タケシが反発。
「僕は違うと思うなあ。いくらドクターサタンだって、人間を化石になんか変えられないよ、ねえ」
登場第二回にして、人間を人形に変えたのですが。
鈴子はゴローを助けたときに無人テントを発見しており、そこに白い粉があったのを見たということで全員出動、しかし痕跡はない。
「そうね、テントも無くなってるわ」
「ほら、やっぱり夢だったんじゃない」
鈴子が「テントがない」と異変を話しているのになんで元から何もないような反応をしているのか。
この後姉の偽物(サンゴラスの変装)が登場し、ゴローを連れ去るときにも「夢でも見た」と言うのですが、あり得ない異変は真昼間から立ったまま夢を見てたことにすれば解決っていくらなんでも無理矢理すぎて頭抱えたくなるところ。今回脚本の村山庄三さんの中で「夢でも見ていた」はマジックワードのつもりなのでしょうか。
サンゴラスに襲われるゴローを救ったカゲスターだが、サンゴラスを逃がしてしまう。しかしサンゴラスに絡みついていた植物をゴローはつかんでおり、それはサンゴ岳に生えるサンゴカズラという植物! という、あまりにも間抜けすぎるアジト発見展開。
日光を遮って分身を封じるのは知恵が回るかと思いきや、そのまま爆殺しようとして火薬の光で変身させてしまうサンゴラスのマヌケっぷりなどもあって、どんどん気が抜けていくエピソード(^^;
20話
人間コピー装置を使って作られたベアーコングは、東京中の人々をコピーして悪の人格を植え付け、本物と争わせる(そしてコピーを勝たせる)ことで混乱に陥れようとたくらむ。
コピーを作る手段がコピー装置を持って一人一人襲うという相変わらずの地道な計画で、東京を一斉全滅の前回からまたもスケールダウン。GMSさんがコメントされたように今一つどういう規模の話をしたいのか見えてこない番組なのですが、路線変更後もまるで見えてきません。
コピー人間はカットと合成で表現かと思いきや、コピーされるゲストを全員双子の俳優で構成するという力技で、そういえば後年『宇宙刑事シャリバン』でも似たような話があったなと思いだします。
コピー人間で犯罪者までコピーされるのですが、カゲスター相手に一人二人人間の犯罪者を増やしたところであんま意味ないような。そんなコピー人間たちをカゲスターとベルスターも分身してウルトラ大車輪でなぎ倒し、最後にベアーコングも大車輪でトドメ。
コピー人間たちはどう片づけるのかと思ったら、一か所にまとめられ、ベアーコングの爆発でまとめて吹き飛ぶ。
あ、あの、犯罪者は本物まで爆発してるんですけど?!
コピーとはいえ人を殺していいのかと思っていたら、コピーじゃない本物まで纏めて殺すことで却って問題なくしてるのですがそれでいいんですか?!(^^;
サタン帝国登場の13話からキバイノシシを爆殺するなど、本作は既にその点を通過していると思ってはいましたが、今回は明確に怪人ではない人間を殺っており、どうやら悪人に人権はない路線を貫いてしまう模様。
それはそれで、中途半端になってしまうよりはマシですが、この路線をたどったことにより今回単なるコメディリリーフでしかなかった屯田警部と業平刑事はいよいよもって存在意義を失いました。
もうこれからは、悪人を逮捕する役割さえ与えてもらえない、という。
作品としてはもう完全に「やってしまった」と思うのですが、大丈夫かこれ(^^;