『ザ・カゲスター』の感想。
29話
鈴子の誕生日ケーキにカラスを忍ばせ宣戦布告する怪人カラスガーによって通りすがりの親子が誘拐され、それを囮に基地内におびき寄せて毒ガスでカゲスターを抹殺しようとする前半と、四次元空間の展開装置で子供たちを誘拐しカゲスターたちをも閉じ込める後半とで、まるっきり別々の話を展開していて特に繋がりを設ける様子もなく、凄い尺稼ぎ感。
四次元空間に閉じ込められたカゲスターたちだが、実は吸い込まれる前にボタンいカゲロベエを忍ばせて置いてきており、それがカラスガーを締め上げることで脱出に成功する。
普通ならカゲスターが能力の特性を上手く生かして敵の隙を突き大逆転、と言えるのですが、29話も続けていながら未だにカゲスターの能力が曖昧模糊としているため、逆転劇がまるっきり戦略性とか感じられず、盛り上がりません。
基本、これまでのカゲスターっていきなり新技繰り出してなんか逆転してしまうスタイルなので、変に説明つけると却って困ります(^^;
30話
「この怪人たちは、サタン帝国を築こうと野心を燃やすサタンのために戦ったが、どれもこれも正義の戦士、カゲスター・ベルスターを倒すこともできず、全員が無様な爆死を遂げていた」
……かつて、ここまでひどいナレーションをする特撮番組は見たことがないかもしれない(笑)
直後サタンが「これ以上犠牲者を出すわけにはいかん!」と怒るのもまた笑えるポイントです。
話の方は何の脈絡もなく怪人バッファローギューが一人の闘牛士を襲うところから始まり、その娘が日本のバーで働いているところに客に毒を盛ったと見せかけてその客は戦闘員だった、という謎の展開連続。アジトにいたバッファローギューがいきなりバーにいるなど移動などの時間のつなぎもムチャクチャで、この時点でかなり脱力しました。
で、闘牛士の娘しのぶが働いていたのは行方不明となった母に見つけてもらうためで、父を殺されたのはバッファローギューが闘牛士に恨みを持っているからに違いない、そうなればしのぶの母もサタンの手に、と謎理論展開で影夫と鈴子が証拠もなく断定していったりと、論理構成がとにかくおかしい(^^;
というか怪人たちは素体の動物の意識で動くのではなく、人間に悪の心を植え付け動物の力を持たせたものと認識していたのですが、その辺またも曖昧な設定であることが露呈してしまい、2話連続で本作の重大な欠点を思い知らされることに。
後半、影夫たちの計らいでテレビ出演して母に呼びかけるしのぶだが、控室から誘拐されてしまう。しのぶの母は誘拐・洗脳されて工作員として働かされていた……のですが、話の流れにそんな重要な要素として動くわけでもなく、正直どうでもいい扱い。
そしてバッファローギューが毒の角でカゲスターを突く。
やったぞ! カゲスターには毒耐性がない!
が、それは死ぬ毒ではなくサタンに忠誠を誓う戦闘員になる毒であり、カゲスターは精神力で克服。
相変わらず、何の脈絡もなくいきなり耐性ができてしまうので、ずるい(^^;
バッファローギューが倒れてしのぶは洗脳が解けた母と共に祖父の下へ帰っていくのだった、でめでたし。
バッファローギュー、前半のあのナレーションなどから察するにカゲスター用リーサルウェポンのはずなのに、本能>作戦の闘牛士殺しから全然そう見えず、戦闘に闘牛要素を入れてしまったのも余計に頭の悪さを押し出してしまったような気がします。話としてもぐだぐだでした。