『魔法つかいプリキュア!』の感想。
なんだろうこの、毒にも薬にもならない感じ。
魔法学校の夏祭りで花火に使うドンドン花が何故か枯れてしまって、代わりになる野生の花「パチパチ花」の存在を知るみらいたちと補習メイトはペガサスのいる魔法の森へ探しに行くことに。
魔法界描写、今回は花火に使う独特の花が存在することを見せてきましたが、出店の形態が普通の日本の夏祭りっぽく見えるのは、もっと変化を与えられないものか(^^;
輪っかが生物だろうと輪投げだし、魔法で浮いていようと綿菓子だし、とにかくものの見せ方が今一つ弾けてくれません。
はーちゃんが店に並んでいる飴に興味を示しているのに、それの正体は示さなかったりしますし。
そして、今回の主軸は兎に角「信じること」に重きを置いているのですが、みらいとリコは互いの何を信じているのか。
そういう感情論部分で突破しようとする(いわゆる「ノリがいい方が勝つ」という理屈)のは、それを実践できる土台が備わって初めて成り立つのですけど、何しろ本作はみらいとリコはどうして互いに友情を感じ、好きになったのかさえ不明な状態ですので、全然、土台が備わっていません。
よって「みらいがリコを信じるように」とか言われても、画面の向こうだけで勝手に解決しているので、全然入り込みようがありません(^^;
本作のこれまでで備わっているもので信じられるものと言えそうなのは、運命がみらいとリコを選んでくれているぐらいしか無いのですけど。
何よりそういう個人レベルの好き嫌い感情だけで「信じている」のをもって、夏祭りの花火という多くの人に関わる問題を解決させようとする、という展開が謎ですが。
ちなみに今回脚本を執筆した伊藤睦美さん、前作『Go!プリンセスプリキュア』でも「信じる」ことを持ち出した話がありましたが(第8話)、あちらははるかの学業&ドレス製作という個人レベルの問題で収まっていたことと、はるか自身の誠実さとヒーローとしての立ち位置がその時点である程度備わっていた(加えてきららがそれに対して否定的だった)ので「信じる=絶対叶う」に直接結びつかず、その点で問題が大きく広がることはありませんでした(まあ「自分を信じてくれている人がいるから必死で頑張る」と言うフローラの姿、かなり危なっかしかったのですけど(^^;)。
仮に、「つながる想いが力になることを信じている」のであれば、みらいとリコとはーちゃんだけでなく今回花火を打ち上げる主役であり彼女たちに協力してくれる補習メイトを数えなければお話にならないのですが、花火問題解決にはともかくラブーとの戦闘になると追い出される補習メイト。
戦闘と日常が分離していて広がりを見せないのはもういつものことですが、単純に今回の戦闘は話に乗ってもなければラブー側の意味不明っぷりが加速するだけなので、心底どうだっていい内容。
一本の話全体としての大きな破綻らしい破綻はないものの、話の本筋が進むわけでもなければ単品でも別に面白くもないという、困った話。
次回、モフルンのシンデレラ。……まあ当分、こんな調子かな。