『仮面ライダー(新)』の感想。
今回はXライダー共闘編2本立てなので、まとめて感想。
開幕から、根性棒で成績の悪い生徒を叩く塾の先生というあまり気持ちよくない展開から始まったのですが、
怪人でした(笑)
失敗続きで大首領がお怒りのため、ご機嫌取りに魔神峠にて大神殿の建設を急ぐ魔神提督という、情けない設定(^^;
そんな大神殿の建設に儀式として子供たちを生贄に捧げる必要がある、ということで件の塾の鬼先生の正体トリカブトロンが、彼らを魔神峠に向かうよう仕向けた、という話。
これまで怪人個別の単位では多少なりオカルト描写があったものの、来たる食糧危機に備えて人口削減を、という科学的・社会的見地から動く組織だったはずのネオショッカーがすっかりオカルトめいた悪の組織として固まってしまっているのですが、もうこれは作風の変化に合わせたものと見てやむなしと割り切るしかないのか。
にしてもトリカブトロンの生贄を集める方法、魔神峠近辺の住民から少年サブロウを選んで、東京のタケシ少年とペンフレンドにさせ、さらに塾でタケシを精神的に追い込んで友人とサブロウの下への家出を決意させるという、すさまじく回りくどい上に確実性に欠ける作戦を展開しているのですが、この後の展開や描写を見るに普通に彼の頭が悪いということなのでしょう。
よく塾の講師で潜伏してたなあ(^^;
洋は魔神峠へ向かうが、そこに現れたのは神敬介!
31話では「この村にゆかりがある」としか説明されないのですが、32話で一応「学生時代に少しの間だけ滞在していた」と説明。
さらにサハラ支部から最強クラスの戦闘能力を持つ怪人黄金ジャガーが呼ばれており、タケシらを誘拐するトリカブトロンを追うスカイライダーの前に立ちはだかる!
黄金ジャガーは黒メインに金色のアクセントで、白馬にまたがっているとなかなか格好いい色彩です。
「仮面ライダー! ネオショッカーの将軍黄金ジャガー、一対一の決闘を申し込む!」
「望むところだ! 来い!」
いやそこ、望んだらタケシたちが危ない(^^;
「一対一の決闘じゃ手を出すわけにはいかんな……」
謎の美学を発揮して物陰から見守る敬介。
二対一だと卑怯、と思うのかもしれませんが、別にここからタケシたちを助けるために別行動するわけでもなく、それは流石にどうかと思うぞ敬介。
橋から転落しそうになったところをトリカブトロンの毒矢に撃たれて落下したスカイライダーを追って救出するので、その意味では結果オーライになりましたけど、この後「戦いに眼を奪われてトリカブトロンに気づけなかった」とか言い訳するのがさらに見苦しく、今回の敬介は色々怪しすぎます(^^;
作品としての『X』はともかく、神敬介は嫌いではないので。
ユキコのロマンス要素も、敬介はあまり気にしていないのですが、原典の『X』序盤が婚約者に裏切られるという展開だったため、色々勘ぐってみたくなる要素なのですが、多分今回だけなのであまり深入りしようがないという。
他方、ブランカではおやっさんが洋のピンチの夢を見てうなされるのですが、この人はもしかしてヒロインの座を狙っているのか(笑)
生贄の儀式として、タケシたち5人の少年に山の頂上まで神殿の礎を運ばせ、競争で最初にたどり着いたものだけ助けると言って働かせる魔神提督。それを追いかけ、アリコマンドのふりをしてタケシたちを助け、全員で一度にゴールさせようとする洋。
少年たち、競争以前に親に叱られるのが嫌で逃げてきたのに「また競争するなんて」とぼやいたり、一着以外殺すと脅されているのに開幕で互いに頑張ろうと励まし合うなど色々おかしい言動が目につくのですが、勉強してないから頭が回らないということにしておきましょう。
洋の協力で上がってくる少年たちを、崖から落ちそうになった時にそのまま去ろうとするトリカブトロンに対し、生贄を減らすわけにはいかないと助けて引っ張り上げる黄金ジャガー。
この後、黄金ジャガーは少年のゴール時に、大首領に対して全員同着の一等なら全員助けるのが筋だと進言するので、ジャガー側の正々堂々としたスタンスとどこまでも卑劣なトリカブトロンの書き分けを明確にしようとしたのかもしれませんが、それ以前に今回のシチュエーションを考えると、神殿の礎と生贄の双方を減らすことは得策ではないというジャガーの発言があまりに正当なもの過ぎるので、先に述べたようにトリカブトロンの頭が悪いという印象になってしまいました。
敬介による脱出ルート確保を済ませ、一等のものは全員生贄だと少年を殺そうとする魔神提督に、ついに儀式に飛び込むWライダー。
スカイライダー登場時のトリカブトロンの「あれー? おかしいなー?」って感じのしぐさがいい仕事(笑)
トリカブトロンはXライダーが撃破し、爆発の余波で大神殿が崩壊するのですが、独りそそくさと他人事のように逃げた魔神提督は確実に処刑ものではないか(^^;
黄金ジャガーの必殺攻撃に対し、なんと槍の上に乗って見せるスカイライダー!
ナレーション「陽炎の術とは自分の体重をゼロとして、陽炎のように身軽くなる忍者の秘術である。仮面ライダーは、特訓に次ぐ特訓によって、これを会得していた」
さらっと述べていますが、スカイライダーはV3をもしのぐ99の技を持つことと忍術を使えることが判明するという衝撃の説明。
その後も必殺技の応酬で黄金ジャガーは倒され、村には平和が戻り、サブロウとタケシたちも和解するのであった。
話としてはとても荒っぽいのですが、Xライダーがきちんと活躍したのと、とりあえず黄金ジャガーが格好いいのでそれでいいか(笑)