『仮面ライダー(新)』の感想。
41話
怪談シリーズその1。
見どころは、がんがんじいは人間だったと判明。
ブリキ人形ではなかった(笑)
幽霊が出ると噂の廃病院にナオコとアキが向かい、怪現象で閉じ込められることに。洋はシゲルの写真から「たすけて」という文字を読み取り、幽霊騒動はただ事ではないと感づく。
この文字は最後、オチに活用されるのですが、洋が行動開始するきっかけは廃病院が戦時中軍の施設だったので当時の毒ガス兵器が眠っている可能性があり、それをネオショッカーが狙っているのではないかという推理からで、この文字そのものは起点になっていないという、なんとも言い難い話の転がし方。
そして洋の推測通り、毒ガス兵器を発掘していたネオショッカー。
戦時中の負の遺産が現代に禍根を残す、というテーマは悪くないのですが、初代『仮面ライダー』でナチス財宝の地図が保管された箱を解析して開封し「いくらナチスでも古い技術だ」と藤兵衛が強がるシーンがあったのを思い出してしまい、大戦時の技術頼りになっているネオショッカー、いよいよ深刻な予算不足の気配(笑)
幽霊騒動をネオショッカーが利用してカモフラージュしたつもりが、あっさり洋にかぎつけられてしまい、密閉してガスで殺そうとしたらライダーには何の説明もなく毒ガスが通用せず、結局怪人が倒されガスも破棄されて終了。
途中述べた「たすけて」の文字が消えたことで、本当に幽霊がいたのかも、とオチをつけるのですが、幽霊騒動をネオショッカーがいかなる原理で引き起こしていたのかはまるっきり説明されないのでそこの疑いが最初から疑いのまま終わりまで進行してしまった上に、そもそも怪人がクチユウレイって幽霊が存在しなかったら何を基に作った改造人間なのかというキャラクターになっているせいで、その軸が機能していないという、ある意味新しい展開。
娯楽を目指したエピソードにしても、ちょっと杜撰。
42話
怪談シリーズその2。各地で頻発するゾンビ騒動、それを語る怪しげな男死人博士は子供たちに恐怖を与える。ゾンビ=生き返った死体という話を聞いたシゲルの友人ススムたちは、墓地で調査するが、ススムは誘拐されてしまう。
一見何をしたいのか不明な騒動は仮面ライダーをおびき寄せるためであり、ゾンビの再生能力・不死身性を持って仮面ライダーのスタミナを奪って撃破しようという、仮面ライダー特化作戦を展開することで理由づけ。
変に逸脱せず、純粋にゾンビのホラー要素を見せつつネオショッカーの活動に説得力を持たせたことで、話としてはうまくまとまることに。
実際にこれをもって襲う死人博士の正体・ゾンビ―ダはなかなかに仮面ライダーを苦戦させるのですが、ゾンビ―ダの持つ杖にゾンビが操られているのでそれを破壊することで解決、という流れは、ちょっと素直すぎてもうひとひねり欲しかったところ。
一応ゾンビ―ダは杖を大切そうに抱える場面もありますが、戦闘は基本的にそれで殴っているという点でも、演出に問題アリ。
すごく面白くはないですが、自分は最近、ひょっとして鷺山京子さんの本が合わないのかなあと思いかけていたところで、これぐらいまとまってくれたら悪くはないかな、って感じ。