プラントは壊滅状態となり、ライドの前に仁王立ちになるバルバトスはMA相手に向かおうとするが、動かなくなってしまい、MAは引き返して元のルートに。
一方、ヴィダールと対峙するマクギリスだが、ヴィダールはジュリエッタからの通信で移動。
「俺にはわからない。自らへの愛を叫び散っていった、カルタ・イシューと同じ機体に乗る、その気持ちが」
珍しく「俺」という一人称を使い、やや感情的になるヴィダール。
一方、鉄華団は昭弘もMAに対峙すると気絶して戦闘不能に。ザックの分析によると、どうやらガンダムにはMA専用のリミッターが搭載されているらしく、それがパイロット保護の仕様と反発して誤作動を起こしてしまうとのこと。
学校で勉強したというものの、前回も妙に洞察力が鋭い感じでしたし、ザックがちょっと怪しげな雰囲気になってきた(笑)
無理に動かせば、エドモントンでの三日月のようにパイロットの機能に障害が生まれてしまうため、三日月と昭弘は待機することに。
そのころ、イオク様はジュリエッタに説得されていたが、
「しかし! やはり私は行かねばならぬ。そうでなくては、部下たちに合わせる顔がないのだ!」
勝手に飛び立つイオク様。
タービンズの加勢も受けている二番隊だが、横からの砲撃でMAが加速!
「バレルが逝ったか……限界を超えた最後の一撃、感じたか? それが私を信じて散っていった者たちの痛みだ!」
コ ノ ヤ ロ ウ (笑)
前回、ダメ人間として飛躍的に向上したイオク様ですが、同じ失敗を繰り返してさらにジャンプ!
んー……
・自らの生まれの幸運に乗っているだけで基本的に自発行動しない
・人の話を聞かない
・聞いても理解しないし、する努力も一切しない
・自分は正しいと思い込んでいるので反省しない
・起きている事象は自らに都合よく改竄して解釈
……イオク様、もしかして魔法が使えないキュ○ミラクル(朝日奈み○い)なのでは(笑)
「自らの善意で本当は傷ついている人がいるかもしれないのに全く認識していない」って点ではイオク様とアトラは同質だと思うのですが、アトラは自分の行動に対する覚悟がある(だから指摘されれば責任は考えると思われる)&登場人物の視点からその善意のもたらす被害を認識しようがないのに対し、イオク様は作中世界視点から事の重大性が認識可能かつ周囲がものすごく尽力しているのに本人はそれを認識できないほどバカ、というのがヤバい。
そのころクリュセでは、三日月を案じているクーデリアの姿があった。
「クーデリアさんって、ほんと、三日月のことが好きなんだね」
「え? あ、それは……はい、好きです」
「あ……そ、そっか。うん……」
「もちろん、アトラさんのことも」
「うん。私も、クーデリアさんが好き。三日月のことも好き」
絶対、この二人の「好き」は違うものなのですが、とんでもない爆弾の予感(^^;
オルガはフラウロスによる遠距離攻撃を考え、マクギリスにも連絡をとって協力してもらうことに。
「期待外れでしたね」
「いや、これでいい。彼らは私にとって必要な存在だ。期待もしている。しかし、適切な関係性を保つために、立場をはっきりさせておく必要がある」
「最終的な名誉と功績は、全て我々が手にするということですか」
マクギリス、明らかにそんな意図で話してない(というのは視聴者視点ですが)し、俗っぽい名誉や功績に囚われた価値観を持ち出す石動には、個人的にガッカリ(^^; 声と見た目が割と好みなので、彼自身の性格や価値観がやっと出てきたと思ったらこれなのは、見ているこっちの方が期待外れでした。
まあ、直後の石動を見るマクギリスの(コイツ何もわかってねえ……)って感じの表情は、凄く面白かったので良かったですが!(笑)
ライドの三代目流星号の協力も受け、フラウロスはなんと変形機構から2門の電磁投射砲!
キマリストルーパーの変形を1期で見ているので、その流れと思えば人型から異形に変わる仕掛けは納得の範囲ですが、大胆な変形には驚き。
「唸れ! ギャラクシーキャノン発射!」
だがネーミングセンスは無かった(笑)
強烈な一撃でMAを足止めし、次々とマクギリスやジュリエッタのMSがとびかかるが、圧倒的な力の前に次々と弾き飛ばされ、なすすべがない。しかしそこに、動かないはずのバルバトスが現れる――
――時間が巻き戻り、フラウロスを呼んだ時点でのオルガと三日月。オルガはもしもの時があれば自分が出陣するつもりだったが、三日月はそれを拒む。三日月を案じて、出陣させようとしないオルガだが……
「何言ってるの? 俺の命は、もともとオルガにもらったものなんだから……俺の全部は、オルガのために使わなくちゃいけないんだ」
1期に比べ、三日月自身が自らの意思を述べるシーンが増えているのですが、おかげで口を開くたびに視聴者的にも色々驚きの連続に(^^;
三日月がオルガに従い尽くそうとする理由は、オルガが自分の理想をかなえてくれる・救ってくれるからではなく、自分の命を助けたオルガに対する義務感と使命感。
既に1期、ビスケットの死後の時点で、三日月側からはオルガを親・指導者として見ていることはないのだろうと思ってましたが、しかしここで三日月、オルガを自分の理想のために使おうとしているのでもなく、自分の理想とは別にオルガのために自分が尽くさねばならない理由がある、と表明。
それが果たして、三日月の「本当にやりたいこと」なのかどうかはわからないし、だけどそれは「別に誰からも頼まれていない(仕事ではない)」というのが、ここ数回「働く」「役目」について三日月が述べてきたのを踏まえると、凶悪。
そしてそもそも、オルガが三日月を「連れていく」ことを決意したのは「三日月が自分に「次にやること」を見せてほしいと求めている」と感じていたからなのですが、実際の三日月はもはや、オルガに何かを見せてもらおうとか思っていない、というねじれが生まれています。
今の三日月、オルガによって「既に救われた」のだから「オルガのやりたいこと」に尽くそうとしている、と考えており、オルガのこれからに「自分自身への救い」や「自分の未来」を求めていない。
ずっと自分が引っ張っていかなければならない弟分だと思っていた(そのために強くあろうとした)はずなのに、実はとっくに引っ張る必要なんてなかった。
そしてここで問題になるのは、「三日月の未来」を考えなくて良くなったために、「オルガの思う「自分だけの場所」」がどこなのかが実は曖昧である、ということ。
三日月に認められるために生きてきたオルガは、三日月が離れてしまう今、何を求めて生きるのか。
今までの自分の甘さと誤りを真正面から叩きつけられることになるという、オルガから見ればきつい内容。
三日月はバルバトスを恫喝するように呼びつけ、バルバトスは右側の目を妖しい赤色に輝かせ、MAとの決戦に向かう……。