『超人バロム・1』の感想。
33話
マユゲルゲなんて名前だからてっきり眉毛の怪物かと思えば、蚕の繭でした。
マユゲルゲの織った生地により作られた赤いドレスは、着た者を溶かしてしまう恐ろしい服。これにより歌手の太田きよみが溶けてしまう怪事件が発生。猛たちは調査のためやぶ塚温泉に向かうが、そこではきよみの弟が一人でドレスを用意した男を追っていた。
松五郎が怪事件の記事を見つけて猛の下に飛び込んでくるのですが、猛や健太郎が怪事件にあたる大人のヒーロー&松五郎がその正体をある程度把握しているならこの展開はわかるのですけど、二人とも基本は小学生だし、一応松五郎はバロム・1の正体を知らないことになっている(かどうかは果てしなく疑問符が尽きますけど)ので、いきなりここに事件を持ち込むのは不可解。
怪事件をとりあえず弟分の少年に持ち込んで煽る松五郎、色々と大丈夫か。
中盤からバロム・1は小学生二人が合体変身するヒーローという特色がほぼ生かされていないのですけど、話を転がす起点として思いっきり相性の悪い展開を用意してしまっており、どうしてこうなった。滝沢さんの脚本はあまり評価していませんが、伊上さんと並ぶ本数書いているだけに、こういう基本部分が外れているのが本当に謎。
話全体としても、被害者がドルゲ魔人撃破で助かるのはそういうもので納得するとして、きよみ弟を繭に封じて人質とするマユゲルゲ、偽物の繭でバロム・1を罠に嵌めようとして失敗しその後本物を正直に出してしまうポカ、特殊なロケーションが活かされない展開と戦闘でひねりがなく、面白いとは言えない内容。
34話
最終回を目前として、総集編。
遊園地(よみうりランド)で子供たちにバロム・1の活躍を語って聞かせる少年だが、途中からまるでバロム・1こそ敵のように語りはじめ、そこに割って入る大人げない松五郎がバロム・1の戦いを解説。
松五郎はバロム・1を「親戚、いや子分」と説明してますが、結局彼はバロム・1の正体を知っていたのか知らなかったのか(^^; そこは視聴者の想像に任せているのかもしれませんが、その話を聞く猛が慌てる様子もなくニヤニヤしており、もう完全に正体を隠す気がなさそうなのですが。
なおコプーが語った「正体を明かせば災いが起きる」件ですが、総集編で語られていないので作り手としては完全に無かったことにした模様。
コプーとドルゲの話やバロム・1の正体に詳しい少年は、実はドルゲの刺客ドルゲピエロによって操られていた。ドルゲピエロに子供たちが捕まり、バロム・1が立ち向かうが、ドルゲピエロの催眠術で眠らされ生き埋めにされそうに。
ドルゲの手で崩落する洞窟の岩が頭に当たって目を覚ますバロム・1、岩を跳ね除けるとそれに押しつぶされたドルゲピエロはドルゲに助けを求め、あっさり死亡。
潮健児さんは数々の悪役を演じてこられましたが、やることがみみっちくキャラ的にも印象に残らない設定の上、見せ場らしい見せ場が一切ないままひどく雑な死に様というここまでどうしようもなく残念なキャラが他にいただろうか(^^;
総集編でこれまでの怪人との戦闘シーンをきっちり映像付きで見せてきたこともあり、より一層ドルゲピエロのダメっぷりが強調されてしまっています。
そもそもバロム・1が生き埋め程度で死ぬということに説得力ない(これまで、その程度の危機で本当に死にかけたためしがない)ため、ドルゲが本気でこの作戦によってバロム・1を倒すつもりがあったのか、それすらも疑問になるレベル。
脱出したバロム・1。しかしなんとドルゲは巨大化して街に現れた。ドルゲはバロム・1に家族を人質に取ったことを告げ、確認すると白鳥家も木戸家も姿を消していた。
最終回手前にして、序盤のように直球で木戸家&白鳥家の周辺を狙いすます作戦にやってきたのは、田口監督か伊上さんにこだわりがあったのでしょうか。
陰湿に拷問して殺そうと宣言するドルゲに、バロム・1はどう立ち向かうのか、次回最終回。