『轟轟戦隊ボウケンジャー』の感想。
11話
前回ラスト、さらわれたダイボウケンに一人残った暁は、ダイボウケンの機能を停止。サージェスの秘密が眠る島にたどり着いたジャリュウ一族withガジャは、ダイボウケンを使っての発掘作業に挑もうとするが、動かせず。
律儀にコクピットに座るジャリュウ一族はともかく、ガジャがおかしい(笑)
「なんだこれは? どうやって操縦するのだ?! ガジャ!」
「……私にイマドキの機械のことを聞くなーーっ!!」
おい(笑)
ドライバーを隠す暁は島を調査に。一方サージェス本部では前回燃やした人形は予想通り偽物だと判明、本物を隠していたことが判明し、ミスターボイスに問いただす一同。
それはダイボウケン、およびゴーゴービークルの原動力であるパラレルエンジンの秘密を隠した地図であるのだが、サージェスでも一部にしか知られていない極秘情報であり数多のネガティブシンジケートが狙っているものであった。
「君たちの安全のため」と言いながらそそくさと逃げていくミスターボイスが、相変わらず悪い意味で胡散臭すぎます(^^;
暁がダイボウケンに残ったのはガジャを利用して島にたどり着くためと推測する真墨。それを仲間に伝えなかったのは、自分たちまでサージェスに背くことになるのを恐れての行動だったのではないか、と蒼太の推理。
いや、うん、あの……本物の人形は本部に隠してある(見つかったら確実にメンバー巻き添えになる)わけだし、サージェスの秘密を積極的に探しに行く理由もないし、暁の性格から考えても、絶対違うと思うゾ(笑)
暁を助けるため、さくらの指示の元、地図から島を割り出そうとする蒼太。一方、暁は地上をしらみつぶしに探すカースを退けつつ、プレシャスを発見。それはルネサンス時代の画家レオン・ジョルダーナの未発表デッサンの複製であり、そこの着想がパラレルエンジンの原型となったのだ。
そこにカースを倒され異変に気づいたガジャが登場、デッサンを奪う。
「なんなのだこれは?」
「4万年間お眠りしていたお前にはわかるまい。ガジャ、それはルネサンスの巨人……天才画家にして偉大なる発明家、レオン・ジョルダーナの作品だ。お前らが愚かと侮る、人類の英知だ!」
現代の機械に弱いガジャ、というのがまさかの伏線。
やはり出し抜いたのかとガジャに迫るリュウオーンと弁解するガジャだが、レッドは彼らの持つ人形とデッサンを奪い返し、デュアルクラッシャー。……って、一人でも撃てるんじゃないですか、それ。
その頃本部では、いよいよ特定が完了する中、最後まで暁を信じられなかったさくら姉さんを励ます真墨。
「悪いのは、また仲間を置き去りにした明石だろ?」
真墨も彼は彼でいろいろとアレな人なのですが、前々回の「そして光は、闇に打ち勝つ!」をはじめとする暁のアレさ加減とか、実際暁の現在の行動は明らかに彼らの思惑を外れているところとか、色々重なっていて相対的に真人間に見えてきた(笑)
ダイボウケンに乗り込んだレッドは2対1の巨大戦に苦しむが、新型ビークル勢揃いで登場した仲間たちで形勢逆転に。
「テストなしであれを試すつもりか。そいつは」
「ちょっとした冒険。……ですよね?」
ブルーがレッドのセリフを先取りし、だんだんこの空気も馴染んできました……(笑)
ダイボウケンにはミキサーとクレーンが足につき、ショベルとドリルを腕にした新形態・スーパーダイボウケンに。
「9つのパラレルエンジンを直結させる。失敗すれば吹っ飛ぶぞ! いいな!」
全員が了解の返事を出し、最後にブラック、
「ああ、5人の心を合わせるんだ!」
必殺技のダブルアームクラッシュで、二大ロボットは爆裂。
戦い終わって、秘密にして動いたことを問いただされる暁、
「だって、宝の地図だぞ! カーッと熱くならないか?!」
やっぱりか(笑)
「冒険は命令されてするもんじゃない。だからお前達にはヒントだけ残しといた。そして、お前達は自分達の意志で来た。それでいいんだ」
本作における「冒険」という言葉の意義を改めて強調してまとめる暁に、ミスターボイスも完敗宣言。一同はスケッチに盛り上がるが、さくらは真墨に言われたとおりに暁へボディブローを叩きこむ、というオチ。
立て続けの新メカ登場や勢い任せじゃないかと思う展開が多々あった1クールなのですが、前回と今回の不和→結束、の内容は結構楽しめました。同時にこの波衛門人形編の暁の行動と心情、本作の流れで納得はできるけど色々ひどいとは思いましたが(^^;
12話
ハーメルンの笛を狙う風のシズカに立ち向かうボウケンジャー。ビル屋上での戦闘中にブルーとブラックが転落してしまうが、冷静にプレシャスを奪還するピンク。幸いにもブルーとブラックは無事であったが、あまりにクールなさくらの対応について、暁の口から元自衛隊で戦闘のプロだと説明。
「それだけ俺たちを信用しているってことだ。現にお前たち、自力でここから助かっただろ?」
前回、暁を信じ切れなかったことを悔やんでいたので、それなりに説得力はあったのですが、帰還後のさくらの弁では「既に落ちてしまった以上できることは何もない」というクールな割切りであった。
「うん、間違ってないぞ! さくらの判断は正しい! な?!」
おい(笑)
話が進むにつれて、暁が格好つけたつもりで思いっきりズレたことを言う残念な人に……。
そのころダークシャドウでは、もう一本の笛があったことを突き止めており、それで子供たちを伝承通り連れていく。引き寄せられた子供たちは結晶状になって連れ去られてしまい、それを見た菜月は放っておけないと分析を待たず飛び出し、後に続いて正しいだけではどうにもならないと真墨と蒼太も出撃。
しかし笛が操れるのは子供だけではなく、洗脳される3人。男二人はともかく菜月は年齢的に引っかかりそうな気がするんですが。
直後に分析が完了し、スーツの音響レベルを変えることで対策したレッドとピンクはイエローを助け出すが、スーツの弱点も把握しているブルーとブラックにアクセルラーを破壊され、さらに暁は追い打ちでダメージを受けて一時的に戦線離脱。
自分の行いの責任を取ろうとまたも一人勝手に飛び出す菜月に、ボウケンジャーを倒すという目的なら同じだからと採用されたカース(前回巨大戦力ごと吹っ飛んだので怪しかったガジャの生存はこれでおそらく確定か)が襲い掛かるが、それを蹴散らし現れたアサルトライフル装備のさくら姉さん。
知り合いの伝手でかき集めたそうですが、ユルすぎるぞこの作品の日本の銃規制(^^;
社長室の過剰セキュリティを見るに、90年代のメタルヒーローレベルの可能性はありますが(参考:『特捜ロボ ジャンパーソン』は49話で日本の街中にガンショップがあることが判明してました)
そしてここから、さくらと菜月の女子二人が生身でアサルトライフルやサブマシンガンやグレネードをばらまくという超展開。
多分、カースには近現代兵器特効があるのでアサルトライフルが意外と通用するのでしょうが、戦隊女子二名が変身せずリアル重火器でバリバリ戦闘員を蹴散らしていくのはすごい絵面だ(^^;
捕まっている男二人の前で、結晶化させた子供を生贄に強大な力を得る儀式を行おうとするシズカだが、コマンド―状態の女子二人によってアクセルラーを奪還され、さらにサージェスの持っていった側の笛で子供たちを復活させられ失敗。女子二人の銃撃戦のインパクトが強い影響もありますが、もう片方の笛で子供たちを助けられるという内容についてはかなり差し込み方が強引な印象に。
そして暁復活とアクセルラー修理完了に寄り、笛吹き付喪神カナデガミはあっさり倒され、巨大化後もスーパーダイボウケンには圧倒されっぱなしで終了。
最後に男二人は自分たちの暴走を詫びるが、相変わらずクールな態度のさくら。無駄な冒険はしないというさくらだが、しかし菜月はさくらの成功率80%という言葉から20%分のリスクは冒険していたと気づき、彼女を理想の冒険者の一人として慕うのだった。
本作の翌年『仮面ライダー電王』で活躍する小林靖子さんが初登板。前回1クールで今一つキャラが立たなかったさくらに踏み込んできましたが、第5話とさくらの描き方の切り口が違いすぎて、どう捉えればいいやら(^^; 途中の重武装は衝撃でしたが。