電磁戦隊メガレンジャー 第50話感想
『電磁戦隊メガレンジャー』の感想。
卒業式を二日後に控えつつも、地上で隠れながら過ごさざるを得ないメガレンジャー。瞬とみくが買い出しに出るも、その中で戦いに巻き込まれることを嫌がる主婦の言葉を聞き、改めて打ちひしがれるみく。
一方、新たな研究開発に入ったDr.ヒネラーのために、メガレンジャーの基地を見つけ出そうと考えるシボレナとユガンデは、デジタル研究会のパソコンからハッキングを仕掛けることで、INETの拠点が月面にあることを突き止める。
この過程でデジタル研究会の部室を閉鎖しようとした先生(前回、ジゴクネジラーに襲われた人)が殺害されてしまうのですが、メガレンジャーを追い立てた嫌な奴が殺されてスッキリというより、視聴者にそういう風に受け取ってもらう意図がありそうなあからさまな処理の仕方っぽく見え、微妙に反応に困ります(^^;
そして、月面基地を攻撃するべく、ユガンデは自身に一時的なブーストを行うネジ李アクターを搭載することをシボレナに頼む、シボレナは拒否するが、ユガンデの熱意に押されて承諾。
一方その頃、ヒネラーの肉体にも異変が起こり始めていた。
「そんなはずは……そんなバカな! そうだ、これさえ完成すれば……久保田め……待ってろよ。お前たちへの恨み、必ず晴らしてやる」
久保田の忠告を無視してネジレ次元に跳んだのが影響したみたいですが、具体的に何が起こっているのかは持ち越し。
その後、INET月面基地に、ネジリアクターをセットして赤い姿となったユガンデが回線から突撃、破壊の限りを尽くす。メガシルバーと一騎打ちで圧倒し、巨大化して基地を破壊、ボイジャーマシンを埋もれさせて使用不能に追い込むという大打撃。
定時連絡が来ないことに疑問を抱いたメガレンジャーは、外でシボレナの攻撃が始まっていることを知り、先の主婦がメガレンジャーを求めているのを見て躊躇いつつも変身。助けられた主婦は巻き込んだことへの悪態を吐くとどこまでも身勝手を貫く一方、その子供は助けられたことに純粋に感謝し、そのことに自信を取り戻すピンク、というシーンは良かったです。
メガレンジャー出現を受けて地球に飛ぼうとするユガンデだが、それを止めようとするメガウインガー、そして助太刀に現れるギャラクシーメガ!
「こいつは我々が倒す!」
博士ーーーー!!
土壇場で1号ロボが出撃するという展開自体も熱い(しかもギャラクシーメガはINET職員が乗り込む基地兼用ロボ)のですが、前回に今回と久保田博士の格好よさがものすごい熱い。
デルタメガも駆り出し、ユガンデを倒すべく戦うINETの英傑たちだが、ユガンデの剣の一振りでデルタメガ、玉砕。
メガレッド操作でないとはいえ、デルタメガが一撃で吹き飛ばされるレベルの攻撃はここまで描写されておらず、ユガンデのパワーアップの恐ろしさが窺えます。
巨大ユガンデは地球に飛び、メガレンジャーをそのまま攻撃。ボイジャーマシンが使えないメガレンジャーは窮地に陥るが、ギャラクシーメガが阻止に現れる。
「早く乗れ! 選手交代だ」
ギャラクシーメガのテーマBGMが流れ、とことん熱い。
だが、メガレンジャーが乗りこなすギャラクシーメガさえも抑え込む強さを見せつけるユガンデ。ついにダメージが限界に達し、倒れ伏したギャラクシーメガにとどめを刺そうとする。
が、その時ユガンデの肉体から煙が噴き出し、元の大きさに。
ユガンデの敗因が実質自爆になってしまったのですが、むしろこれはメガレンジャー撃破にこだわるあまり、彼らをサポートするINETの面々を見落としたがために時間を稼がれた末の敗北、というところでしょうか。与えられたダメージとしては間違いなく、最終盤にふさわしい劇中最大規模ですし。
なおも立ち上がるユガンデだが、エネルギーを使い尽くしたユガンデに5人の相手は厳しく、レッドがとどめの一撃を見舞う。そこにシボレナが割って入り、背中で攻撃を受け止める!
「貴様ぁぁぁぁ…………メガレンジャァァァァッ、死ねえぇぇぇぇぇ!!」
心臓の鼓動音をバックに絞り出すような声の鈴置さんの演技と、ユガンデの気迫がすごいことに。
しかしバトルライザーの必殺三連撃を繰り出すレッドに、とうとう力尽きたユガンデ。シボレナはデスネジロ要塞に帰還し、ヒネラーに報告する。
「Dr.ヒネラー。ユガンデが、メガレンジャーの本拠地を破壊しました」
「何?! 奴らの本拠地を! そうか、よくやった! で、ユガンデは?」
「メガレッドに……倒されました」
「ユガンデが?!」
かかりだすモーツァルトの鎮魂歌「涙の日」を背景に、火花を散らすシボレナ。ヒネラーは近づこうとするが、シボレナは拒絶。
「Dr.ヒネラー……私に命を与えて頂き……ありがとうございました」
「何を言っている!」
「いつまでも……うっ! あ……あなたの……忠実な部下でいたかった……」
「……シボレナ」
「さようなら……父上」
そして爆発したシボレナから飛び散る破片の中に、ヒネラーと映るシボレナの写真。ヒネラーとの記憶が最後の最後に焼き付いたのか、それともヒネラーが何らかの意図で仕込んだのか不明ですが、ヒネラーを初めて「父上」と呼ぶシボレナの後に家族写真が飛び出してくるという映像は、なかなか強烈。
……ユガンデも映してやるべきではないか、とか一瞬思いましたが(^^;
BGMが「涙の日」なのは久保田博士とヒネラー(鮫島)の確執が判明し、対面することになった38話で「怒りの日」が使われたことの対という意図もあるのでしょうが、展開にマッチ。
「おのれメガレンジャー……許さん! どんなことがあろうとも、お前たちを倒す!」
地上ではギャラクシーメガの復旧を行うが、事態は深刻との久保田博士の答え。両者ともに満身創痍の状況で、果たしてどちらが勝つのか……?
今作の敵幹部(ユガンデ&シボレナ)にそれほど思い入れがあるわけではないのですが、クライマックスを飾る両者の演技は迫真で、凄かったです。そしてやたら熱いギャラクシーメガ復活参戦と久保田博士なのですが、反面メガレンジャー本体がやや印象薄くなった感じが(^^; 明らかにシボレナ&ユガンデに焦点合わせた内容だったので、狙い通りかもしれませんが。
健太たちを追いだした学校と卒業式の行方とか、シボレナがヒネラーを「父上」と呼んだ真意とか、ヒネラーの研究と異変とか、次回で回収できるのかと不安になるような要素が多数残されていますが、果たして。
次回、メガレンジャーは戦いを終え、無事に卒業できるのか、ついに最終回。